ドン・キホーテ (岩波少年文庫) [Kindle]

制作 : 牛島 信明 
  • 岩波書店
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感想・レビュー・書評

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  • 世界的なベストセラーなのにあらすじをまったく知らず、いちエピソードである冒頭の風車との決闘シーンだけを漠然と映像的に把握しているだけ。
    それがどういう文脈でなにを意味しているのかも分からないままではいけないと、ずっと思っておりました。

    本書は、大長編である原作を低年齢層向けに抄録したもののため、とても読みやすく楽しめました。

    なるほどドン・キホーテはこういう人物なのか。
    そしてこの小説はそういう意図をもって書かれたものだったのか。
    でも、その意図にもどうもそのまま解釈するだけでもなさそうだ。

    ばかばかしくも奥深い、とても心惹かれる作品でした。

    解説も必読です。

  • 騎士物語にのめり込み、自分を騎士と信じ込んでしまった老人の物語。関わる人々の迷惑もなんのその、やることは無茶苦茶、けれどもボロボロになりながらも口にする言葉はしごく真っ当なことばかりという主従の珍道中。お話としては序盤で飽きてしまったが、終盤からラストにかけてのそれまでと一転した物寂しさがやるせない。ドン・キホーテとサンチョが体現したことは騎士道というよりも世の中の理想そのものなのだろうか。そんな主人公が周囲から慕われていたことは、救いのようにも思える。

  • 名前はよく聞くのに今まで読んだことがなかった一冊。なるほどまるで喜劇のような展開もあれば含蓄のある言葉も多く不朽の名作と呼ばれるのも納得。今回は抄訳ということでいつか完訳にも。読書中目の前にはまだ見えていた頃に訪れた志摩スペイン村の勇者たちが。

  • 自惚れた夢見がちな男が引き起こすドタバタ物語という印象。なぜ名作と言われているのか分からなかった
    調べてみると、この作品はパロディらしいので解説書を読んでリベンジしたい

  • よかった

  • ようやく読み切った。後半は早かった。
    オリジナルは前編(1605年出版!)と後編(1615年出版!)で構成されているらしいが,児童向けなので,話の筋を追っていけるように割愛された部分も多いと後書きにあった。児童版だから読めたな。
    最後は正気に戻って死んでいくが,正気でないときの純粋さがこの物語の魅力なのかもしれない。大人は純粋さを失って現状と折り合いをつけていかざるを得ないが,それを失わない大人の奇怪さが読者の憧憬に繋がるのかな。そう思うと今も昔も大して変わらないのかも。
    サンチョが領主になった際の手紙などは作者の考えをドン・キホーテに話させているような気もした。
    「純粋さ」について考える機会になった。

  • ある同業者の動画で本作が言及されていたので、常識の一貫として読んでみた。全編だとかなり長いようなので、エッセンス短縮版の本書を選んだ。

    騎士道物語を読んですっかり自分自身がそれと勘違いしてしまった主人公キハーダが、ドン・キホーテさながら旅を始める。旅人や羊の群れをみては、ドン・キホーテ作中の何かと勘違いし、すぐに決闘を申し込み、破天荒に暴れる。
    当然、主人公自身は騎士でも何でも無い(畑を持っていたというので農家かな?)ので、特別強いわけでは無いのだが、あまりの狂気的な突進もあり決闘に勝つこともあった。
    その中で、同じ村の学者が変装した騎士との決闘に敗れ、その代償として出身の村での療養を強いられ、ショックの末に死んでしまう。

    あとがきを読むと、本書執筆の動機は、作者が当時流行していた騎士道をある種馬鹿にするような気持ちで書き始めたようだ。
    このようなその時の流行を揶揄したい動機が作品を生み出すこともあるようで、昔漫画家の江口寿史がTVでラブコメが流行ってたから嫌なラブコメを書いてやろうと考えて『ストップひばりくん』を書いたみたいなことを言っていた。

    しかしながら、案外狂人化した主人公も格好悪いシーンばかりではなく、勢い余って決闘の末に勝ったりもしていて、あながち騎士道にその気になった勢いが良い結果をもたらすという点も描いており、「その気になる」大事さも含まれているのではないかと感じた。

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著者プロフィール

Miguel de Cervantes Saavedra(1547 – 1616)

「2012年 『新訳 ドン・キホーテ【後編】』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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