セイレーンの懺悔 (小学館文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 「切り裂きジャックの告白」のスピンオフ的な話…かな。 ジャーナリストの主人公の甘い考えに共感できず、マスコミのいやらしさばかりに目が行った。
    ジャーナリズム云々の部分を除けば話は面白かったのだが、不快感が先行してしまった感じ。
    まあマスコミだけじゃなく、TVを見る自分自身の野次馬根性を指摘されてるが故の不快感かもしれない。そんなにTVを見る方ではないが、自分は関係ありませんとは言えないなって気がした。
    ラストの会話が救い。ふふっ。

  • マスメディアの矜持のようなものがとても薄っぺらく感じるのは意図的に書いてあるのか自分の感覚の問題か。
    誤報や被害者を追い込むことを正当化することはできない。最後の独白も、間違えたら謝ってまた頑張りますってのも虫が良すぎる。
    物語自体はやっぱり面白いです。

  • 報道の立場から事件の真相、事件への関わり方、記者としての矜持etc.を見せてくれた。
    面白かった。
    個人的には最後の1行が、、、「宮藤さん!!!」ってなる(笑)

  • Kindle Unlimitedで中山七里さんの小説、2冊目を読了。
    主人公・多香美が報道記者として成長していく物語です。
    最初は多香美の記者としての未熟さや考えの浅薄さに少しイラっとしました。多香美に感情移入して読むと、恥ずかしさや情けなさが身に迫ります。そして、その合間合間に入る里谷の考えや教え、宮藤の痛烈な正論に、憤ったり冷静さを取り戻したり。
    最初、タイトルの意味がわからなかったのですが、途中でそれもすっきりとして。
    本を10冊くらい並行読みしていますが、中山七里さんの本が面白くて離れられません。

  • 最後のもう一押しが良かった。

  • マスコミ報道は暴力だとかなり力説。
    主人公に全く感情移入できなくて
    あまりのめり込めず。

    宮藤刑事がドラマで高嶋政伸なのは
    納得いかなーい。

  • 給料をもらっている限り組織の意向には従わないとね。
    自分の思うところに従って進めることができることは力ですね。誠実さと組織の意向とを天秤にかけなければならないのはありありで、大人になればなるほどまいいかになりがちだと思う。自分の思う通りに進みたいですね。
    ドラマの宮藤さんもイケメンがよかったな。

  • 報道の事が詳しく書いてあって
    そこがだれた気がする
    あまり覚えてない

  •  帝都テレビの看板番組「アフタヌーンJAPAN」に配属されてまだ2年目の若き記者朝倉多香美は、上司の里谷太一と行動を共にする。まだ不慣れであるが故に、失敗して窮地に追い込まれたり、困難に立ちすくんだりしながらも、テレビ報道記者として成長していく。里谷太一は、実にシャープな報道記者だ。帝都テレビの「アフタヌーンJAPAN」の幹部は視聴率至上主義で、捏造や裏付けを取らない軽率な番組作りをして、不祥事を3回も起こし視聴率は低迷、スポンサー離れの危機という、番組が存続できるかどうかのピンチに立たされている。里谷は、事件を追いかけるには捜査1課の宮藤をマークして、宮藤を追いかけることで、事件の核心に迫る。
     葛飾区で女子高生誘拐事件が発生し、里谷太一と朝倉多香美は、起死回生のスクープを狙って取材する。多香美が廃工場で目撃したのは、暴行を受け、無惨にも顔を焼かれた誘拐されたと言われる被害者・東良綾香の遺体だった。あまりにも無残なので、写真さえもとれず、嘔吐してしまう。
     多香美は報道記者として青臭い正義感を持っていて、マスコミは人々の知る権利を守る存在だと思いこんだり感情的に反発してしまう。多香美には妹を失うという事件にも遭遇している。里谷はそれを注意して成長させていく。
     多香美たちの追求で犯人グループは、不良少女たちであることがわかり、主犯格は、6年前小学生でレイプにあった被害者でもあった。複雑な関係が生まれてくる。そこで、主観が入り混じり、十分な裏付けができていないにも関わらず、報道し、スクープと褒められるのであるが、誤報だった。
     里谷は処分され、関係子会社には移転され、里谷の申し出で、多香美は引き続きその事件を担当する。ふーむ。メディアの責任とは?随分と追い詰めたテーマを、若手記者の多香美に負わせるものだ。
    そして、事件解決の方向に進んでいく。
     読み終わって随分と後味の悪い作品だった。
    解説で池上彰はいう。「事件の容疑者が浮かぶ。なぜメディアの人間は、その人物を追いかけるのか。悲惨な事件の被害者の遺族に、なぜメディアは群がるのか。なぜトクダネ合戦に血道を上げるのか」「私が取材した幼稚園児誘拐事件は、残念ながら被害者が遺体で発見された」「親の無念を伝えようと決意したが、なぜここまでする必要があるのかと自問自答していたことも事実だ」
    「視聴率が全て」としか考えていないプロデューサー。事件を娯楽にしてしまう状況。
    自分が一体何のためにテレビの仕事をするのか?を初心に戻って、常に検証することの重要性が、この物語のテーマでもある。

  • 文章やキャラ設定に男性っぽさを感じる。
    説明的で柔らかさがなく、個人的に読みにくいと感じた。

    主人公の成長を通して、報道の責任と危険性を学ぶ話。

    自分の中の悪意に微塵も目を向けず、人様の目の中のゴミばかり指摘するマスコミの塊のような女性が主人公。
    可愛げがあるわけでもなくずっと「私が私が」という感じなので、最後の独白もあまり響かなかった。高飛車な性格が文体からプンプンと伝わってきて、あんたに言われてもなぁ…と素直に受け取れない。

    天の上から主人公を諭すような里谷のキャラもいまいち。説明的すぎるし出来すぎている。
    事件の結末を知りたいために最後まで読んだが、全く入り込めなかった。
    報道の危険性は痛いほどわかったが、人のプライベートを赤裸々にし不幸を拡張するマスコミの、存在意義こそをもっと魅力的に分からせて欲しかった。

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著者プロフィール

1961年岐阜県生まれ。『さよならドビュッシー』で第8回「このミステリーがすごい!」大賞を受賞し、2010年にデビュー。2011年刊行の『贖罪の奏鳴曲(ルビ:ソナタ)』が各誌紙で話題になる。本作は『贖罪の奏鳴曲(ソナタ)』『追憶の夜想曲(ノクターン)』『恩讐の鎮魂曲(レクイエム)』『悪徳の輪舞曲(ロンド)』から続く「御子柴弁護士」シリーズの第5作目。本シリーズは「悪魔の弁護人・御子柴礼司~贖罪の奏鳴曲~(ソナタ)」としてドラマ化。他著に『銀齢探偵社 静おばあちゃんと要介護探偵2』『能面検事の奮迅』『鑑定人 氏家京太郎』『人面島』『棘の家』『ヒポクラテスの悔恨』『嗤う淑女二人』『作家刑事毒島の嘲笑』『護られなかった者たちへ』など多数ある。


「2023年 『復讐の協奏曲』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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