リフレクション(REFLECTION) 自分とチームの成長を加速させる内省の技術 (オリジナルフレームワークPPT・PDF特典付き) [Kindle]

著者 :
  • ディスカヴァー・トゥエンティワン
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感想・レビュー・書評

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  • 本書のキーワードは、「リフレクション」、「対話」、「メタ認知」(認知していることを認知する)の3つ。あと、成功体験を手放す「アンラーン」もかな。

    本書によれば、「リフレクション( Reflection)」は、「自分の内面を客観的、批判的に振り返る行為」=「内省」(反省とは違い、自分の内面を客観的かつ前向きに掘り下げて分析し学ぶ行為)とこのと。「リフレクションの前提には、「成功しても、失敗しても、いずれにしても、経験したからこそ知っていることがある、経験を知恵に変えることができる」という信念があ」るという。

    リフレクションは、メタ認知のフレームワーク「認知の4点セット」(意見、経験、感情、価値観)を使い、「事実や経験に対する自分の判断や意見を、「意見」「経験」「感情」「価値観」に切り分けて可視化することによって、自分の内面を多面的に深掘り」することにより行う。その肝は、意見の背景にある経験(や知識)とその経験に紐づいている感情を俯瞰して、大切にしている価値観、判断の尺度、こだわり、ものの見方まで掘り下げること。

    確かに、思考や感情の癖、思い込みのバイアスを取り除いて自分や相手の内面を客観視する(メタ認知する)習慣がつけば、それは素晴らしいだろうなあ。ただ、自分の内面を掘り下げていくのはかなり面倒。自分は今、大きな壁にぶち当たっているなど差し迫った状況にあるわけではないので、自分に対して実践するのはちょっと難しいかな。むしろ、他者との対話で使うといいかも(或いはお互いにやりあうとか)。

    本書で特にいいなと思ったのが、相手との対話において「共感を持った傾聴」を行うべき、というインストラクション。「相手の考えや感情にも、それなりの理由があるという認識に立つこと、これが共感です。相手の意見の背景にある経験や感情、価値観に共感することは、あなたが考えを変えることとイコールではありません」、「対話の場で、反対意見に遭遇したら、あなたの意見に反対している訳ではなく、その人は意見の背景にある大切な価値観を守っているだけだということを思い出してください」、「共感を伴う傾聴を実践するときには、相手の考えや気持ちに対して評価判断を加えないことが重要です。傾聴しても賛同する必要はなく、自分の解釈を加えず、相手が何を考え、どのような気持ちなのかを正しく聴き取る、ただそれだけです」。とても深い指摘だな。この部分は記憶にしっかりとどめておきたい。

  • リフレクションそのものではなく、リフレクションを活用した「学習する組織」への変革を意図している一冊。
    そのため自己成長、ダブルループ学習、傾聴など多様なリフレクション適用場面が紹介される。
    リフレクションというものが持つ威力をうかがい知ることができ、その点については満足だが、そのぶん「リフレクション」そのものについての掘り下げはいささか不足していると感じた。
    認知の4点セットの問い。アンラーニング。それを実際にどうやるの?というところまでの踏み込みを期待していると少し肩透かしとなる。

  • 12月に自分の振り返りが上手くできていないなと感じ、別の本を読んだ。9月にこの本を読み、思い返せばその当時は活用しようと意気込んでいたのに、いつの間にか忘れていた。当時は人から勧められて読んだ本だったからかもしれない。今は自分で調べて再びこの本に出会ったので、もう一度読み返し大切な事をメモにした。1月は、メタ認知の4点セットを活用して自分の振り返りを行うこと、共感をもった対話を行う事を実践して過ごそうと思う。

  • 経験から学ぶ未来に活かす

  • リフレクションと内省の行い方についてまとめられた本。

    リフレクションには四段階がある。
    1結果 
    2他責 
    3自らの行動 
    4内面(意見、感情、経験、価値観)

    経験から学ぶリフレクション
     ステップ1 計画の振り返り
     計画:どのような計画を持っていましたか?
     仮説:どのような仮説を持っていましたか?
     仮説の前提:その仮説の前提には、どのような経験、
           感情、価値観がありますか?
     
     ステップ2 想定していた結果と実際の結果
     想定した結果:想定していた結果は何ですか?
     実際の結果:実際の結果は何ですか?

     ステップ3 経験の振り返り
     経験:どのような経験でしたか?
     経験の分析:うまくいったこと、
           うまくいかなかったことはなんですか?
     感情:その経験にはどのような感情が紐づいていますか?

