ヒロインの男装がいつ、どのようにバレてしまうのだろうとハラハラしながら楽しめました。
本のタイトルにあるように、中盤でヒロインは愛情が裏切られたように感じるわけですが、同じくヒーローも過去に裏切られたような経験をし、愛に関しては頑なになってしまっているので、良くある流れですがお互いに信頼できず中々結ばれないわけです。
戦争による脚の怪我の後遺症を抱えるヒーローですが、それによる心の葛藤や一部不自由な様子なども最後まで丁寧に書かれており、怪我の痛みがあっても以前と変わらず過ごそうとする姿や、ヒロインを守る戦士のような強い男としての姿がとても魅力的です。
最終的に裏切りと感じるかどうかは本人次第といういくつかの出来事を経て、その中心は愛で回っていたと思い至るまでの精神的な成長も書かれていることが好ましい作品でした。