ぜんぶ、すてれば [Kindle]

著者 :
  • ディスカヴァー・トゥエンティワン
3.55
  • (38)
  • (73)
  • (62)
  • (20)
  • (9)
本棚登録 : 616
感想 : 89
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (210ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • マイブームのミニマリスト的な本かと思いきや
    75歳の伝説の経営者の生き方のエッセンスが
    感じられた本。

    今を必死に生きなさい、楽しみなさい。

    そう言われている感じがした。
    失敗した過去をくよくよ振り返り
    まだ見ぬ将来に不安を感じて
    色々備えるよりもモノではなく経験を大事に。

    人との出会い、今という時間。
    重心を変えるべきなのかもと考えさせられた。

  • 「根っからのクリエーター気質」「シンプルに自分の直感を信じて決める」「強い個」の「人たらし」、そして「シンプル・イズ・ベスト」を極めた "感性" の経営者、中野善壽氏の珠玉の言葉の数々。

    著者のビジネスセンスの原点は、「生け花の稽古」だったという。「直感を信じる決断力」の基礎になったのだと。生け花とは、とても興味深い!

    物への執着がなく、「捨てちゃいけないものなんてない」とばかりに「モノをできるだけ「持たない」ライフスタイル」を貫いてきた著者。物を持つとかえって不安要素が増えるのだという。過去に捕らわれないために「思い出も捨てる」、予定を入れず「"ぼんやり考える時間"を意識的に持」ち、付き合いの飲み会も捨て「来るものは拒まず、去るものは追わず」、服もどんどん捨て、「情報は最小限しか入れない」(新聞の見出しだけ読む)、「納得できない理由では縛られたくない」ルール無視、「旅もノープラン」、「モンゴル遊牧民的」な移住生活、期待したりしています等々。なんてシンプルで潔い生き方なんだろう。根性無しにはとても真似できそうにないけど、魅力溢れる生き方だ。


    本の中から、心に染みる言葉を幾つか拾ってみる。

    「何も持たないからこそ、 過去に縛られず、未来に悩まず、 今日を大切に生きることができる。」

    「今この瞬間、ここにいる自分をもう一度見つめてみる。 過去にとらわれず、未来に揺さぶられず、 確かに味わうことができる今日に集中して精一杯楽しむ。」

    「今日できることは、今日のうちやる。今すぐやる。 「何から先にやればいいのか」なんて考えなくていい。思いついた順に、なんでもすぐやれば、後悔することはありません。」

    「人にどう思われようが、関係ない。」

    「自分はなんのために働くのか。 答えは一つ。自分のため。「会社のため」じゃない。 「家族のため」というのも、ちょっとあやしい。 自分が好きで、楽しいから、目の前の仕事をやっている。」

    「始める勇気と同じくらい、大事なのは〝やめる勇気〟。…不自然な力みが生じたり、「どこか自分らしくないな」と感じたとしたら、 そろそろやめる時期だと思ったほうがいい。」

    「「前例がない」ということは「なんでもあり」ということ。未経験は強みである。」


    「映画より読書派」とのこと。「文字だけで表現される本なら、そこに描かれる情景を何色に染めるかは自由自在。どこで感動し、どこで一息ついて余韻を味わうか。緩急のつけ方だって、読み手が主導権を握ることができるのがいい。」って、分かるなあ。ただ、「本は読んだら捨てる(古本屋に売る)。どんなに感動した本でも、とっておくことは」せず、しばらく経って読みたくなったらまた買って読む。その方が「ゼロに立ち返って新鮮な気持ちで、フレッシュ」に本に向き合えて「清潔なページをめくる瞬間が心地いい」とのことだが、これは自分には無理。キープしておきたい、というコレクター心理が強くて、本棚の本を眺めながら思わずニンマリしたりして…。いずれにしても、最近はスペースの問題もあって電子ブックに移行しつつあるので、断捨離問題は解決かな。

    著者の言葉は、凝り固まった心の澱(執着心)を洗い流してくれる。

  • ここまで潔く過ごせたらいいなぁと思った。自分には難しいけど、取り入れられる部分は意識すると少し身軽に感じながら過ごせるのではないかと思う。


    ★ 何も持たないからこそ、過去に縛られず、未来に悩まず、今日を大切に生きることができる。

    ★ レジスタンスとは「抵抗」。「自分はそうは思わないんだけどな」とふと感じた〝違和感〟を大事にしてほしいと思います。

    ★ 準備万端の日は一生来ない。何も考えず、思い切ればいい。

    ★ 何かを気にするよりも大事にすべきなのは、自分に嘘をついていないか。できることは精一杯やってきたよな?  と自分に問いかけて、嘘がなければ、思い切ればいい。大丈夫。また打席はやって来る。

