情動はこうしてつくられる――脳の隠れた働きと構成主義的情動理論 [Kindle]

  • 紀伊國屋書店
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感想・レビュー・書評

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  • 【為になった1文】
    情動がニューロンの発火によって生じるのは確かだが、情動のみに関わっているニューロンは存在しない。

    (ブログで本書をご紹介しています)
    https://drabbitblog.com/%e6%83%85%e5%8b%95%e3%81%af%e3%81%93%e3%81%86%e3%81%97%e3%81%a6%e3%81%a4%e3%81%8f%e3%82%89%e3%82%8c%e3%82%8b/

  • パラダイムシフトだ!どの本読んでも「パラダイムシフトは本来の意味とはかけ離れた矮小化された事柄に用いられるようになってしまった」とか書いてあるがこれはクーンの言う通りの意味のパラダイムシフトだ!

    訳者が後書で「縮重(degeneracy)」はポリモーフィズムとほぼ同じと書いていたが、本書と「オブジェクト指向でなぜ作るのか」を読んだ私の理解が正しければ、違うと思います。全射と単射みたいな違いがある。厳密に対応取れないが。

    自己組織化マップとは違うのかな?
    この本を読んだ結果、構成主義的情動理論は情動を自己組織化の物理的実現の一つとして理解するものと私が認識したので、私の脳内で「自己組織化」概念と「情動」概念を構成する神経ネットワークの構成要素である神経細胞間で新たなシナプス結合が形成され、ネットワークの再構成が行われ、これまで「自己組織化」と「情動」のカテゴリに属すると判定されてきた(つまり「自己組織化」と「情動」概念のネットワークが入力に対して反応してきた)感覚入力に対して返す合目的的な出力の応答様式が更新されましたとさ。

    誰かがこの文章を読んだ時の反応を予測する私の「他人の感想」概念の出力は「まあ理解してないだろうな」です。
    構成主義的情動理論と自己組織化マップの前提知識が必要。
    自己組織化マップやMAP推定を意識した表現がされているし、コンピュータ科学(情報技術)の「概念」が流入しているが、まあ当たり前ですね?ちゃっかりしてんなアイデアはパクって
    まだ洗練されているとは言い難いしボトムアップアプローチでいくらでもやることがあるのだから手を出す必要がないという判断だとしても、こういう議論があるというのは把握ぐらいしているだろうなと思っているということです。

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著者プロフィール

【著者】リサ・フェルドマン・バレット(Lisa Feldman Barrett)  
米・ノースイースタン大学心理学部特別教授、ハーバード大学医学部マサチューセッツ総合病院研究員。心理学と神経科学の両面から情動を研究しており、その成果は米国議会やFBI、米国立がん研究所などでも活用されている。2007 年に米国立衛生研究所の所長パイオニア・アワード、2018 年に米国芸術科学アカデミー選出、2019 年には神経科学部門のグッゲンハイム・フェローなど、受賞歴多数。

「2021年 『バレット博士の脳科学教室 7 1/2章』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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