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感想・レビュー・書評
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『ヒトはなぜ自殺するのか』を読み終えた。
かなりショッキングなタイトルで、自身も自殺を何度も考えたことのある、心理学者である著者が、自殺にいたる心理のプロセス、人間以外の生物は自殺するのか、ウェルテル効果として知られる自殺の波及効果など、自殺に関して述べた本である。
本書の中でも述べられているとおり、問題が問題だけに、読みやすい本でもなく、読むのに覚悟のいる本だが、特に自殺にいたるまでに人の心がどのような段階を経ていくかについては、2章にわたって詳説されており、
自殺が周囲の人からも「なぜ?」「どうして?」と、自殺した本人がそんなことを考えていることに気づかれづらい理由にも納得のいく内容で、自殺を防ぐ上でも参考になるところが多いと思った。
ただ、著者は科学的唯物論の立場をとっていたが、その考えから人生の意味やなぜ自殺が悲劇なのかは十分に語ることはできないと個人的に思う。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
自殺に関する文献研究および関係者との談話。ヒトはなぜ自殺するのか。自殺はヒトだけのものなのか。ならばそれは環境への適応なのか、病理なのか。そもそも自殺は悪いことなのか…。先日テレビで養老孟司が「自分の死後は体験できない、だから自分の死は考えるだけ無駄」というようなことを言っていたが、自分の自殺は肯定するけれど他人の自殺は止めたいと思う心理もそれと同じなのかもしれない。
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もし大切な人たちが、自殺を考えたらどうしようかと思い読んだ本。
著者が自殺を考えていたという体験談を元に、書かれているので、ストーリーとしても読みやすい。
一つだけピックアップするとしたら、1度自殺未遂をしたことがある人間は、”次”は成功する可能性が高い。
死ぬかもしれないという恐怖に慣れてしまうらしい。 -
何らかの解答や著者の結論を提示しているものではないなあ。むしろ「あとは自分で考えな」、っていう投げ出され方をされたような印象が残った。