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感想・レビュー・書評
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1980年代の古書をめぐる短編集。
表題作「古書ハンター」と「古書仲間」、「嗤い声」、「秘画」、そして「掌編」としてさらに短い話が編集されている。その中で一番興味深かったのが「古書ハンター」だった。
高校教員の主人公は副業で「暁書店」という店舗レスの古書店を開いている。芥川賞受賞作の初版本を集めることに主眼を置いているのだが、あるときから「雑巾先生」という小説を追い求めることとなる。初版本と復刻版。謎を解明するために情報を集め歩き回る。アナログ時代だからか、彼の執念深さがより重く感じられる。彼が現代にワープしたらどう感じるだろう。
二作目の「古書仲間」は、病気の仲間から頼まれて自宅の本を売る手伝いをする主人公の話。仲間の家族との関係や、徐々に悪化していく病気を抱える者の言葉が、切なく映る。しんみりとした気持ちにさせられる。
たばこの煙、ウィスキーグラスの音、国電、電話番号案内…昭和のテイスト満載だ。懐かしい。でも埃っぽかった。詳細をみるコメント0件をすべて表示
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