天上の葦【上下 合本版】 (角川文庫) [Kindle]

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  • KADOKAWA
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  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (959ページ)

感想・レビュー・書評

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  • 3作の中では1番好きだった。
    老人が活躍するからかも。

  • 良かった
    太田愛さんの作品好きです

  • “常に小さな火から始まるのです。そして闘えるのは火が小さなうちだけなのです” この言葉を胸に留めようと思った。戦時中正しく報道されなかった事実を忘れてはいけない。

  • 渋谷のスクランブル交差点は、人が多すぎて苦手だった。ほんと、人にぶつからずに渡るのは神経を使うのに、みんな平気な顔をして歩いている。
    そこで高齢の男性が空を指さし、すぐに崩れ落ちて絶命した。なぜ?何を指したのか?
    結局のところ、興信所に「あの老人が何を指したか」と調査を依頼した「依頼人」は、その高齢者がそういう行動に出たきっかけは知っていたわけだ。でも何を指したのかが知りたかった・・・主人公たちが毛嫌いしているこの依頼人は、恨まれ役を買って出たのかな。まあ、主人公たちを困らせようとしたのも本心だろうし、解明/解決してくれると期待もしていたから大金をポン!と出ししたのだろう。おまけに3人が協力できるように、便宜まで図っている。とはいえ、探偵が運んでいた本田直吉の820万円を奪ったのが『依頼人』だとすれば、今回の報酬の1000万円のうち依頼人が払ったのは実質180万円である。
    ただ「依頼人」は覇権争いとか、オリンピック運営への影響力とかだけではなく、自身が日本の戦前・戦中のように自由のなかった時代を体験しているだけにそんな時代を繰り返すことを避けたかったのではないか、と探偵が感じていることを言外に喜んでいるようにも見える。そういう意味では、私設秘書より、探偵の方が「依頼人」の気持ちを汲み取っているかもしれない。それでも「依頼人」はこれからも主人公たちに無理難題を押し付けて楽しむのだろうか?警察官の停職も今回の依頼のためだったのかな?彼は婚約者と結婚できるのかな。若者は彼女とどうなるのかな。3人と1匹の今後の活躍も読みたいな。
    2年半前に読んだ同主人公たちの馴れ初めだった作品のことはほとんど忘れてしまっている。再読するかな。
    電子書籍版(kindleではない)

  • 島の老人たちは頭がしっかりしていて回転も速く、素晴らしい。
    「彼らは世界に離れ離れに立っている」と同じテーマ「火は小さいうちに消さないと、どうにもできなくなる」が重い。そんな危険な中なぜ人間は生きなければならないのか。どうして愚かなのか。2度読了。

  • 勧められて。

    最初から登場人物に引き込まれたし、
    終盤は一気に読み進めた。
    裏の裏があって…著者に翻弄されたな。

    最後は正義が勝って良かった。
    島の住人達が前島たちを出し抜いた場面など、スカッとした。

  • (実際に読んだのは電子書籍)

  • 渋谷のスクランブル交差点で1人の老人が空を指差して亡くなった。この奇怪な行動の謎の解明に動く、鑓水、繁藤。一方、行方不明の公安職員を探す相馬。別々の依頼が途中で一つになり、物語は報道業界から政界、過去の歴史など様々な要因が絡み合い、物語が深まっていく。今まであまり語られなかった鑓水の過去にも触れており、彼が今回の事件にこだわるワケも少しずつ語られていました。
    最初読み始めた時は、老人の行動が全然理解できませんでしたが、読み進めその理由が判明した時、拙い言葉しかでてこないのが残念ですが、とても感動しました。情報があふれ嘘も本当も入り混じる現代において、警鐘を鳴らすような作品でした。文量は上下巻に分かれているだけあって多く、読むのに時間がかかりましたが、とても面白かったです。

  • 太田愛さんの3冊を読み終えて、どれも最高に面白かったけど、一番好きなのはコレ。
    テーマが第二次世界大戦の報道規制っていう、少し重いテーマではあるけれど、そういうことだったのかととても勉強にもなり、どんな戦争だったのかと改めて興味が沸いた。
    付録のところを読んでもすごく勉強されているのが分かった。
    こんな本こそ今の若い人たちに読んでほしい本。

  • 2020/4/16 AmazonよりKADOKAWA春の文芸書・ビジネス書フェアにて795円でDL購入。

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著者プロフィール

香川県生まれ。「相棒」「TRICK2」などの刑事ドラマやサスペンスドラマの脚本を手がけ、2012年、『犯罪者 クリミナル』(上・下)で小説家デビュー。13年には第2作『幻夏』を発表。日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)候補になる。17年には上下巻の大作『天上の葦』を発表。高いエンターテインメント性に加え、国家によるメディア統制と権力への忖度の危険性を予見的に描き、大きな話題となった。

「2020年 『彼らは世界にはなればなれに立っている』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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