    ★ 「会社のため」と身を犠牲にして働くのは、ちょっと変だと僕は思う。
    ★ 「働く主は、あくまで自分である」と握っておくべきだということ。
    ★ 人が中心で、会社が道具。この関係性を間違えないようにしたいですね。

    ★ 始める勇気と同じくらい、大事なのは〝やめる勇気〟。じゃあ、どうやって〝やめどき〟を見極めるかと聞かれたら、「がんばり過ぎている」と気づいた時じゃないかと答えます。

    ★ 大事なのは今日楽しく働けるかであって、自分にできそうなことがあれば一生懸命やってみる。

    ★ 人間は慣れるとバカになる。頭を使わなくなって、衰えていく。だから、できるだけ不慣れな機会に身を置くことが大切だ
    ★ 会話一つとっても、顔見知りの知人友人と会って話すと心地いいのは当たり前。
    ★ 大事なのは、自分に〝負荷〟をかけ続けること。僕はむしろ見知らぬ町の市場に飛び込んでいって、店内で買い物をしているおばちゃんと三分話すほうが刺激になります。
    ★ 毎日を豊かにする刺激は、日常の中にたくさん隠れている。

    ★ 世の中のすべてのものは〝組み合わせ〟によって、生かされたり、殺されたりする。
    ★ 誰を隣に置くかによって、〝らしさ〟が引き立っていくものではないでしょうか。

    ★ 人に頼むなら、信じて任せる。
    ★ できたら褒める。できなかったら我慢する。こういう姿勢を貫かないと、人に任せることはいつまで経ってもできないと思います。すると、仕事を一人でたくさん抱えて、本当にやるべきことができなくなる。ちゃんと成果を出したいのなら、任せ上手にならないといけません。

    ★ 「生かす」ことにはこだわりたい。どうすれば生き残れるか。どうすれば人から期待される存在になれるか。それが第一優先であって、「人からどう思われるか」なんて顔色を窺っていちゃあ、手遅れになるんです。

    ★ ものごとがどうしてもうまくいかないときは、自分自身に負けているとき。

    ★ 人生が走り続けるレースだとしたら、ゴールテープを切れる瞬間が最高の気分を味わえるとき。その瞬間は何度でもつくれるし、それは自分次第でもある。その爽快な感動を何度でも味わって、死ぬ十秒前に「僕の人生、どのレースも最高だったな」と思えたら幸せですね。

    ★ すべての行いは因果応報。責任と覚悟と希望を持つ。

    ★ 本当に残るのは〝形にならない思い〟です。例えば、子どもを叱ったとき。ただ叱るのではなくて、なぜこんなに叱るのかをしっかり伝える。部下に対してもそう。なぜこんなに厳しく言うのか、〝思い〟もセットで伝えないと残らない。形ないものをどれだけ残せるか。それがきっと、人としての力量というものです。

  • 待ち時間にAmazon primeで読んだ。
    内容が面白くないです。

    こういう強者の理論みたいなのは苦手、上司にいると面倒だし、同僚でも自分勝手に振舞われて、周りの人は迷惑だろなというのが素直な感想です。
    個性的な素晴らしい人なのかもしれませんが、読み物としてこの本は面白みがなく、何も刺さるものもはなかったです。
    もっといい編集者だとよかったのに。


  • 挫折があってもそれを乗り越える、胆力と多少の運がある方だなと思いました。
    物事に執着しないのではなく、未来をみていて、留まっている暇がない。
    なんとかなるさと、思っていたいが、年齢と共に、不安になってしまうものなのだ。

