震雷の人 (文春e-book) [Kindle]

著者 :
  • 文藝春秋
3.00
  • (0)
  • (0)
  • (1)
  • (0)
  • (0)
本棚登録 : 5
感想 : 1
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (322ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  •  
    ── 千葉 ともこ《震雷(しんらい)の人 20200917 文春e-book⦆ [Kindle]
    https://booklog.jp/users/awalibrary/archives/1/B08HYXLV87
     
    ♀Chiba, Tomoko 作家 1979‥‥ 茨城 /第27回 松本 清張賞/籍=智子
    /20220331 公務員(茨城県庁)退職し専業作家に(小林 杏花・撮影)
    http://a.msn.com/01/ja-jp/AAVGTJJ?ocid=st 毎日新聞 20220331
     
     多様な経験が糧
     
     茨城県職員との兼業作家として松本清張賞を受賞した千葉ともこさん
    が、3月いっぱいで県庁を退職する。約20年の公務員生活を「多様な業
    務の経験が、作品にもプラスになった」と振り返る一方、専業作家に向
    けて「組織から離れることで挑戦できることも増える」と意気込む。
     幼い頃からの物書き志望。就職氷河期で希望の分野に求人がなく、
    「小説を書く上でも社会人経験がほしい」「できれば時間管理のしやす
    い仕事を」との考えから2002年に入庁した。ほぼ同時期に小説教室にも
    通い始め、昼休みには駐車場の車の中で、おにぎりを片手に執筆。
    「時間を砂金のように集めて作品を書いていた」
     
     「いろいろな部署を経験したい」と希望し、人事や福祉、労働政策な
    どを担当してきた。労働政策課時代の08年にはリーマン・ショックが発
    生。派遣切りにあった人たちの相談に乗るため、年末年始も窓口に立っ
    た。「今日帰る家も食べるものもない」そんな切実な相談に、行政サー
    ビスの案内をするしかできない無力感に打ちひしがれた。
     2011 東日本大震災で、揺れの中でも「市町村が頼るのはここしかない」
    と電話の前から離れなかった上司の姿に衝撃を受けた。さまざまな経験
    を積みながら、小説教室通いは絶やさなかったという。
     
     「ほぼ同じタイミングで兼業作家であることを公表した。「公務員の
    兼業をよく思わない人がいるのでは」と、苦情に自ら対応するつもりだ
    ったが、届いたのは温かいエールばかり。「県庁を直接訪ねてくださっ
    た人もいた。応援の声が届くのはすごくうれしかった」と振り返る。
     
     県職員としての仕事は裁量が大きく、やりがいもあった。しかし、次
    第に「長く同じ場所にいると、気づかないうちに考えが偏っていくので
    は」と思い始めた。創作で足かせとなる可能性を感じ、仕事の区切りが
    付いたタイミングで退職を決めた。
     
     千葉さんは執筆作業について、「書いている時は自分が神様なので、
    つい都合良く書きたくなる時もある」と話す。一方で、県職員としての
    仕事で、「現実では一人一人が違う悩みを抱えて生きている」ことを実
    感したという。「経験してきた挫折、非力さは実直に描けるはず。誰も
    が満足する作品は書けなくても、自分にとってうそのないものを書いて
    いきたい」
     
    (20220331)
     

全1件中 1 - 1件を表示

千葉ともこの作品

最近本棚に登録した人

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×