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感想・レビュー・書評
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サブタイトルの「文化としての〈戦争〉と〈軍事〉」のほうが内容をよく表している。戦闘というものは「武器」に見えるものだけで成り立っているのではなく、犬・馬といった動物だったり、鉄道・飛行機だったり、カメラだったり、さまざまなものが動員される。レーションとしての缶詰・レトルトも戦場の必要性があって開発されたものだし、ネジ・工具の規格化も武器修理から始まった。暗号翻訳はおろか、語学研究、他文化理解といったものさえ、戦争によって発達したということが語られる。とくに、宗教は「戦争の原因」ではなく「武器・軍事技術のひとつ」であるというドーキンスの言をひいて、〈戦争の大義を示し、戦闘員の士気を鼓舞し、勇敢に戦わせるよう機能する広い意味での宗教、ないしは疑似宗教的要素も、軍事において無視できない役割を果たしてきた〉と締めるところは、なるほどと思わせる。「戦争・軍事もしょせんは文化」というところまで行き着くのだが、たしかにと思う反面、ぐるっとまわって当たり前感というか、ちょっと広げすぎというところもあるかもしれない。
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