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- Amazon.co.jp ・電子書籍 (688ページ)
感想・レビュー・書評
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クレア・ノースの小説を読むときにいつも感じる事だが、物語りの構成が絶妙にうまい。京極夏彦氏の本かと見間違うほどの厚さにもかかわらず、まったく飽きずに最後まであっという間に読んでしまう。誰にも覚えてもらえない体質の女性の話。とにかく面白い。敵が味方になり、また敵になり…。全く本から目が離せなくなる。登場人物の心理の描き方、各国の風景の描き方。単なる記述ではなく、ヴィジョンとして浮かんでくるうえに、心情にも響く。
今回の本では、日本が出てくるが、凄く良く下調べをしてあり、日本人特有のわび・さびもきちんと理解している。
西洋の人がアジアを表現するときは、何もかもごちゃまぜで表現してくるのに、クレア・ノースは、日本、韓国、それぞれの細かな違いや、その国の空気まできちんと表現している。これは凄いことである。
クレア・ノースとしては、まだ3作品しか翻訳されていない。早く次作を読みたい…。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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