- Amazon.co.jp ・電子書籍 (204ページ)
感想・レビュー・書評
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15歳の少年と、倍以上歳の離れた女性との純愛は、ある日突然女性の失踪で終焉を迎える。そして、年月を経て二人が再び顔を合わせたのは裁判所。甘美な前半から転調した後半は、戦争犯罪とその責任という暗い影が視界を覆う。
戦争はとうに終わったと思っていたのに、自分の愛する人が戦争犯罪者だと断じられたら、人はどう思うのか。無力感に苛まれる青年(当時15歳の少年)の心を覗くのはあまりにも辛すぎる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
映画を観る前に原作から。
一つの作品で多くのテーマをもちながらも、そのどれもがちゃんと濃縮されている。
愛、裁判と法、歴史と虐殺、生と死など、ものすごく哲学的で考えさせられる。 -
愛した人が過去に罪を犯した
罪を軽くするためには本人が恥じている事実を暴く必要がある
愛するとは何か、罪とは何か、人の尊厳と自由とは何か -
こういう本に出会うために、何百という本を読む。
原作はドイツ語なので、この本を原作で読みたいがためにドイツ語の勉強を始めた。
そのぐらい強烈に印象に残り、定期的に読み返したくなる作品です。
映画も素敵です。 -
ねたばれなしで読んでください。
映画は愛を読む人。
涙と鼻水があふれました。
戦時のドイツの少年の恋を回想。 -
ネタバレ禁止系の、15歳の少年が36歳の女性と恋に落ちる話。
第2部から思ってたのと全然違う内容になってちょっと戸惑いましたが、面白かったです☆割とページ数少な目ですし、すらすら読める感じ。最後の結末については、正直、読み終わった直後はちょっとよく分からないところもあったのですが、ネタバレ全開の以下考察サイトを読んだらいろいろと腑に落ちた感じでした☆とりあえず、読書好きなら絶対おススメの本だと思います☆ただ、ベタな恋愛小説を期待して読むとその期待にはそえないかも知れません^^;。
https://ameblo.jp/finalfreeway/entry-10302318962.html -
初めは、どんな本なのか分からなくてスラスラ読み進めれた。
“文盲”という言葉が出た時に「えっ?!」てなって必死に読んだ。
僕とハンナとの恋愛やその後がこんな結末だなんて寂しいなと思った。 -
本作はかなり以前に映画化されたものを鑑賞したものだが、その後内容が気になっていて今回改めて読み直した。ナチス時代に看守として働いた女性ハンナがその事実ゆえ、そしておそらくは恵まれない出自ゆえに文盲であるという事実ゆえに、ひたすら自分を押し殺し、社会の陰で生きつづけるという作品だ。主人公はミヒャエルで、彼のモノローグだが、実際の主人公はむしろハンナであって、彼は添えものかもしれない。感情を理屈で分析しようとし、その齟齬に悩むという面は遠からず自分にも当てはまる気がするというのが、この本が気になっていた理由だろうか。ミヒャエルは中年の域に達しても幼少時に持った葛藤から抜け出すことはなく、ハンナとの距離を適度に保つことで自分のなかの聖と悪との端境で生きつづける。表情を押し隠すハンナもまた、ある点でミヒャエルと似ていたのかもしれない。恩赦を得、ミヒャエルと素で接することになるのを怖れた結果、自らを殺めたのだから。
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始めの恋愛関係のところ、絵画的で良かったです。
しかし、その後、彼女が疾走してからのくだり、なんだか気持ちが入っていけず、ただ読んでるだけになってしまいました。
これは映画の方がいいのかもしれない。(観てないけど)