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- Amazon.co.jp ・電子書籍 (121ページ)
感想・レビュー・書評
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日本人である著者が骨折し、パリで初めての入院生活を送ることに。病院で使われる言葉は日常会話とは違うので、身体だけでなく言葉まで不自由。歴史と美術に造詣が深い著者が、孤独な回復の途上で思いを馳せるパリの風景や美術作品のエピソードのおかげで、単なる苦労話ではない、想いが色彩に溢れて拡がる素敵なエッセイになっている。
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ユーモアたっぷりでありながら、言葉選びと表現の美しさに溜息がもれる短編映画のような作品。骨折入院の話が森田けいこさんの手にかかるとこれほどまでに面白く美しくなるのかと嫉妬してしまう。
「元気な時に、好きなことを増やす。」精神的健康保険の話に自身の入院経験を思い出しながら深くうなずくとともに、この先何が起こるか分からない長い人生の指針にしたいなと心の中に標語を貼り付けた。
それから、終盤の夕日に照らされた病室の表現にはうっとり。序盤、失礼ながら大笑いしながら読みすすめた物語が、光に埋めつくされた映画のラストシーンのようで、幻想的でどこか物哀しく、また感慨深く。
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