- Amazon.co.jp ・電子書籍 (192ページ)
感想・レビュー・書評
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とうもろこしの話、流通の話、スイカの話、ズッキーニの話、玉ねぎと宮のタレの話。だんだん面白くなってきた気がする。作風に慣れただけかもしれないけど。やっぱり小説でもマンガでも、作者の語り口に慣れるって大事だな。
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Kindle Unlimitedで最新刊5巻までが読み放題になっていた(太っ腹!)ので、1巻から5巻までを読んでみた。
宇都宮の青果市場を主舞台に、野菜の大手仲卸会社「八百森」に就職した2人の新人社員の奮闘を描くマンガ。
「えらく地味な題材だなー。内容も地味なのかな?」と思いつつ読んでみたら、きっちりエンタメになっていたので感心した。
そもそも、題材としては地味かもしれないが、野菜に関わる仕事をしている人(売る人・作る人)は膨大な数に上るはずで、十分マーケットが見込める題材なのかもしれない。
タイトルの「エリー」とは、主人公の卯月瑛利(うづき・えいり)の愛称。まぎらわしいけど、男性だ。
宇都宮大学の農学部で学んだ、仲卸の世界では少数派のエリートであるエリーと、同期入社で金髪リーゼント・ヤンキーの「のりたま」(大虎倫珠)――。
見た目とキャラは対照的だが、共に野菜に対する情熱を持った2人が、少しずつ仕事を覚え、成長していく姿がすがすがしい。
青果流通の現場をリアルに描いていて新鮮だし(※)、「仕事マンガ」としても青春マンガとしてもよくできている。
※作者の夫がもう四半世紀も野菜仲卸の仕事をしているのだという。妻として見つめ続けた夫の仕事が、本作のベースになっているのだ。
シリアスとコミカルのバランスもよい。
時にしんみりさせ、時に考えさせる内容だが、かと思えば突然ぶっ飛んだギャグを突っ込んできて爆笑させたりもする。
野菜についてのディープな知識も随所に盛り込まれ、野菜好きな人ほど楽しめるだろう。
わりと珍しい「栃木県が舞台のマンガ」である点も、栃木出身者の私としては加点ポイントだ。
「ステーキ宮」(いまは全国にあるが、栃木県発祥のレストランチェーン。「宮ステーキ」は県民のソウルフード)の「宮のタレ」が題材になった回があって、ビックリ。