ひとりの妄想で未来は変わる VISION DRIVEN INNOVATION [Kindle]

著者 :
  • 日経BP
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感想・レビュー・書評

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  • 共感しかない、素晴らしい本。個人的にはインサイトをつかれまくり。
    さらに、様々な名著のエッセンスも文脈にそって散りばめられており、関連領域のバイブルとして使えそう。

    メモ
    ・ゾンビのようなイノベーション活動が行われる理由、課題
    人の不在。主人公が誰もいないプロジェクト
    場の不在。新たに生んだものを育てていく場や仕組みがない
    意志の不在。出てきたアイデアがまとまらない
    つくり方の不在。自分たちの課題に合った創造の方法論を使えていない
    組織とのすり合わせができない。効率性を重視する既存組織
    ・創造のエッセンス
     人 辺境に眠る妄想家に仲間との出会いをつくる
     場 次のアタリマエを育てる創造の土壌をつくる
     意志 生活者、会社、社会の文脈を紡ぎ直し、根っこのある意義を発信する
     創造 自分たちに合った創造の型をつくる
    <人>
    ・イノベータージャーニー イノベーターになる成長段階
    ・0→1 独創によるビジョンをつくるフェーズ
     個人の主観から生まれたもの=独創によって妄想を具体化し、理想状態を構想に変えていく。前に進める推進力をつくるために。ビジョン思考、アート思考など独創を促進する方法が有効
    ・1→10 共創によるコンセプトづくりフェーズ
     自分の考えていることが誰かの役に立てるという価値の実感をもてるか。多くの人と共創し、組織バイアスで気づいていなかった新たな価値可能性を見つけ、コンセプトを体現するプロトタイプをつくり、検証を繰り返す。デザイン思考、リーンスタートアップなど有効
    ・10→100 協業によるビジネスモデルづくりフェーズ
     企画サービスのβ版が役に立ち、必要とされている可能性がある実感を得ること。
     早めに実社会との接点をつくる。共感度の高いビジネスパートナーや実装チームメンバー開拓する協業力が重要。アジャイル開発、サービスビジネスデザインが有効。
    ・100→∞フェーズ 分業による経営モデルフェーズ
     プロダクトの価値と顧客層をチームで確信できること。事業の価値の10倍を目指し続ける。グロースハック、リーンマネジメントが有効。
    ・創造の智慧1 妄想を引き出し、熱を吹き込む
    モヤモヤを言葉にする。妄想を語り、エネルギーを増幅させる。
    未来の可能性は何か、現状のもやもやと違和感はなにか。
    モヤモヤから初めてガス抜きや愚痴にならないよう、理想の状態を先に聞くこと。
    ・創造の智慧2 ともに企む仲間をつくる
    誰とやりたいか、誰とやるかはすごく重要。
    ・創造の智慧3 辺境に眠る妄想を発掘する
    ・創造の智慧4 組織外の仲間から自信をもらう
    ・妄想インタビュー(妄想クエスチョン)
    <場>
    ・組織の中のどこかに 余白をつくり、創造のキャンバスをつくることがスターとなる。次のアタリマエを育てる土壌が必要ということ。
    ・創造の智慧5 場と間をつくりだせ
    ・創造の智慧6 創発を生みやすい土づくりをする 
     関係性をいかにデザインするか
     →偏愛の共有と承認、ブログや掲示板活用
      心理的安全性の高い雰囲気醸成              
     創発したくなる環境をいかにデザインするか
     →リラックスした環境、五感を刺激する。
      即興の会話を知的生産に、ホワイトボードや付箋など
      フラットな会話、椅子やテーブル並べ方 互いの顔がみえるレイアウト
      本音で話しやすくなるように、3〜4人を基本単位に
     コミュニティをデザインするリーダーシップをどう発揮するか
    ・創造の智慧7 情報の全体像を可視化せよ
     情報を全体で共有することにより全体最適が可能となる。
     SNSやSlackは情報取得にはアクセスして見たい人が見るという思想
    ・創造の智慧8 時代のうねりをとらえる1.5歩先の旗を立てよ
     ハイプ・サイクルの活用はハイプで一気に投資し、バズワード後の幻滅機に着々と持続可能な投資と事業モデル構築し、その後に残り続けること。
    <意志>
    ・なぜ意義が必要になってきているか。
     社会変化スピードの急速化、意義に金を払うミレニアルの市場参入、
     社会分断が問題化する中で社会価値創造が企業の価値に
    ・創造の智慧9 個々人の意志をベクトルにしたビジョンづくりを
    ・創造の智慧10 過去現在未来をつないだ新しい文脈をつくる
     経営陣は自らのビジョンを考える余白をつくる
     30ー40代社員はリアリティのあるビジョンをつくり未来志向の役員とつながる
     分野横断の有志がミッション・ビジョンを物語として語る場をつくり
     広げていく。自分ごと化する機会を。
     言葉は自分と他人を分ける手段なので体感やビジュアルイメージをダイジにする
    ・創造の智慧11 言葉とも物語によって魂を入れた意志にする
    ・創造の智慧12 会社のタイプに合わせて意志をブランドに
     リベラル型 現在から未来へ発想 社会変革 
     保守型 過去現在から未来へつなげる 文化保全伝播
    ・リベラルアーツはWHYをつくるうえで強力な武器
    <創造>
    ・創造の智慧13 独創を最大化する共創を仕込め
    ・創造の智慧14 多様性から未来を創発する共創ファシリテーション
     ①座組ーチーム作り ユーザー的属性の人を入れる、事前ブレストで巻き込む人を決める、意義を語り楽しそうな空気を見せて巻き込む
     ②創造プロセスー共創プロセスデザインとファシリテーション
     問いかけ→インプット→ジャンプ→アウトプット
     問いかけは自分が知らず相手が知っている自省型や参加者の誰も答えを持っていない探究型を活用。難しいが一番有意義なのは探究型。
     インプットは議論の共通基盤になるものと、アイデアを飛躍させるための刺激物の二種類
     ③環境づくりー可視化のキャンパス
    ・創造の智慧15 生んで間引く創発型戦略づくり
    ・創造の智慧16 目的に合わせて創造の方法論を使い分けよ
    ・トリプルダイヤモンドフレームワーク
     ビジョンをつくる WHYをまとめる
     コンセプトをつくる 解決手段を考える 
     社会実装モデルをつくる 実装する
    <革新>
    ・イントレプレナーにダイジな要素
     エビデンスベースとアプローチ(顧客ニーズ・インサイトをよりどころに)
     個人の想いや意義に昇華させる(理性と感情に訴える)
     組織のビジョン・DNAに立ち戻る
      (成功するイントレプレナーは必ず組織ビジョン戦略存在意義に立ち戻る)
    <0→1>
     目的・妄想から仲間をつくり、新規PJを生み出す
     課題・既存組織・ルールの中で前例のない取り組みへの壁
    ・革新の智慧1 空き時間を利用して外に出る
      自分の感覚が間違いでない革新を持つ
    ・革新の智慧2 勉強会や研修を仲間づくりの場にする
      取り組み具体化にはビジョン共有できる仲間を社内につくることもダイジ
    <1→10>
     目的・既存の組織内に点在する仲間を巻き込んで場をつくる
     課題・公式化しない、本気で扱われない
    ・革新の智慧3 1.5歩先のテーマを戦略的に設定する
    ・革新の智慧4 ハブ人材を開拓して社内のサイロを超えたコミュニティをつなげる
    ・革新の智慧5 マメな文脈共有と参加をうながす仕組みにより冷ややかな目に対抗する
    ・革新の智慧6 社内の役員レベルで少なくともスポンサーをひとり獲得する
    ・革新の智慧7 人事などの間接部門と一緒に予算化する
    <10→100> 
     目的・組織リソースを活用し、社内外に共感者を増やして運動体に
     課題・単なる新規だと興味をもってもらえない・
        社内調整が大変。冷淡な目でみられる
    ・革新の智慧8 大義をストーリー化して発信する
    ・革新の智慧9 クラウドファンディングなど小規模の実験による成功の可視化
    ・革新の智慧10 外部メディアへの仕込み
    ・革新の智慧11 経企と連携し、社長ひも付き戦略部門として事業化を目指す
    ・革新の智慧12 トップにイノベーション感度の高い人材をもってくる
    ・革新の智慧13 KPIをイノベーション型荷設定しておく
    <100→∞> 変革のスケールアウトステージ
     目的・新たなモデルを社会実装し、インパクト最大化に向け育てる
     課題・いかに事業投資を勝ち取るか
        コンサバなオペレーションでどうリスクを取りスピード上げるか
        社内に閉じず事業成長加速できる事業創造型人材を獲得するか
    ・革新の智慧14 BigDataとThickDataによる投資エビデンス
    ・革新の智慧15 商品、チャネル戦略などのビジネスモデル革新に注力する
    ☆革新の智慧16 定期的に×10の戦略を考えながら既存改善を行う
          ユーザーや社会インパクトを10倍するには
    ・革新の智慧17 可能性が見えた段階で集中投資
    (・革新の智慧18 事業部、販社共同での価値探索プロセスを共有する)
    ・革新の智慧19 トップによる新モデルの意義啓発
    ・革新の智慧20 新モデルのツールへのアクセスとノウハウ共有の場作り