     ステップ4 経験からの学び
     うまくいった場合
     理由 なぜうまくいったのだと思いますか?
     うまくいかなかった場合
     理由 経験の前に戻れるとしたら、何を変えますか?

     ステップ5 法則の定義
     リフレクションから明らかになったことは何ですか?
     この経験を経て、持論はどのようにアップデートされ
     ましたか?法則を定義してみましょう。

    会議
     相手のリフレクション
     ・相手にはどのような経験があるか?
     ・どのような感情を持っているか?
     ・何を大切にしているからその意見に固執するのか?
     *他者の意見を聴くときは自分の解釈を加えず、
      相手の認知4点セットを聴きとる。
     *評価判断を保留して、相手の世界に共感する傾聴を
      行う

    自分を解放するリフレクション
     ・全てから解放された世界はどのような世界でしょう?
     ・そこで、あなたは何をしていますか?誰がいますか?
     ・その世界にいるときあなたはどのような気持ちですか?
     ・そこから見えてくる、あなたが大切にしている価値観は
      なんですか?

    自己認識力を高めるリフレクション
     感情:怒り
     意見:なぜ怒っているのでしょう
     経験:どのような経験を通して、そう感じているのでしょ  
        うか?
     価値観:どのような価値観が満たされていないから、
         そう感じるのでしょうか?

    合意形成のステップ
     1 お互いの意見を意見、経験、価値観の3点セットで
       共有する
     2 対話の目的について話し合う
     3 対話の目的が確定したら、目的に照らし価値観の
       優先順位を付けを行う
     4 合意形成に至る

    ネガティブフィードバックの5倍ほめる
     (小さな事実を見つけて褒める)

    フィードバック方法
     ・相手の行動を具体的な事実として伝える
     ・行動の結果を説明する
     ・理想の行動を伝える

    ワーク上にステップが切り分けられていて、実際の行動に落とし込みやすいと思いました。

  • 「学習する組織」の実践に向けた内省技術の提案本です。
    リーダー的な立場になりフィードバック方法に悩んでいる方にお勧めしたいです。

  • 自分の内面を知覚、経験、感情、価値観の「認知の4点セット」の観点で切り分けることで、”モチベーションが高まる源”が見つかります。ご自身のリフレクションに、新たな気づきがあるかもしれません。
    (推薦者 トッキー@サポーター)

  • リフレクションが誰にとってもあたり前の習慣になるように、実践方法を解説した本。

    「リフレクション(Reflection)」
    自分の内面を客観的、批判的に振り返る行為のこと。
    =「内省」
    ➔「未来を創る力」として、人材開発の観点から世界中で広がりを見せている考え方。

    目的を実現するために学び続ける。
    =「自立型人材」

    「リフレクション」と「対話」が重要。
    ➔「メタ認知」が質を高める。

    <はじめに>
    リーダーは常に課題に追われている。
    ✘ 新しい知識
    ✘ 優秀なメンバー
    ➔必要なのは「自分自身と向き合うこと」

    最新のアプリケーションを使う。
    =OSのアップデートが必要。
    ➔人間のOS(学ぶ力)もアップデートが必要。

    経済産業省提唱
    「人生100年時代の社会人基礎力」
    ➔リフレクションは、あらゆるスキル習得の前提となる力とされている。

    リフレクションの目的。
    ➔あらゆる経験から学び、未来に活かすこと。
    =どのような経験にも「叡智」が詰まっている。

    経験を客観視する。
    ➔新たな学びを得る。
    =未来の意思決定と行動に活かしていく。

    ●リフレクションの基礎としてのメソッド
    ・自分を知る。
    ・ビジョンを形成する。
    ・経験から学ぶ。
    ・多様な世界から学ぶ。
    ・アンラーンする(学んだことを手放す)

    基礎を応用していく。
    =自分自身を成長させる。
    +他者への理解を深める。
    +他者の成長を促進する。
    ➔組織をまとめるリーダーシップを育むことができる。

  • ウインクして気ままにリフレクション、
    なんて言っている場合じゃないですね。
    非常に大事、なのは言われなくも分かるし、
    いつでもカンタンに出来ることだけど、
    どうやるのが良いのか?分からない。
    そういった意味では、
    参考になるワードがたくさん載ってました。

  • 認知の4点セット(意見、経験、感情、価値観)というフレームワークは役にたつシーンもありそう。ただその一本でいろんなテーマを解説しようとしてよくわからない感じになっている印象もある。読み手にとって必要な部分にフレームワークを活用するのがよく、ほどほどに読み飛ばせばよい。

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