縮訳版 戦争論 (日本経済新聞出版) [Kindle]

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  • Premium Selection vol.7

  • 『#戦争論』

    ほぼ日書評 Day588

    第一次大戦は、それまでの戦争とは異なり「総力戦」と言われるが、敗戦国のドイツ国民にとっては「負けた」実感が無かったとも言われる。その癖、法外な賠償を要求され、結果、国家運営が立ち行かなくなったことが、全体主義台頭の地盤を作ったのだが、話を戻すと、これなども戦力の優劣が明らかになれば、劣位な勢力は講和に向けたモチベーションが高まる好例だ。

    それに対して、大東亜戦争(太平洋戦争)における日本軍の戦い方は、一億総決起(玉砕)を叫び、現に「特攻」をしかけてくる。
    戦略における勝利とは、有利な講和をもたらすこと…と定義する立場からすると、なんとも異様な物の怪的なものだったのではなかろうかなどと考えさせられる。

    「今日の軍事機構が極めて複雑かつ巨大であるとしても、戦争の基本線は常に内閣によって決められるべきである、というのが、広く経験の示すところである」

    「軍事についての理解力が、首相たる主要な資質だとは考えていないのだ」

    終盤で、明らかに文民統制の必要性に触れられているが、最後の引用などはむしろ逆で、「講和から逆算」できない、いわば軍事に対する理解不足が、先の戦争での日本の敗北の本質だったのではないかという気にもなってくる。

    縮訳版ということで、全編の1/3程度のボリュームとしてあるそうだが、それでもかなりの読みでがあった。

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著者プロフィール

1780年生まれ、1831年死去。プロイセン王国の軍人で軍事学者。ナポレオン戦争にプロイセン軍の将校として参加、戦後は研究と著述に専念したが、死後1832年に発表された『戦争論』で、戦略、戦闘、戦術の研究領域において重要な業績を示した。

「2020年 『縮訳版 戦争論』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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