災害に強い住宅選び (日経プレミアシリーズ) [Kindle]

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  • 不動産選びの本です。自然災害が頻繁する中で、マンション、一戸建ての住宅をどう選ぶべきかを教えてくれます。本の基本的なターゲットは住宅を選ぶ個人の方ですが、不動産投資をする場合にも災害による損失のリスクを考える必要は高まっていることから、投資家の方も一読してみてはどうでしょうか。

    【特に印象に残ったフレーズ】
    「土地のリスクを調べ、それに応じた対策を行う必要がある。今は浸水可能性の有無で価格差が見られないが、やがて安全性に応じて差が開いてくるはずである。」
    「水害のリスクに会いやすい土地に位置している、先天的・後天的な構造上の問題を抱えている、メンテナンスを怠っている、の3つのどれかに当てはまると、リスクは極めて高くなる」
    「大規模な災害に際し、入居者同士が共に支え合うことができるのはマンションの魅力でもある。特に、災害への対応力に優れたマンションならば安心感は増し、その安心感はマンションの資産価値の維持にもつながる。今やマンションは「防災対応力」に着目して選ぶ時代になったと言っても過言ではない。」
    →資産価値に影響する、災害時のリスクや防災対応力の情報がこれからは重要になることを覚えておきたいです。

    【本のハイライト】

    〇不動産の災害リスクは自己責任
    ・浸水可能性のある地域は、そうでないところに比べて地価(不動産価格)に大きな違いが出ない。多くの人がハザードマップなどの災害関連情報に無頓着なのが理由。
    ・土地のリスクを調べ、それに応じた対策を行う必要がある。今は浸水可能性の有無で価格差が見られないが、やがて安全性に応じて差が開いてくるはずである。

    〇マンションは想像以上に風水害に弱い
    ・下水の排除方式は、できるなら分流式の地域が望ましい。合流式で排水している地域は、雨水によって下水量が大幅に増えた時、一定量以上の下水が雨水吐などから川や海に放流され、水質汚濁の原因になりやすい。管径が大きく、比較的勾配も緩やかであるため、流量が少ない晴天時には、管内に汚物が溜まりやすいという難点もある。
    ・大規模な災害に際し、入居者同士が共に支え合うことができるのはマンションの魅力でもある。特に、災害への対応力に優れたマンションならば安心感は増し、その安心感はマンションの資産価値の維持にもつながる。今やマンションは「防災対応力」に着目して選ぶ時代になったと言っても過言ではない。

    〇こんな一戸建てに注意
    ・一戸建て住宅を選ぶのに重要なのは一にも二にも立地。木造かどうかで悩むのはその先。木造でも、風水害に遭いづらい構造になっている建物を選んだり、定期的なメンテナンスを心掛けたりすれば、被害を受けるリスクを減らせる。
    ・水害のリスクに会いやすい土地に位置している、先天的・後天的な構造上の問題を抱えている、メンテナンスを怠っている、の3つのどれかに当てはまると、リスクは極めて高くなる。

    〇減災のための事前対策・事後対策
    ・事前対策は、管理組合主導での防災マニュアル策定、共用部分の火災保険や賠償責任保険の内容把握、バルコニーの清掃・整頓などがある。

  • 様々な観点から住宅選びについて考察された一冊。
    住宅を選ぼうと思う時、ハザードマップの確認はしているけれど、それ以外の観点(相対的な高さ、マンションの構造、下水の仕組み、古地図の確認など)は全く気にも止めていなかった観点だったので、住宅選びに関する知見が深まった。

    家を買う前に読んで本当によかった。

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著者プロフィール

さくら事務所代表取締役会長。不動産コンサルタント。
1967年生まれ。広告代理店を経て不動産デベロッパーの支店長・不動産売買業務を経験後、業界初の個人向け不動産コンサルティングを行う消費者エージェント企業、さくら事務所を設立。

「2020年 『災害に強い住宅選び』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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