- Amazon.co.jp ・電子書籍 (177ページ)
感想・レビュー・書評
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ドミニク・チェンの名は、Wiredを読んでいて知ってはいたが、彼については詳しくは知らなかったので手にとって見た。独特というか、優しいというか、あまり出しゃばらない、でも読み手にすっと入ってくる文章がとても好きです。
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あり得たかもしれない生への眼差しとか、言語というフィルターを通して見える世界とか、普段感じることのない領域へと意識を連れていってくれた。まだ理解できない言葉や話の展開は、きっと書いた本人のレベルに自分が達していないことなんだと思う。ふだん社会科学と自然科学の間にいる自分にとって、とても新鮮だった。
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NDC(10版) 007.3 : 情報学.情報科学
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著者の自伝的な要素を軸にして、言葉そのものと、言葉を使ったコミュニケーション、言葉を含まない共感も含んでかきあげた。ユスキュールの「環世界」、ドゥルーズの「脱領土」、ベイトソンの「メタローグ」や「プロクロニズム」などの概念が駆使される。
著者の文化的アイデンティティは言うまでもなく複雑で、日本人の母を持ち、日本語を母語とするも、フランス国籍を仕事の都合で獲得したベトナム生まれの中国人の父を持ち、幼稚園から小学校までを東京のリセで学び、中学高校をパリのリセで学び、さらには、ロサンゼルスで大学時代を送り、大学院と仕事場を日本にもつ。日本語は母語ではあるものの、フランス語や英語などの言語とはマルチリンガルで、思考法もおそらく、マルチなのだろう。
本書中に書かれているエピソードの一つにフランス語の教育法が興味深い。ディクテーションが重要な意味を持ち、話し言葉と書き言葉の違うフランス語を同時に構造的に理解させることに焦点が置かれ、その後に意味を理解させるようにするという。
本書の構成もまこと、構造的な流れが意識されているように思う。使われる概念とおそらくそのセクションを書こうとしていたときに使っている思考法(言語)が、様々組み合わさっていることが興味深い。たとえば、謡曲の「定家」や「小鍛冶」について語り、「共話」について書くところではおそらく日本語脳を使っていることが想像される。一方、ベイトソンの「メタローグ」や「プロクロニズム」を書くところでは英語脳だったのではないだろうか。
かれは、文化人類学の教育を受けていないというものの、サピア=ウォーフの仮説をふまえて、言語の多様性と認識の多様性、文化の多様性をふまえ、また、新婚旅行で訪れたモンゴル高原で体験を語る中で、文化と文化の出会いについて意識に上らせていて、これもまた興味深いことであった。
本書が出版されたのは新型コロナ蔓延のまえではあるが、新型コロナによって世界が分断される中、また、トランプ前大統領に代表される分断を政治的に利用する勢力が力を伸ばす中、本書は改めて読まれるべきだろう。人々をつなぎ続ける「未来をつくる言葉」を相互に理解するためにも。 -
こどもたちに対する熱い想いが伝わる人類学的で哲学的な内容でした。ちょっと難しい語彙が多かったので、若干理解が苦しかったです。もっと勉強してもう一度読みたいです。
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この本のジャンルは何かと問われれば詩のような感じ
文系の人が描く1を10にして描くタイプ
読み終わった後 結局何が筆者が言いたかったのかはよくわからない
ゴリゴリの学術パートと娘さんとのほのぼのパートに別れ娘さんとのほのぼのパートがなければ
マジ辛かった
自分がたりが多い
分かり合えなさの余白を楽しむ的な事を言っているにもかかわらず
杉田水脈の自分の違う意見を真っ向から否定するのが不思議?自分の中の矛盾点に気付いてないタイプ
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すごくいいことも書いてると思うし、内容豊富だと思うんだけど、
なんだろう、この、エリートの自画自賛感。
いい話でも素直に共感できないのは、私のコンプレックスのせいかしらん。【2020年6月4日読了】