- Amazon.co.jp ・電子書籍 (283ページ)
感想・レビュー・書評
-
詳細をみるコメント0件をすべて表示
-
序盤は貧困層の少女の現状描写に若干鬱々とすることが多くて読み進めにくさもあったけど、中盤以降、ネガとのぞみの関係性が見え始めたところからぐんと面白くなって、終盤ではそういうオチになってくるのか…!!という驚きの連続&心情描写が初期の鬱々低振動からのすごい振れ幅をみせるようになってきて、めちゃくちゃ引き込まれた。
同じ「貧困」に身を置く(おいていた)人たちが複数登場するけど、それぞれの背景や考え方が違う点も、なかなか興味深く読めた。 -
時間を忘れて読める本がいいと思って書評をみていてこれを見つけた。
電子書籍KINOPPYで買って、スマホとタブレットで読んだ。
ネガ、春日井のぞみ、そして刑事。
ネガの実際と、仲田蛍と真壁刑事の操作が交互に書かれている。
本当の貧困では、少ない知識でアフリカの子供より恵まれている・・っていわれたらそのまま信じてしまうのかもしれない、生活保護の水際対策っていうのも初めてしった。
貧困の状態、最後の真犯人は今ひとつだが、ネガちゃんが殺した!と言い続けたその想いを想像するのはしっかりと練れていてよかった。
リアルに書けていて途中から止められなかった。 -
中田さんシリーズって言えるのかな~
救いのない話。あの子の殺人計画と設定が似てた。貧困、虐待。 -
独りぼっちの孤独と誰も助けてくれない絶望感と先に行けばもっとひどくなるという不安感。生きていけるのが不思議なくらい。健気でまっすぐな二人がもし生きていたら幸せになる可能性はあるけど保証がないのにもういっぱいいっぱいなのに頑張れとは言えない。今貧困家庭が増えてきたのはできちゃった婚も関係していると思う。養育費を払わない場合が多すぎると思う。子供ができるってことを真剣に考えて 命の大切さはわかるが産まない選択をするのではなくて 環境が整わないのに子供を作らないことを考えてほしいと思った。
-
夜中の住宅街。14歳の冬野ネガが友人を春日井のぞみ殺害した現場に遭遇し、冬野を逮捕する。冬野は友人殺害を認めるが、動機については語らない。殺害の原因とは?ミステリー。
現在である刑事の視点と、冬野と春日井のつながりができていく過去との話が交互に語られ、少しずつ事件の全貌が見えてくる。それにより、刑事目線の思い込みや偏見に気づく。自分も色々なことに思い込みや偏見があるのではないかと思わされる。
事件だけに幸せな展開がなく、読んでいてブルーになってくるが、2転・3転とする物語に引き込まれる。
あまり落ち込んでないときに読むべき作品かも。 -
ドキュメンタリーっぽいかなと思って読んだが、ミステリーだった。ネガの内面描写とのぞみと話す時の言葉遣いなどがあまり結び付かない感じがしたので、もう少しネガを知りたかった。色々な大人たちが出てきたが、その声は聞けなかったので、外から見る印象だけでどんな人かあんまりわからず、共感できる人はほとんどいなかった気がする。とはいえ、ミステリーらしくスラスラと読めた。ストーリー的にも、こんなことがあった、という展開でそのまま終わり、スッキリしたり、心に残る読後感はあまりなかったかな。面白いんだけど。