蛇苺の魔女がやってきた ぬばたまおろち、しらたまおろち (創元推理文庫) [Kindle]

著者 :
  • 東京創元社
3.25
  • (0)
  • (4)
  • (3)
  • (0)
  • (1)
本棚登録 : 26
感想 : 2
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (378ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • AmazonUnlimitedで読了。

    『ぬばたまおろちしらたまおろち』シリーズの3作目。
    綾乃は前の巻で生徒会に誘われていますが、やはり副会長になったよう。ディアーヌ学院で行われる夏至祭という行事に向けて頑張っています。そんな中、綾乃は水晶玉を使った占いの授業で、かつて彼女を強引に我が物にしようとした首長竜の姿を見て、倒れてしまいます。楽しいお祭りのあとは夏休み。生徒会長の別荘へと遊びに出かける綾乃たちですが,大きな事件が待ち受けているとは、夢にも思わず…といったお話。

    今回は、ダークファンタジー気味。なかなかハードな展開でした。ミフミフ先生の妹さんが、英国からやってきて、面白い授業をしてくれますが、自分の魔術のためなら、生徒の危険も気にしなかったり、何やら謎めいた様子。ディアーヌの考えは合わないと出ていく彼女。そのひとが去ってからも、雪之丞や綾乃の周囲は、なにかと落ち着きません。

    一度は終息したかにみえる、1作めの事件。Amazonのレビューでも、他の方がお書きでしたが、『どうして綾乃のお家の方に、全てを伏せて、一年以上も行方不明にしていたのか。』『どうして強引にディアーヌに連れてきたのか。』という、読者が、綾乃が幸せそうだから、と目を閉じてきた謎が明かされます。また、アロウと雪之丞の身にも大変なことが…ネタバレは避けますが、えー!と大声を上げそうな展開です。

    英国の魔女たちは、迫力満点ですが、かなりお腹の底も黒い感じです。どう読んでも私は好きにはなれません。一方学院の先生方も、大人の事情を抱えすぎです。私が綾乃だったら、かなりひどい人間不信に陥ったでしょう。バトルファンタジーとしての場面は迫力がありますし、シリアス満載で読ませます。しかし、綾乃をめぐる大人の魔女たちの思惑は、あまりにあまり。

    綾乃ちゃんの態度も、厳しいことが言われていましたが、この作品のラストを読むと、これはこれでかわいそうに、と思えてしまいます。雪之丞のことも、アロウと雪之丞の関わりは、ある決着をみます。ですからこれでよかったかもしれません。しかし、綾乃がこの先彼と幸せになるのかは、私は疑問です。

    私が彼女なら、ディアーヌは素敵な母校。雪之丞は初恋の彼、でキリをつけて、再出発しちゃうかもしれませんね。え?ものすごい感想?うーん。私も自分でそう思います。ぜひご自身で内容をお確かめ下さい。

    むしろ読みどころは、首長竜を本州から北海道まで飛行術で連れて行く旅の場面。詩情豊かで美しい光景で。これぞ魔女たちの絆と実力の真骨頂というくだり。感動します。学院生の熱い友情と、自分よりいたいけなものには真剣に手を貸す魔女気質が本当に素敵でした。ここ読むために、このシリーズ読んで良かったと思うほど。

    これで、このお話はひとます終了なのかな。気分を変えて、全く違う本を一冊読んだら、今度は『横浜女子仏語塾』シリーズのレビューと参りましょう。

  • ぬばたまおろちしらたまおろち のシリーズ3作目
    ディアーヌ学院に現れたイギリスの魔女 湖に現れたと噂の首長竜 そして雪之丞に起きる災難

    途中で話が一旦解決して、この後何か起きるの?と思ったところで事態は急転する
    想定の斜め上の状況になるのであとは語りません。。(一巻の段階でそこまで不自然に思わなかったし。。)

全2件中 1 - 2件を表示

白鷺あおいの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×