真贋 (講談社文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • いい作品は自分にしか分からないと多くの人に思わせる。
    納得、、

  • - 単純な思考を良しとしない。
    - ***
    - 無意識のうちに答えが決まっている価値判断は、無意識のうちに人の心を強制します。明るいからいい、暗いからだめだという単純な価値判断を持っていると、そう思えない自分、そうではない自分を追いつめる結果になってしまうからです。
    - 人間自身もそうですが、すべてのものは善と悪を併せ持っています。どちらの面が強く出るか、それだけの話です。物事のいい面だけを見てもいけませんし、悪い面だけを見ても不十分です。いまという時代は、善悪両面から見る、あるいは善悪という価値観を脇において物事自体を見ようとする、そういう見方が必要な時代なのです。
    - 人間関係においていい関係かどうかを判断する基準というものを持っています。それは、とてもシンプルなものですが、お互いが言いにくいことをきちんと言えるかどうかです。言いにくいことを言うことが、なぜいいかというと、その行為が自己解放になるからです。主観的ではありますが、周囲の社会や人間関係において感じるさまざまな鬱屈から解放される一番の方法は、言いにくいことを言うことです。
    - 人を見る上でもっと大事なことを挙げるとすれば、それはその人が何を志しているか、何を目指しているかといった、その人の生きることのモチーフがどこにあるか。その人の目的とするところ、あるいは専門、職業としてやっていることに即して、これだけいろいろなことを考えて、これだけのことをやっているから、そういう点ではこの人は偉い人だよなというふうに考える。  それは人間として偉いということや、社会的に偉いといったこととは全然違うことだと思います。もしかするとその一部であるかもしれないけれども、全部ではない、そういうふうに評価を分けたほうがいいような気がします。

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著者プロフィール

1924年、東京・月島生まれ。詩人、文芸批評家、思想家。東京工業大学工学部電気化学科卒業後、工場に勤務しながら詩作や評論活動をつづける。日本の戦後思想に大きな影響を与え「戦後思想界の巨人」と呼ばれる。著書多数。2012年3月16日逝去。

「2023年 『吉本隆明全集33 1999-2001』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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