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- / ISBN・EAN: 4935228184903
感想・レビュー・書評
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原作を愛読してるが、徹底的に作りこまれた世界観はすごい。
あっちはあっちで見開きまるごと使ってアビスの断面図を掲載したり、漫画でしかできない表現で魅せてくれるのだが、色と音と動きが付いたアニメーションの表現は圧巻。アビス内部はもちろんのこと、オースの街の描写が美しい。高台から見下ろす風景とか巨大な風車とか桟橋とか、こんなとこ住みたい!祝祭の楽しげな様子には心が弾んだ。孤児院の授業風景だけ切り取ってもわくわくする(壁に嵌め込まれた机って、危なくないのか……)
ただ出発までに三話かけるのは冗長に感じる。テンポはだいぶゆっくりめで、エンジンかかるまで長い。そのぶん丁寧に描いてると評価できるのだが、展開の早いアニメに慣れてるとともすれば退屈。
OPはリコとレグのデュエットだが、これからはじまる冒険への期待、どことなく漂う不吉さを感じさせてとてもイイ。
ロリショタ絵にリョナや下ネタが放り込まれるので好き嫌い分かれるし、生理的嫌悪を催すグロ描写も多い。
終盤、リコが腕切断の危機に直面するシーンは思わず顔をしかめてしまうほどの痛々しさ。レグの葛藤の長さと相俟って正視するのが辛くなる。お願い早くひと思いにやってあげて……ともだもだ。でもあの躊躇がリアルだよな。
アビスの生態系や世界観の演出も素晴らしいのだが、リコの手料理も毎回おいしそうで飯テロ。アビスはこういう場所でこうなっているから衣食住はこうします、とディティールが考え抜かれている。原生物と共生するキノコとか、なるほど!と目からウロコ。
各話冒頭は「これまでのあらすじ」的な過去の映像が3分ほど流れるのだが、早く続きが見たいと焦れる。尺が25分程度で、さすがに3分は使いすぎでは……凄い丁寧に作ってるんだけど、だからこそ時間かけすぎてもどかしい。
ロリショタでエログロは無理、って人には正直勧めない。アニメはまだ穏健だが、この先の展開や原作カバー裏は一切自重してない(ロリにしか見えない女の子同士で……とか、文脈に関係なくフツーにある)
それらに耐性があるか、むしろ好きな人は楽しめる。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
人類差後の秘境の大穴アビスに挑む少女と謎のロボ少年の物語(レビューは前後編含めて)。
それまでの総集編的な劇場版。物語の雰囲気を掴むには十分。
ちょっと登場人物達が小っちゃ過ぎると思うのだが、まぁそういう作品なんだよなぁ。アビスから上に行くとその深さによって呪いがかかるという設定はうまい。ストーリーもそこを含めて重めでそれがいい味になっている。 -
アニメ13話視聴。その後サントラで反芻していた。
リコは好きじゃないがナナチが大好きで、だから視点人物がレグになったあたりからも好き。
というかナナチが好き。
アニメを見たあと原作を最新まで読んで、作者の癖(……性癖。ペドとケモとグロと嗜虐と!!!)を理解したり共感したり。
今ではボ卿だけでなくつくし卿も尊敬しているのだ。
それが劇場版になるのだから、もう感涙。
劇場続編に至る総集編前後編なわけだが、やはり力を入れて見たのはナナチが中心に来る後編。
もはやナナチの声……しかも感動場面以外でも……を聞くだけで、涙腺が刺激されるようになっている。
井澤詩織がこの世界に存在してくれて、感謝だ。