わたしたちのウェルビーイングをつくりあうために その思想、実践、技術 [Kindle]

制作 : 伊藤 亜紗  生貝 直人  石川 善樹  岡田 美智男  小澤 いぶき  神居 文彰  木村 大治  小林 茂  田中 浩也  出口 康夫  水野 祐  安田 登  山口 揚平  吉田 成朗  ラファエル・カルヴォ 
  • ビー・エヌ・エヌ新社
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感想・レビュー・書評

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  • ウェルビーイングの考え方をベースに、「幸せ」や「能力」の定義を問い直し、個人だけでなく皆が幸せになれるような技術、福祉、社会、公共の在り方について述べた本

    特に、「能力」の捉え方、「弱さ」をベースにしたロボットが印象深い事例だった

  • 日本社会におけるウェルビーイングは自律性、思いやり、受け容れが大事。
    インターネットは身近になったため、フィルターバブル、エコーチェンバーなどの弊害もおきている。
    いろんな実験で、弱いロボットがとても興味深く面白かった。

  • ウェルビーングを考え、実践していく上でヒントは多数あった。

  • 人生100年時代 学びの力
    仕事の「先」を考えよう 立教大学教授 中原淳
    2022/2/12付日本経済新聞 朝刊
    人生100年時代、学び直し、リスキリング……。今日も新聞紙上は、「大人の学びと働き方にまつわる話題」に満ちている。

    リモートワークが広がり、浮いた時間を副業や学びに充てる人も出てきた
    イラスト・よしおか じゅんいち
    リモートワークが広がり、浮いた時間を副業や学びに充てる人も出てきた
    イラスト・よしおか じゅんいち

    かつて「社会人になる」とは、教育課程を終え、学び終えることを意味していた。しかし、市場・顧客の変化とテクノロジーの進展がはやい現代社会において「社会人になる」とは、「学び終えること」ではなく「働きながら、学び続け、変わり続けること」を意味する言葉になっている。

    にもかかわらず、日本の大人の学びにまつわる現状は、あまりにも寒々しい。パーソル総合研究所が2019年に行ったAPAC就業実態・成長意識調査では、「とくに何も行っていない(学んでいない)」と答えた就業者がアジア諸国のなかでダントツの46.3%であった。この現状にひとりひとりが向き合う必要がある。

    ●会社の外に目を

    2016年に邦訳が刊行された『LIFE SHIFT』(L・グラットン、A・スコット著、池村千秋訳、東洋経済新報社)は、「人生100年時代」という言葉を社会に広めた名著だ。著者によれば、寿命が100歳以上に延び、多くの人々が長期間にわたり労働せざるをえなくなる未来においては、学びを継続し、自らを社会に適応させていく必要がある。

    そんな時代にあっては、もちろん、会社人生も60歳定年ですむわけがない。定年延長もありうるし、定年という概念すらなくしてしまう会社がでてくるだろう。石山恒貴著『会社人生を後悔しない 40代からの仕事術』(18年、ダイヤモンド社)は、ミドルといわれる時期にさしかかったときに、ビジネスパーソンがいかに自らの働き方を見直し、居場所を確保していくかを教えてくれる。

    ちなみに、会社の「中」だけが、大人の学びの場ではない。そこで注目されているのが、副業・兼業などの新たな働き方である。本業をもちつつ、本業で培った能力・スキルを、会社の外でいかに活(い)かすことができるか。また、会社の「中」だけでは形成できない能力を、いかに「会社の外」の学びの機会を使って獲得するかが重要になる。コロナ禍では、多くの会社でリモートワークが導入されたことも、この動向に拍車をかけている。これまでは通勤などに費やしていた時間、残業していた時間を、会社の「外」の仕事に充てるビジネスパーソンも多い。


    嵯峨生馬著『プロボノ』(11年、勁草書房)はそんなときに参考になる水先案内人だ。プロボノとは、個人のスキルを生かしたボランティア活動を指す。プロボノをマッチングする団体を立ち上げた著者がポイントを解説する。こうした書籍をきっかけに自分が培ってきた専門知識・スキルをいかし、社会・公共に貢献しようという人が増えている。

    ●兼業・副業の効果

    さらに近年、兼業・副業のもたらす様々な効果も注目されている。主要な効果は、会社の内外を越境して活動することによる、スキル向上と、それによる賃金上昇だ。川上淳之著『「副業」の研究』(21年、慶応義塾大学出版会)はハードな学術研究書でありながらも、その効果を論じた良書だ。

    わたしたちは学びつづけ、働いた先にいったい何を見いだすのか。最後に、その「先」にも目を向けたい。


    最近、注目されているのが「ウェルビーイング(主観的幸福感)」という考え方だ。これを体系的に学べるのが渡邊淳司、ドミニク・チェン監修・編著『わたしたちのウェルビーイングをつくりあうために』(20年、ビー・エヌ・エヌ新社)である。この本からは、ウェルビーイングの概念、それをいかに高めていくための実践やワークショップについて学ぶことができる。ウェルビーイングに満ちた人生を送ることができるかどうかは、ひとりひとりの主体的な選択にかかっている。

    学んだ「先」、仕事をした「先」に何を望み、どのような人生の軌跡を描くのか。人生100年時代、「大の大人」ひとりひとりが考えなければならない時代を生きている。

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著者プロフィール

NTTコミュニケーション科学基礎研究所上席特別研究員 

「2020年 『表現する認知科学』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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