眠れなくなるほど面白い 図解 建築の話 [Kindle]

  • 日本文芸社
3.03
  • (4)
  • (6)
  • (17)
  • (5)
  • (4)
本棚登録 : 165
感想 : 14
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (131ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 建築についてあまり学んだこともないなと思い手にとったのがこの本。
    主に日本の建築について図解つきで書かれておりわかりやすかったし、寺や神社、城や民家についても、そういうことだったのかという感覚になる部分も多かった。
    日本家屋の床の高さはその家屋に住むものの身分に由来していたという話や、山城から平城に変わっていったのも戦がなくなって権威をつけるためだけではなく城下町の商人や職人の安全を守るためでもあったことが学べた。

  • :トピック 
    ・丹下健三 
    ・借景 
    ・盆栽

    ・丹下健三 
     モダニズム建築に日本の伝統美を取り入れ、戦後の日本建築を世界レベルにまで押し上げた丹下。彼の代表作「国立代々木競技場」の屋根は縄だるみ曲線になっている。この曲線の反りは城の石垣や寺の屋根にもみられるもので、単調になりがちな競技場の外観をダイナミックで伝統的な美しい形にしている。(p.50)
     Casa BRUTUSという雑誌では「before and after TANGE」という連載が組まれており、丹下が日本建築に与えた影響の広さと深さを実例を交えて学べる。しかし丹下自体の凄さは本書のような書籍を手に取らなければわかりにくいので、明快かつ端的な本書の丹下紹介はためになった。

    ・借景
     借景とは外部の景観を借りて庭をつくる造園方法。本来外の景色は庭を演出する引き立て役だが、逆転して主役になるのを楽しむのが借景の基本。主役の見せ方には違いがある。一方の極は、正伝寺のように庭を膨張的要素で強調して借景を小さく見せるものだ。もう一方は円通寺のように、主役となる比叡山を引き立てるような水平垂直の要素を配して、借景を大きく見せるものである。(p.86)
     この「借景」という概念は庭だけに当てはまるものではないと思える。例えば海に沈む夕日は、海が庭で夕日が借景であるとも捉えられる。何か美しいものを観察するとき、借景という概念は分析の助けになるかもしれない。

    ・盆栽
     「素晴らしい盆栽は、見た目の見事さに加え、その向こうに想像力をかきたてる豊かさがあります。(...)ですから、松の荒れた肌を木質部まで削ぎ落とした大胆な姿の向こうには、断崖の風雪に耐えた自然の風景が見えるはずです。」(p.88)
     小さい世界を愛でる日本文化の本質は、ミニマルな要素による想像力の喚起にあるといえるだろう。つまり、間や余白という豊かな制限がかかることによる精神世界の創造である。例えば、並べられた砂利から水を想起する枯山水(p.100)や、旅と教養を掛け合わせた回遊式庭園(p.84)はヴァーチャルな空間を生み出している。プラモデルやフィギュア、模型といった遊びは現代に息づく想像力の文化だと捉えることもできるだろう。この文化的本質を極小哲学と呼ぶのであれば、白黒に切り詰められた漫画という表現はその具現であるし、近年流行りのミニマリズムの思想的基盤になりうるものかもしれない。

  • 日本の風土、自然に適応するようデザインし、住み続けることで人に馴染んで完成していくよう作り手は設計し、住人も愛着をもって馴染んでいく。居心地良い建築は、人類の叡智だな。

    この「眠れなくほど面白いシリーズ」は「Kindle Unlimited」および「Audible読み放題枠」になる度に読んでる。手元に置いておくと、生活の中でちょっと疑問に思った時にすぐ専門家に質問できるような手軽さで手に取れるのが良い。ウェブ検索でも良いのだが、このシリーズはTV番組程度のわかりやすさ(浅さ)なので門外漢に丁度良い。「知りたくなったタイミング」でザッと周辺情報まで理解領域を広げる。もっと詳しく知りたくなった時や手持ちの入門書に該当箇所がない時にウェブ検索をすることが僕の場合は多い。

  • 身の回りのことには大体理由があって、これまでぼんやり生きてきたんだなと感じた。
    人に教えたくなるような事もあったりで、ちょっとだけこの業界に関われた気がする。

  • ⭐︎2寄りの⭐︎1です。近代、現代建築の意匠を学びたくて読んだのですが、古い日本家屋、寺社仏閣や、意匠も含みますが機能に寄っているようで、内容がかなり地味に感じました。頭に入らないポイントは電子書籍の体裁で、まず文書のページのみ、次にまとめて挿絵のページのみです。紙の書籍だと見開きで見えますが、まず文字だけだと何のことを言ってるのかさっぱりわかりません。次に絵だけ見ても、やっぱり分かりません。
    とは言え内容は丁寧で、面白さはそれなりに伝わってきます。フィットする人にはフィットし、眠れなくなるほど面白いのかもしれません。

  • 建築は人の体や顔を模して作られている。

  • 図解があるので分かりやすい

  • 眠れなくなるほどではなかったけど、イラスト図解と長過ぎない文章に惹かれ、一気に読んでしまった。

    建物は人間の生活を支える、とても重要な要素でありつつ、さらにその歴史的進化や理由を探るのが面白い分野でもあると思う。例えば庇を延長し、半室内空間として神と人間の空間を表現する内陣と外陣の関係性、太陽や北極星の向きになぞらい神社の入り口の向きが決められているなど、興味深かった。

  • 読む前まで建物や建築についての関心はそれほど高くありませんでした。
    本を読んで、建築について知らないことや驚きがたくさんあってとても面白かったです!

  • 第一章:日本の建築は知らないことだらけ、第二章:こんな目で見ると近・現代建築も面白い、第三章:寺社はこだわりの世界、第四章:城・庭が育んだ日本の美意識、第五章:建築を支えた縁の下の力持ち。本当に知らないことだらけだった。うだつを上げる、もそんな意味だったのかと面白かった。地震が多かったから、ある程度揺れることで地震の力を逃がしていたんだなと、昔の人の知恵に感心。

全14件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

フィールドワークを重視し、変わりゆく自然や生活感あふれる街の風景に興味を抱きながら、ささいな事物・事象に疑問を持ち、新しい価値観を発見して驚き、ときには自慢そうにうんちくを語り、そのことを社会に発信する建築家・建築士のグループ。

「2020年 『眠れなくなるほど面白い 図解 建築の話』 で使われていた紹介文から引用しています。」

スタジオワークの作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×