- Amazon.co.jp ・電子書籍 (195ページ)
感想・レビュー・書評
-
ミステリの終着点が見えないもどかしさと、だからこその面白さをしみじみと噛みしめているのだが、今回は放火魔の話で後味はあまりよくはない。こんなご時世だから「断固とした大人の決意」はそういう社会であって欲しいと願うばかりだ。整くんが目指すものが学校の先生と知ってなるほど納得。な部分もあるし、大丈夫かな。と思ったりもするわけで。
詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
序盤から整の重く暗い過去が暗示されており、虐待の話は避けて通れないだろうと思っていたのでその意味での驚きはなかった。
救われた人間が必ずしも幸せになるとは限らない。
救われたことで恩人に感謝するとも限らない。
救いがないと言えばそうなのだが、私はそれでいいと思った。
実際救われていない人や事が現実にたくさんあり、救われなかった事件や被害者が存在するのに、「かくかくしかじかで可哀想な子どもたちは救われてみんなしあわせになりました、めでたしめでたし」とレトリックされても鼻白む。
フィクションといえど安易な救済やスッキリしたハッピーエンドを設けないのが整やこの物語の誠実さであり、人の数だけ価値観を許容しようとする深みだ。
普段は比較的明解な考察をする整が、終盤で陸に告げる「今はこれしか言えない、ごめんなさい」がずっしり響く。
整の学部やめざす職業には大いに納得。なるほど、それでか!と今までの理屈っぽい言動に納得がいく。
周囲に気持ち悪いヤツと言われても社会が内包する疑問や違和感、理不尽を蔑ろに流さず、「何故だろう」と考え続ける愚直な姿勢こそ彼なりの誠意であり、職業倫理に繋がるのかなと妄想を逞しくした。
ライカは二重人格なのかな……とか、恩師がラスボスだったりするのかな……と、今後の展開への布石も楽しみ。 -
丸々1冊、児童虐待の話です。整くんの過去が少しよぎります。自分自身、機能不全の家庭のサバイバーです。作者さんの力量で虐待が被害にあってない人にも静かに心に響くように描かれています。炎の天使。こればかりは今の日本の司法では答えは出ません。クリスマスだけでも子供達が幸せな1日になればと願う作品でした。
-
児童虐待がテーマ
日本はそんな遠くない昔、丁稚奉公だったり、農家の子供は普通に仕事を手伝わされていたりと、子供の人権に疎いように思います。
虐待がわかっても(現在はどうかわかりませんが)児相では、親子一緒が良い家庭という価値観があったようですね。
整くんのつぶやき?メジャーリーグのたとえ話は、良かったですね。日本でもそうあってほしいと思います。
結末は、予想外の展開で驚きました。 -
またこれも繋がっているの⁈
引き延ばすの上手い‼︎
はい、続き読みます♪
表紙の、クリスマスツリーと整くんのモフモフ頭がすごくいいねー♪♪ -
また次へ繋がる…自省録読みたい。