目からウロコが落ちる 奇跡の経済教室【基礎知識編】 (ワニの本) [Kindle]
- ベストセラーズ (2019年4月22日発売)
- Amazon.co.jp ・電子書籍 (258ページ)
感想・レビュー・書評
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全国民に読んでもらいたいです。貨幣とはモノやサービスの交換手段ではなく、負債の一形式であること。銀行は手元にある預金をもとにではなく、借り手の需要があれば、預金という貨幣をつくりだせることには衝撃を受けました。また、日本がデフレにも関わらず、インフレ対策をして景気が回復しないということが本書を読めばいとも簡単に理解できるでしょう。自作の「戦略編」も楽しみです。
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MMT(現代貨幣理論)を支持する著者の立場からすればという前提はあるものの、日本がバブル崩壊以降、低迷するデフレ経済からいつまで経っても脱却できないのはなぜか、国がこれまでに講じてきた政策がなぜ悉く失敗に終わったのか、とても分かりやすく解説されている。
著者の主張が真実ならば、私が貨幣や経済について持っている概念も知識も大きく誤ったものということになる。同じように感じた読者はきっと多数いるはずだ。その意味で目からウロコが落ちるというタイトルに偽りはなかった。
イギリスには、「馬を水辺に連れて行くことはできても、水を飲ませることはできないと」いう諺(ことわざ)がある。本書では「紐を引けるが押すことはできない」と表現しているが、正にその通りだと思う。
続編の「戦略編」を読了次第、またレビューしたい。
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タイトルに偽りなし。
MMT理論として、通貨を発行できる国は借金をし続けられるという過激な箇所ばかりが注目されがちですが、
「インフレにするには、需要を創出するために大きな政府にするべき」というような基本的なことが丁寧に説明されている。
日本はインフレ政策と逆のことばかりをやっていることなど、全国民が知ったら本当に日本は良くなるはず。 -
中野氏の本はTTP亡国論で読んでいたのである程度の基本情報はあった。しかし改めて読むとやはり目から鱗。多くの人に読んで貰いたい。
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自身の不勉強が原因だが、私は経済に非常に疎い。本書を読む限り説得力があるが、本当なのか検証してみたい。
日銀・政府含めて様々な対策を実施したにも関わらず、実際に日本経済は低迷したままだ。
モノの物価は上がっているが、経済自体が上向いている訳ではないし、消費者の生活が豊かになっているという実感がない。
MMT(現代貨幣理論:Modern Monetary Theory)について全く不勉強であったが、本書の解説で多少概要が理解できた。
もうちょっと突っ込んで、自分でも勉強してみたいと思う。
確かにこれらの主張だけを聞いていると、今までの政府の施策は全て間違っているとしか思えない。
自分に前提の知識が圧倒的に足りていないから、つい鵜呑みにしてしまいがちだが、逆に反対の意見もきちんと聞いてみたい。
政府は、どういう論理で正しいと考えて、今までの施策を行ってきたのか。
それでも日本経済が改善されていないのは、何が原因だと思っているのか。
どうすれば、この状況が改善すると思うのか。
知識が足りていないために、私自身が判断できない状況であるが、個人的には財政政策以外にも、根本的な原因があるような気がしてならない。
当然、原因は様々あって、複合的な要因が複雑に絡み合っている。
・急激な少子化で、働く若者が減り続けている
・少子化の影響もあり、同年代の競争意識が薄いため、ガッツがない
・とにかくデジタル化が進んでいない。デジタル化しなくてもなんとなっているという一面もある。
・製造業主体のビジネスモデルがすでに限界にきている
・日本の経営者の能力不足
・そもそも日本人の労働生産性が低すぎる(経営者だけの課題ではない)
・法律や規制が厳しくて、イノベーションが起きにくい
・国際競争で優位な産業が減っているのに、次の一手が打てていない
などなど。素人考えで上げてみたが、本当に経済低迷に影響を与えていないのだろうか?
本書内では、上記に関係なく「経済の低迷が続いているのは、デフレから脱却できないことが原因だ」と明確に回答している。
それでは、なぜデフレになるだけで、経済成長が滞るのか。
なぜデフレから脱却できないと、経済は成長できないのか。
デフレから脱却する方法は何なのか。
本書で解説されているが、確かにテレビなどでよく報道されている内容とは異なっていた。
もっと深掘りして専門家に聞いてみたいところだ。
本書では「グローバル化が進むと、デフレになる」と説いている。
「海外貿易を規制して、国内で産業を回した方が、景気がよくなる」とも書いている。
私が在籍している会社では、確かにグローバル化の波は大きく影響している。
小さいながらも儲かっていた業界が、今は窮地に立たされている。
今までそれなりに利益が出ていて、甘え過ぎていたという側面もあるかもしれない。
よくよく考えると、外資系企業が日本のある産業を根こそぎかっさらっていくのは、日本国全体にとってプラスになるとはどうしても思えない。
インターネットだって、検索だって、スマホだって、外資規制して、日本国内で閉鎖していたら、産業として大きな進化を遂げたかもしれない。
現に中国は、GoogleもYoutubeもFacebookも規制したために、BATHが台頭した。
そして今、次の世代のベンチャー企業もドンドン生まれている。
この論理からすると、著者の考え方は合っている気がする。
デフレ脱却のためには、規制強化し、公共投資を増やせばいい。
やるべきことは見えているのに、なぜ出来ないのか?
ここがまた日本人の気質を感じるのだが、不思議なものである。
とにかく考え方としては、非常に面白い。
他の金融施策も勉強してみて、見比べてみたいと思った。
(2023/12/31日) -
経済は難しい!専門家ですら意見が違うなんて。デフレの時は増税やグローバル化推進は、やってはダメ。なぜならそれはインフレ対策だから逆効果。うーん、いろんな視点の本を読んでみたいと思う!
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すごくよかった。自民党議員のセンセイ方にぜひとも読んでもらいたい1冊。選挙で自民党に入れている人にも。デフレ脱却ほんとにやる気があるのならこの1冊!