プロセスエコノミー あなたの物語が価値になる (幻冬舎単行本) [Kindle]

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  • 「アウトプットエコノミーが一定の規模まで到達したことで、もう差別化するポイントがプロセスにしかない」。ごく一部の大資本がグローバルクオリティでマスプロダクトを支配してしまうので、資金力でも開発力でも販売力でも一番になれない企業やビジネスマンは、「特定のコミュニティにおいて熱い想いで支持されるローカル・クオリティ」を目指すしかない(大衆車よりフェラーリを目指せ)。

    著者の言っていることは、かねて言われ続けていることでもあり、ニッチなビジネスを目指せ、という文脈ではよく理解できるのだが、そこにネットビジネス由来の体験価値やショービジネスの熱烈ファン心理みたいなものが入ってくると、とたんに理解が覚束なくなるんだよなあ。

    「プロセスに価値を乗せるには、作り手がそこにストーリーを込めたり、何故やるか(WHY)という哲学を示すことが大切」、「ユーザーをファンにし、セカンドクリエイターとして巻き込み、熱量を上げていく必要がある」ということだが…。

    ジェネレーションギャップが関係してるんだろうなあ。なにしろ、自分はユーチューバーを安定した職業として認知できていないし(一時的にお小遣いが稼げたらラッキーな趣味、ぐらいの理解)、もちろん投げ銭などをしたことはないし、価格を度外視して特定の作り手やサービスの熱烈なファンになったこともない。

    著者は、今後あらゆる生産コストが一気に下がって、2035年~2040年にはアウトプット(成果物)の売買だけの経済は終わりを迎えるという。そうすると、好むと好まざるとに関わらず、我々は "プロセスエコノミー" で生きていくしかないのだが…(この点については、そうなってくれればいいが、むしろ、エネルギー問題や食糧問題が深刻になってものの値段が上がってしまうんじゃないか、と逆の心配してしまう)。

    本書、ボリュームは薄いが、BTS、ジャニーズ事務所、シャオミ、メルカリでの野菜直売、「北欧、暮らしの道具店」、Clubhouse、Zappos、Y Conbinator(シリコンバレーのスタートアップ支援組織)などの事例が紹介されていて、分かりやすい本ではあった。

  • プロセスエコノミーの弊害のところは勉強になった。確かに過度な期待で自分のやりたいことではなく、「ウケ」を狙うようなことはならないようにしていきたい。

  • これは、新しい!!そう思えた本。もちろん前々からなんとなく指摘されてることではあったけどパキッと名前がつくと概念化されますね。
    頭の中のタグ付けが簡単になる感じ。

    そう、プロセスがなければ人は買わない。いくら商品の良き面を説明したところで買わない。
    この人だから、それはすなわちこの商品が「ここにある」理由。売る人も含めてね。

    営業やってた頃、躍起になって商品の良い面をアピールしても全然通じなかったなー。
    今は、自分で仕事をしてるから別の意味で役に立つ。

  • 知人のオススメにて購入。
    2、3時間でさくっと読めます。
    どんな職種でも当てはまるような気がします、プロセスエコノミー。
    若しくは、自身の職種にどう当てはめることができるか、考え始めることがこの本の良い提起かもしれません。

    あとプロセスエコノミーは自身に向き合うこと、肯定していくことにも繋がるように思いました。

    本棚に残さないですが苦笑、考え方は入れておいて損のない知恵をもらえます。

  • なぜプロセスに価値が出るか
    ・アウトプット(物質的・役に立つ)からプロセスの共有(内面的・意味がある)へ価値の変化が起こっている
    ・所属欲求、ブランド
    ・機能価値から参加価値、共創価値へ

    共感のメカニズム
    ・親近感、ロジックではなく感情やストーリー(こだわりや哲学)に訴えかける
    ・利他の心(普遍的感謝:デフォルトが感謝状態)

    実装
    ・正解主義から修正主義への意識改革
    ・情報をシェアして仲間を巻き込む
    ・プロセスを開示して「機能・性能」はコピーできても「個人のこだわり」はコピーできない

    実践方法
    ・「Why(こだわり、哲学)」を共有する
    ・Synpathy(一時的な共感)とCompassion(永続的な共感)、2つの共感を認識する。良し悪しはない
    ・プロセスエコノミーの手法の例「ジャングルクルーズ型(目撃者型)」と「バーベキュー型(役割付与型)」。使い分ける
    ・人を巻き込むにはコミュニティのメンバーに「いてもいいんだ」と感じてもらうことが重要。役割を与える

    気を付けること
    ・「Why」に立ち返る
    ・自分のモノサシを持つ

  • ■プロセスに価値が増え、その先にあるのがプロセスエコノミー
    メリット
    ①アウトプット(商品)を出す前からお金が入る可能性がある
    ②寂しさの解消
    ③長期的なファンを増やせる

    ■プロセスに価値を乗せるには、作りてがそこにストーリーを込めたり、
    なぜやるかという哲学を示す。
    作りて1人では限界があるので、ユーザーをファンにして巻き込む。

    ■幸せの5つの軸
    ①達成②快楽③良好な人間関係④意味合い⑤没頭
    ・これからの社会は(役に立つ」よりも、(意味がある)ほうが価値がある。
    (コンビニでハサミやホチキスは①種類だが、タバコは200種類置かれる。タバコは価値がある)
    (フェラーリは運搬には向かないが2,000万円以上の価値がある)

    ■Me We Now論
    Me:自分の話をして距離を縮める
    We:共通点を見出して連帯感を作る
    Now:自分のやりたいことを説明する

    ■何から始めるか
    ・自分の手の内にある楽しいこと・幸せだと思うことから始める
    ・許容範囲の中で失敗を設計する

    ■弱さの共有
    ・しくじりが共感を呼ぶ

  • 目から鱗な事だけど、後半からは量増しなことしか書いていないので、適当に読んでも大丈夫です。笑

  • 書評の人たちが登場するだけ。

  • 物質的に満たされた成熟社会では最終産物を生み出すまでのプロセス自体を売る、プロセスのWhyをブレさせない。
    KPOPは肖像権の縛りを緩くしてセカンドクリエーターを増やしてコミュニティを盛り上げた。
    MustこなすうちにCanが見つかり、Willができる。
    ラジオもプロセスエコノミーだな。

  • 非の打ち所がない完成されたものを見せたいと考えるのは自分だけじゃないはず。
    早くて安くて完成されているものを提供するのは大企業の仕事。
    もっと制作過程を見せて参加させて一緒に作ることの方がファンとしては嬉しいのかもしれない。

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著者プロフィール

フューチャリスト。京都大学大学院で人工知能を研究。マッキンゼー・アンド・カンパニーやNTTドコモ、グーグル、リクルート、楽天など数多くの企業で新規事業立ち上げを担う。現在はシンガポール、インドネシアのバリ島が拠点。著書は『ITビジネスの原理』『ザ・プラットフォーム』『アフターデジタル』『ディープテック』など多数。

「2021年 『スケールフリーネットワーク ものづくり日本だからできるDX』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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