影を裁く日 (講談社文庫) [Kindle]

著者 : 高柳芳夫

• 講談社 (1984年8月8日発売)

感想・レビュー・書評

[コウさんの感想 · 2024年2月17日]

　サミット開催時、一人の外務官僚が何者かに殺害されてしまう。それで、犯人はいったい誰で、どのような動機で殺人を実行したのかをたどる話。著者は実際に外務官僚として働いたことのある人であるためか、この小説を読むと、外務省という組織の特質性が見えてくる。また、本作は官僚としての立ち振る舞いや公的機関で働く者の心構えを追体験できる。物語の終盤で、犯人の動機が明らかになるが、その部分を読むと、公務員、とりわけ大きな権力を持つ者の責任について考えさせられる。社会的に優位に立つ者である以上、失態を犯したときの代償が、自分たちにどれほど返ってくるのか。それを自覚したうえで、職務を全うしなければならない、そのようなメッセージが本作から伝わる。

[雅本棚さんの感想 · 2022年11月23日]

元外務省職員の小説⁉️
？