激変する世界の変化を読み解く 教養としての地理 [Kindle]

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  • PHP研究所
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感想・レビュー・書評

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  • 現代社会、ビジネスに大きく関わる地政学をざっくりひと通り学べます。
    私が学んだ内容のポイントはざっくりと以下の通り。

    ①地図記号は社会の変化によって結構変わっている。最近は風車や老人ホームが追加され、桑畑や塩田が削除された。
    ②温度化影響で日本〜ベーリング海峡〜欧州を結ぶ北極海航路が新設される可能性がある。(インド洋を通る南回りより短距離になる)
    ③中東の産業構造変化(脱石油化)が激しい。2030年以降は気候変動対策により需要が縮小される。(特にアメリカはシェール革命により需要急減≒中東への関心が希薄化⇨アフガン撤退)
    ④日本の食料自給率が年々低下傾向(18年で37%)だが、食料ロスも分母に含まれていて影響大。(除けば67%程度)日本人の食生活の変化も大きい。米の消費量は過去の半分程度。果物消費量も欧州の1/3程度。
    ⑤労働時間はドイツの2割増だが米国と韓国より低い。しかし、非正規社員の労働時間もカウントしているので正規社員の実態は見かけよりも多い。(産業競争力も高めるためには労働生産性を高める以外ない)
    ⑥日本はオーストラリアより大量の石炭、鉄鉱石、LNGを輸入しており、オーストラリアも日本が最大の貿易相手国。この関係性は重要。
    ⑦日本の至近の貿易(2018年)は輸出が1位 機械類(28兆円)、2位 自動車(16兆円)、3位 精密機械(4兆円)、4位 鉄鋼(3.2兆円)、5位 プラスチック(2.4兆円)で、輸入が1位 機械類(18兆円)、2位 原油(8.5兆円)、3位 LNG(4.5兆円)、4位 衣類(3.2兆円)、5位 医薬品(3.0兆円)である。
    総額は輸出が75兆円、輸入が76兆円で貿易赤字1兆円。
    意外なのは輸出項目で1位が機械類、4位 衣類、5位 医薬品と原料ではなく、加工品や得意な医薬品も輸入に頼っている点。貿易摩擦の回避、円高差損、労働コストが要因で日本企業の海外進出により逆輸入が急増した結果である。アベノミクスで円安誘導により輸出産業を支援したが、海外拠点からの輸入も増えて効果が出にくい構造になりつつあるとのこと。福島原発事故で原発を一斉停止し、LNG、石炭等の輸入が急増したのも30年ぶりの貿易赤字要因。不運だったとはいえ、今後の日本経済、貿易収支とエネルギー政策(原発代替)は切っても切れない関係であることは間違いない。

    そして、今後の世界と日本の動きを決定づける可能性がある問題が以下である。

    ①気候変動問題(CO2排出規制、排出権取引)
    ②人口動態(アジア急増、先進国高齢化)

    これまで人類は化石燃料に頼り爆発的な成長を遂げてきたが、これ以上の成長=CO2排出増は地球環境が持続出来ないとの認識が世界常識に形成されつつある。また、世界人口の6割が集中するアジア圏の成長が欧米社会の相対的な貧困化を招く事により、どの様なパワーバランスの変化が起きるのかは注意が必要である。

    CO2排出とは基本的に製造業にて排出されるため、排出権取引を行うと産業構造上不利な国が出てくる(日本もその一つ)という構造も注意が必要。つまり、このままいけば外貨を稼いでも、カーボンニュートラル未達分は排出権取引で持っていかれる。
    日本の産業にとってはまた海外移転が進む可能性のある悩みの種である。

  • 広く浅く知識を得ることができました。
    ただ現状に至る裏話的な経緯をもう少し挿してもらえれば、頭に残りやすいのになぁと思いました。

  • 学生の頃、私は日本史が好きだったので、世界史はそれほど興味がなかったのですが、大人になった今、世界史を面白く感じています。
    世界の様々なニュースは、世界史を知ってから見ると、より理解できます。
    まだまだ知らないことばかり。
    もっと知って、より深く世界を理解できるようになりたいと思います。
    本書はどちらかというと、地理の中でも経済寄りな印象。

  • 高校地理の入門書で、とにかく分かりやすい。また現代の諸問題と絡めて書いており、社会との繋がりを意識して読むことができる。

  • 悪くないけど所々ノイズになる情報が多いのと主観的な感想が多々あるので疑問点があればその都度自分で文献に当たった方が良い

  • 大人が身につけておくべき地理の最新情報を解説した本。

    高校で学ぶ地理をわかりやすく解説しており、地理を学び直すのに適した一冊。

  • 悪くはない
    そんなに感動はしなかった

  • 東進ハイスクール地理講師山岡氏が、激変した世界の変化を地域ごとに説明している。高校生の頃に学んだ地理とは全く異なる世界になっていて興味深かった。

  • 教養としての地理という題名に引かれて借りてみたが、中身は地理の参考書感が満載。

    地域別のデータを載せて解説、解説、解説。
    一冊で全世界を取り上げてるので雑学もほぼない。

    違う!違うんだよ。そうじゃないよ!これじゃ受験勉強してるみたいじゃないか!って何度も思いました。

  • 学校で習った地理とは違うのよね~
    半世紀近く前だもんね、あたりまえかw
    わかりやすい本ですが、じっくり読む気にはなれなかったので
    評価無し。

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著者プロフィール

東進ハイスクール・東進衛星予備校。ベーシック講座から難関大対策講座まで主要な講座を数多く担当。30年以上の指導歴をもつ。「地理は暗記科目ではない」。因果関係や背景の理解を中心に展開される授業は、工夫された視覚資料と丁寧な説明で、地理が苦手な生徒も思わず引き込まれる。趣味はカードマジック、ボウリング。カープのオールドファン。

「2023年 『東進 共通テスト実戦問題集 地理B』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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