サージウスの死神 (講談社文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 主人公がギャンブルの世界、特にルーレットにはまっていく話なんだけど、人はこうやってギャンブルにハマっていくのかぁ…気をつけなきゃっていうお話ではないです。

    「俺は頭蓋骨の中に数を飼っている」って主人公は言うんですけど、「数」って数字のことなんですけど、この主人公が闇カジノのルーレットでかける場面…、もう目が離せなくて。

    この本を読んでいる間ずっと、ギャンブラーの危険な賭け事を目の当たりにして息を殺して見守る観客になったような気持ちだった。

    1番印象に残っている場面は主人公の頭蓋骨で飼っている数が覚醒してルーレットで初めて勝つ場面。ゲームが終わった後主人公は鼻血でちゃってます。(殴られたわけではなく)

    ゆっくりと物語が進む中で、自分には主人公の感覚、思考が難しくなってきて理解できない部分もあったけれど、世界観や文章のインパクトが強すぎて頭の中から離れない。すごいです。

    あと、ルーレット以外の賭け事が出てくるけれど、現実にそんな賭け事あるのかな?気になるけど…、いや無くていいですっ。知っちゃいけない気がする。

  • カジノのヒリヒリした感じからの落下感浮遊感

  • 荒え〜!
    最高!!ギャンブルのひりひりする感じ。

  • ankやテスカポリトカがめっちゃ好きだったから買ったけれど、途中で離脱して読みきれなかった…
    文庫版の解説で「この作品は純文学作品として評価されていて、純文学は主人公が強烈な体験をしたあとの精神の変容を描くのに対し、エンタメ登録された他の作品は体験そのものに注目し、理由や背景を追求する」的なことが書いてあり、なるほどー!と思った。
    ドストエフスキーの罪と罰も読みきれなかったし、おそらく私は純文学が苦手なんだと思う…

  • 話は分からなかったが面白かった
    技法的には同じモノローグを繰り返すと狂ってる感が分かりやすく出ていいなあと

    世間的には純文学にカテゴリされている向きもあるが、十分エンタメな印象
    ルーレット当てる気持ち良さはエンタメ的だったなあと
    いや、お話の構成はエンタメとしては破綻してるのか…?(文芸映画見すぎて判断つかない病)

    やはり佐藤究だけあって、処女作からどこか映画を見ている雰囲気があるなあ
    中高生時に背伸びしてドラッグだとか反社会組織だとかが出てくる作品を観たときの感覚とでも言おうか
    また、巻末の解説での、一文一文を短く区切ってスピード感をつけてくる、という主旨は同意。カッティングの早い映画のような

  • 「Ank : a mirroring ape」が面白かった佐藤究さんのデビュー作が文庫本化されたということで早速購入。ぶっ飛んだエンタメ小説かと思いきや、かなり純文学寄りの小説だった。ふとしたきっかけでギャンブル狂になってしまった男が主人公で、地下カジノに入り浸ることになり、しだいに破綻していく、精神崩壊していく描写は支離破滅で刺激的だった。なんとなく中村文則さんの作風に似てるなと感じた。

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著者プロフィール

1977年福岡県生まれ。2004年、佐藤憲胤名義で書いた『サージウスの死神』が第47回群像新人文学賞優秀作となり、デビュー。2016年『QJKJQ』で第62回江戸川乱歩賞を受賞。『Ank: a mirroring ape』で第20回大藪春彦賞、第39回吉川英治文学新人賞を、『テスカトリポカ』で第34回山本周五郎賞、第165回直木賞を受賞。

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