- Amazon.co.jp ・電子書籍 (232ページ)
感想・レビュー・書評
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「わかりやすさ」を過剰に求める現代の風潮を戒める本です。
たしかに現代を生きる私たちは、「わかりやすさ」の圧力にさらされています。
企画のプレゼンテーションやビジネス文書、果ては日ごろのコミュニケーションに至るまで、「わかりやすさ」が何よりも優先されるといっても過言ではありません。
でも、わかりやすさって、そんなに大事?
著者の問題提起にハッとさせられました。
「『どっち?』との問いに『どっちでもねーよ!』と答えたくなる機会があまりにも多い日々。」
たしかに、どんな問題でも「二者択一」っておかしい。
問題によっては、第三も、第四も、第五も、さまざまな選択肢があってしかるべきだし、むしろ大半の問題は二者択一なんかで解決できるほど単純なものではない気がします。
もちろん、「どちでもねーよ!」もあっていい。
「次々と玄関先に情報がやってくるから、顧客が偉そうになった。」
という指摘には膝を打ちました。
たしかに、インターネットなどない時代、必要な情報は一定の金を払い、労力を費やして自ら取りに行くものでした。
そういう意味では、情報に対して謙虚だったと言うことができます。
でも、今は、情報が勝手に向こうから、それも大量にやってきます。
選ぶのは私たち消費者。
玄関の上がり框で腕組みしてふんぞり返り、「おい、もっと分かりやすく頼むぜ」と、情報に頭を下げさせている絵が浮かびます。
「わかりやすさ」を過剰に求める現代の風潮の背景には、そんな事情があずかっているのです。
メディアもそんな風潮にすり寄り、「わかりやすさ」に頼るようになって久しい。
「わかりやすさ」を過剰に求める風潮の中で、本当に大事なものが見えなくなってしまっていないか?
これはよくよく意識しないと危ないと思います。
いや、これも「わかりやすい」結論か。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
面白い。
一気に読んでしまった。
もっと分かりにくく書いて貰えば尚更よかった笑
わかりやすさが罪なのか
お湯をかけたら3分で。
書店に寄れば高く積まれたハウツー本。直ぐに役立つ。〇〇時間で身につく。そんな本ばかり。
世の中には急いでいる人が多いらしい。
それにイラつく。
続きは明日以降に書きますね、汗あせ -
(audibleで聴く)
世間で言われてるいるわかりやすさも求める風潮に疑問を投げかけています。
わかりやすさばかり求めるのはどうなんだ?という一本の軸を意識して読まない話が結構飛んだりして、見失う可能性があるかもです。
正直、聴き終えた後はなんかしっくりこない感じは残りますね。
(下品な言い方ですが、残尿感みたいな感じかな?笑)
とにかくおもしろい本でした。
後、読んで気づいたのはわかりやすさてわかりにくさは表裏一本みたいな感じなのかなと思いました。
そうすると楽しさと辛さも表裏一本なのかな思います。
できれば楽しさばかり求める罪も書いていただければ嬉しいです。 -
今年読んだ小説以外の本で一番面白かった。自分は「統計的」「一般的」「蓋然性」といった普遍性を辿ることで思考を節約してることに胡坐を掻いていた。だから「ロジカル」が好きなのかも。でも、「分からない」ことに可能性や魅力を見出すこと、その理解に時間をかけること。「白か黒か」の二元論的な思考を停止することや与えられた選択肢の数に身を預けるのではなく、その原点を見ること。フレキシビリティーさを持つこと。日常生活で常に発揮するには難しい思考かもしれないけど、人間的で根源的な部分に焦点を当ててくれた本かも。知らんけど。
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やはりスタンスのくっきりした語りで全編が貫かれており
痛烈な思想のようなものは劇薬として作用することもあるのだろうが、その激流に靡くというよりは対岸のそれを眺めることに興趣を感じる性格からすると、軸足のしっかり定まった議論はおもしろいものだ。 -
ふむ
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生きにくい、と感じることが子どもの頃からある。そんな質問には答えたくない、という場面。もう少し丁寧に議論してみませんか、と思う。
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・わかるものだけをわかろうとする。今の自分だ。
・しばらくの間、自由に喋らせて最後に黙らせる。今の政治だ。結果ありきで政治だけでなく世の中の様々なところにはびこっている。
・選択肢自体を疑う。そうだな、なぜか選択肢の中で考えてしまうからな。
・いちいち戸惑うことの大切さ。急行に流されずに鈍行で。