  • スタートアップにいると当たり前の感覚が、どうやら大きい組織にいると違うらしいということがよく分かったし、そのことが言語化されて書いてある。

    大きい組織の中でイノベーションを起こしていく取り組みはとても大変だけど、リソースやアセットが多い分、成功すれば大きな動きになるのだろうなと思った。

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著者プロフィール

株式会社BIOTOPE代表/チーフ・ストラテジック・デザイナー/多摩美術大学 特任准教授
東京大学法学部卒業、イリノイ工科大学デザイン研究科修了。P&Gマーケティング部で「ファブリーズ」「レノア」などのヒット商品を担当後、「ジレット」のブランドマネージャーを務める。その後、ソニーに入社。同クリエイティブセンターにて全社の新規事業創出プログラム立ち上げなどに携わる。 ソニー退社後、戦略デザインファーム「BIOTOPE」を起業。BtoC消費財のブランドデザインやハイテクR&Dのコンセプトデザイン、サービスデザインが得意領域。山本山、ぺんてる、NHKエデュケーショナル、クックパッド、NTTドコモ、東急電鉄、日本サッカー協会、ALEなど、バラエティ豊かな企業・組織のイノベーション支援を行うほか、MVV策定・実装プロジェクトについても実績多数。2021年に生活の拠点を軽井沢に移し、東京オフィスとの二拠点を往復する働き方を実践する。教育分野、地域創生分野など活動の幅を広げる。著書に『理念経営2.0 』『直感と論理をつなぐ思考法』ほか。

「2023年 『じぶん時間を生きる TRANSITION』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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