戦争は女の顔をしていない 2 (単行本コミックス) [Kindle]

著者 :
制作 : スヴェトラーナ・アレクシエーヴィチ 
  • KADOKAWA
4.26
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  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (199ページ)

感想・レビュー・書評

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  • 女性が戦闘に参加するとなったら生理のことは語られなければならないと思う。「同志少女よ、敵を撃て」では、そのあたりの記述は皆無だった。下着まで男性用を着用させられ、経血は垂れ流しだったとか。行進すると血の跡がずっと続く、冬は血がズボンの股下で凍ってしまい、その氷で再び太ももを傷つけさらに血だらけになってしまう。ソ連の女性兵士は徴兵されたのではなく志願したようだから、すごいね、ソ連の女性って。

  • 辛かった

  • 図書館にて。
    やはり日本との文化の違いを感じる。
    いいことなのか悪いことなのか。
    当事者、同性から聞く戦争の話は、昔起こった出来事ではなく、地続きで今につながる出来事として至近距離で起きていることに感じる。
    人生はつながっている。終わった話ではないのだ。
    後半、本人から直接聞いた辛い思い出の話が名誉で誇らしい話にすり替わっていく話はとてもリアルだった。

  • 【 #書籍紹介 】 @BizHack1
    独ソ戦女性兵士のルポルタージュが原作のコミカライズ第2巻。

    ・馬糞を食べ生き残ったウクライナ兵
    ・家族が粛清された女性は足を吹き飛ばされた事で信用されると喜んだ
    ・新しい下着を貰った翌日に戦死した戦車兵

    #戦争は女の顔をしていない2
    https://amzn.to/3eB7QAi

    2022/09/10

  • 独ソ戦。
    前線に向かった女性たちの証言。
    しかし、生々しい証言は、語り手への校正の段階で、語り手本人の手によって、公的な記録に沿ったものに塗り替えられることがしばしばあるという。


    一人の人間の中にある二つの真実にたびたび出くわすことになる
    心の奥底に追いやられているその人の真実と
    現代の時代の精神の染み付いた新聞の匂いのする他人の真実が
    (中略)
    わたしは 誇り高く
    とりつくしまのない
    記念碑ばかりが立っている
    輝く表面に覆われた砂漠に
    身を置くことになる


    私は東日本大震災の被災者の記録に関わる仕事をしたことがあるが、この時も、これほど強烈ではないにせよ、同様の印象を持ったことがある。それが、自然災害ではなく、人為的な戦争によるものだとすれば、なおのことだろう。

  • 丁度今のフィギュアスケートで話題になっている選手達の年齢だろうか。。

    巻末扉のセリフが 内容を読む迄理解できなかった
    「車輪の下でこういう死体の頭蓋骨が、折れる音が聞こえていた 骨の折れる音が 嬉しかったわ」

    今回も巻末に速水氏の解説ページあり
    独裁者による管理社会でありつつも女性の社会的地位向上など本音と建前 矛盾点があったそう
    『ソ連史』(ちくま新書) 『スターリン』(中公新書)  

    原作の中で割と共感できるエピソードが漫画化になっているように思う
    (原作だと自分の兄が弾圧側パルチザン部隊になった話や 勲章も男性にとっては英雄であり理想の花婿となったが戦後の男性からの態度は。。とか)

    捕虜の身内引き取りの話が悲しかった

    日本でもアジアの島に遺された、遺骨の事は度々問題になっているが
    本作で戦死者は基本
    戦地でまとめて土葬との事で
    戦死者の遺骨は今どうなっているのか気になった

  • 著者(原作者?)の手記みたいなのから始まる。
    そして唐突に終わる。

    戦争みたいに只でさえ倫理観とかが後回しになる事態で、ロシア人みたいなちょっと自分本位なところがありそうな人種(個人の印象です)なのに、戦場に女の子を派遣して無事に済んでるのがどうにも違和感がある。
    実際はもっと凄惨な目に遭っているのをアレンジしてるんだろうか?とすら思えてしまう。
    あと、ロシア人は少女の頃は絶世の美人だけど歳を重ねると・・・と有名なので、この娘らも・・・って感じで読んでしまう。

    ニーナの話は、最後に添削した記事を送り返して来たのは本人なのか。
    話したい体験と知られたい体験談は違うってことなのかね。
    もし原作者の方が、この添削の通りに物語を削ぎ落していたらニーナの本当の体験は伝わらずに消えてしまっていたのかと思うと、なんだか感慨深いものがある。

    たぶん、最後の話が一番戦争時の女性に抱くイメージに近いと思う。
    実際のところ、他の女性みたいに軍に志願して戦争してた人と、こうやってひたすら耐えていた人、どちらが多かったんだろう。

  • 戦争いくない!

  • 読んでいるうちに話に引き込まれて、息をするのが苦しくなります。
    戦中の話と戦後の話、どちらも今の自分の周りにはない話で、ただ想像することしかできないことをもどかしく感じます。

  • 「その後もこのように一人の人間の中にある二つの真実にたびたび出くわすことになる」「心の奥底に追いやられているその人の真実と/現代の時代の精神の染みついた新聞の匂いのする他人の真実が」「第一の真実は二つ目の圧力に耐えきれない」「話を聞くときに彼女のほかに身内や知り合い、ことに男性が居合わせると/真心からの打ち解けた話が少なくなる」「それはもう聞き手を意識した話になり/深い底に沈んでいる気持ちにまで入り込むのは難しかった」「聞き手が多いほど話は無味乾燥で消毒済みになっていった/かくあるべしという話になった」「恐ろしいことは偉大なことになり/人間の内にある理解しがたい暗いものがたちどころに説明のつくことになってしまった」「わたしは誇り高くとりつくしまのない記念碑ばかりが立っている輝く表面に覆われた砂漠に身を置くことになる」

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