- Amazon.co.jp ・電子書籍 (994ページ)
感想・レビュー・書評
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メイドという職業の成り立ちや、メイドを含む各使用人の紹介を含め、メイドという物について膨大な資料を元に記された本。出典も細かく記載されている。
メイドについて何から何まで知りたい人には最適。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
19世紀イギリスの屋敷を中心とした使用人を解説した本。タイトルこそ「メイド」となっているが、実際は男性使用人についてもガッツリ書かれている。そのため分量がとても多い。本書を読むとマンガやアニメのメイドや執事の描写に対して物申したくなる。まあ、使用人の本場はイギリスであるが、国や時代、主人の規模によって使用人の形態は様々だから一概には言えないのだけど。
本書を読むまでは家の中で仕事をする使用人のうち、男性なら執事、女性ならメイドだと思っていたが、それは大きな間違いであるということが分かった。メイドは女性使用人の中でも下っ端で、実際に手を動かして働く作業者である。対して執事は使用人を取りまとめる管理職である。おそらく本来の執事の業務は、カイジの利根川の業務をイメージすると分かりやすい気がする。黒服はワーカーなので個性を消されているが、利根川は管理職なのでネームドである。屋敷で働く使用人もそんな感じだった。
使用人は経験を積み重ねることで、上位職種に転職することができる。本書では各職種に求められるスキルが述べられ、どのようにしてキャリアアップをしていくかも解説されている。この説明がゲームのスキルツリー&ジョブチェンジみたいで面白い。ゲームの世界では職業を単純化しすぎではないかと思っていたが、実際にそういう世界もあったことを知った。