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感想・レビュー・書評
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魏晋南北朝時代とひとくくりにした時代が中国の混乱と、漢民族と周辺の中華思想から見たとき夷狄にすぎない種族が建国した北魏が逆転し、五胡十六国と正統王朝でないとされていた北魏が隋唐への正統王朝へ繋がっていくその過程が非常に楽しかった。
北魏がどうしてそのような改革をなしえたのか、この時代最大の名君という孝文帝とその祖母の文明太后についての説明がこれまた刺激的だった。
一方の、東晋の建国から漢民族の正統を継いだはずの南朝がなぜ、漢民族の信を失っていくのか?宋斉梁陳で繰り返された皇帝一族の惨劇が合俟ったことも分かり易かった。
そして、中国の歴史にとどまらず、その同時期の倭の五王からの使節が140年ほど途絶えた理由、高句麗、新羅、百済や北方の匈奴などの5胡を含めそれぞれが独自の中華意識を持つようになっていく事実関係など、東アジア全体への影響も説明していることに、大変な充実感を感じた。漢民族以外の異民族がむしろ仏教を受け入れ、この時代に普及していったということは、これまで気がつかなかった事実であり、非常に刺激的で、漢民族における儒教・道教の重要性を鑑みると成程と感じさせられた。正にこの時代が中国の拡大発展のために分水嶺となったともいうべき時代だったと思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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