- Amazon.co.jp ・電子書籍 (305ページ)
感想・レビュー・書評
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数学を教える「僕」と中学生の少女たちとの対話.間違いを恐れ,暗記に頼ろうとするノナちゃんにどう教えたら良いのかと考える.『数学ガール』シリーズで著名な著者の「教える」ことへの考察が書かれている.えてして数学が得意な人は不得意な人が理解できないところがわからない.また自分のペースで説明しようとしてしまうものである.どうすれば良いのか,考えるきっかけになる本である.
【追加】ノナちゃんが何故暗記に頼ろうとするのか疑問だったが,文系の科目は暗記するのが基本だからなのですね.詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
自分が「わかっている」となかなか相手の「わからない」がわからないことがある。そんなときにこの本の対話を思い出すと良いかもしれない。
数学が苦手な女の子の「わからない」に対して対話を繰り返し、教える側が一緒に「わからない」に向かって紐解いていく流れがとても優しくて良いです。
数学ガールといえば「例示は理解の試金石」ですが、今回は特に「例示」と「理解」について、より優しくフォーカスしていると感じました。 -
数学ガールの乱択アルゴリズムやガロア理論など読んだことがあり気になっていたので読んでみた。
高校生の僕が中学生の子に数学について教えるお話。教える内容は1次方程式の点と直線と図で難しいことは何もなく数学的な新しく学ぶことはなかったけれど、教える側の難しさ、教わる側の難しさをそれぞれわかりやすく表現している。人に教えるときに「僕」のようにやさしく辛抱強く教えることができるだろうか?わからない、をわからないで済ませるのではなく、なぜわからないのか何がわからないのか、それをうまく表現できるようにすることも大切だということがわかる。
わからないことをわからないとちゃんと伝えることが大切。数学、わかりません。 -
学びとは、理解するとは何かを優しい語り口で読者に考えさせてくれる小説形式の本です。分量もちょうど良く読みやすいです。
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数学が苦手と言いう設定の新キャラ、ノナちゃんが登場する。
そのノナちゃんに教えることが今回の主題。
そのため数学的には物足りない内容だが、人にものを教える観点で読むと大変ためになる。
特に印象に残ったのは「なんで」は理由を問う言葉であって、「なんでできないの?」のような悪い意味で使ってはいけないという内容。
ハッとしました。
息子に使ってしまっているので反省。
いつか息子に数学を教える時が来たら、この内容を活かしてみたい。