  • 伝説の経営者・中野善壽さんが自身の根幹にある「何も持たない」生き方について語った本。

    老舗の大企業を機動力ある組織へと改革した経営者・中野善壽さん。あまりメディアに登場しないことから、実在が疑われていたという伝説の経営者です。

    中野善壽さんが、何ものにも囚われず「今に集中する」という自身の考え方を、本書を通して伝えます。

    本書は、今を大切に生きることが未来をより良くする道へ続くことを教えてくれます。

  • 寺田倉庫が、話題を作っている。高級ワインの保管所など、食、アート、音楽など新しい提案をしている。面白い具合に、倉庫が、創造空間に変身している。その仕掛け人が、中野善壽。
    どんな人だろうと思って、読んだ。いや、はや。1944年生まれで、すごい人だ。
    題名もすごい。「ぜんぶすてれば」
    中野善壽はいう。
    「何も、必要ありません 。ぜんぶ、捨てればいいんですよ。
    その生き方の根幹にあるのは『何も持たない』こと。
    家や車、時計は持たない。お酒もタバコも嗜まない。
    お金も若い頃から、生活に必要な分を除いてすべて寄付している。
    何も持たないからこそ、過去に縛られず、未来に悩まず、今日を大切に生きることができる。
    今日がすべて。颯爽と軽やかに、ぜんぶ 捨てれば。
    僕が何より伝えたいのは、「今日がすべて」という言葉です。
    本は捨てる。また、新鮮な気持ちで読みたいから。捨てる、捨てる、惜しげもなく、捨てる。
    過去の残像を捨てる 。 いつも新鮮な自分でいる。
    演出を捨てる 。 どこで感動するかは 、自分で決める。
    思い出も捨てる。 役立たない から 。
    いつまでも新しいアイディアを捻り出せる人間でいたいから、僕は思い出も捨てる。
    飲み会を捨てる。人間関係 はがんばって広げなくていい。
    人付き合いを捨てる。未来を語れる仲間だけでいい。」

    いつも、身軽であれば、生み出していける。
    それは、僧侶のような生き方にも見えるが、好き嫌いをはっきりさせる。
    おかしいなと思ったら、立ち止まり、すぐにやめる。やめるほうが大切だともとく。
    なぜそのような好き嫌いをはっきりさせる生き方ができたのか?と言う質問に
    おばあちゃんから教わった生け花だと言う
    「どの花が好き。どの長さに切るのが好き。
    どの角度で挿すのが好き。どの組み合わせが好き。
    無限のパターンから、どう生けるかを決めるレッスンは、
    大人になってからの“直感を信じる決断力、の基礎になったかもしれない。」

    情報の洪水時代、常に新しいことが押し寄せてくる。
    そこでのサバイバルは、「個」として身軽にして、直感で判断して、突き進んで行く。
    信じるのは、おのれ自身。おのれこそが、全ての責任を果たし、切り開く。
    あぁ。振り返ってみると、私はなんと執着心が強いのだろう。
    中野善壽。この徳を積む人。その身軽の軽やかさ、素晴らしい。
    また、この本の余白の使い方の編集方法も、非常に勉強になった。

  • > 何よりも大事にすべきなのは、自分に嘘をつかないことである。
    今日が全て。今に集中すること。悩まずに全てやる。
    自分を妨げるものは全て捨てる。

  • 【即実行】
    耳読です。

    何も持っていないから、新しいことにチャレンジできる。
    持っていたらどうしても守りに入ってしまいます。

    おそらく考え方もそうなのでしょう。
    本当に必要な最低限のものしか持っていないので、即断即決。
    すでに様々なことに対して、考え抜いた自分なりのルールが確立しているということだと思います。

    いくら知識を詰め込んでも、実行しなければ何も変わらないということです。

    「死ぬ直前の十秒が幸せならそれでいい」という考えは好きです。
    それまではどんなに失敗しても死ぬ直前が幸せならOKということです。

  • 自分を大切にして生きるための、ゆるい自己啓発。
    心に刺さる言葉がいっぱい。
    年輩の人なのに、時流に乗って生きている。
    「今日できることは、今日のうちやる。」
    「準備万端の日は一生来ない。」
    「人が中心で会社が道具。」
    「がんばり過ぎたら、やめていい。」
    「激動する現代において、前例は役に立たない。」
    捨てること、持たないことの身軽さがいい。私は物に執着しがちやから、見習いたい。
    「本は読んだら捨てる」のは、難しいなぁ。

    仕事を辞めてすぐ海外行きの飛行機に乗り、たまたまトランジットで立ち寄った台湾にそのまま住み着く、という行動力が凄い。

全89件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

ACAO SPA & RESORT代表取締役会長CEO
東方文化支援財団代表理事 
寺田倉庫前代表取締役社長兼CEO
1944年生まれ。弘前高校、千葉商科大学卒業後、伊勢丹に入社。子会社のマミーナにて、社会人としてのスタートを切る。1973年、鈴屋に転社、海外事業にも深く携わる。1991年、退社後すぐに台湾に渡る。台湾では、力覇集団百貨店部門代表、遠東集団董事長特別顧問及び亜東百貨COOを歴任。2010年、寺田倉庫に入社、2011年、代表取締役社長兼CEOとなり、 2013年から寺田倉庫が拠点とする天王洲アイルエリアをアートの力で独特の雰囲気、文化を感じる街に変身させた。2018年、日本の法人格としては初となるモンブラン国際文化賞の受賞を果たす。

「2021年 『孤独からはじめよう』 で使われていた紹介文から引用しています。」

中野善壽の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×