すべてが武器になる: 文化としての〈戦争〉と〈軍事〉 [Kindle]

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  • サブタイトルの「文化としての〈戦争〉と〈軍事〉」のほうが内容をよく表している。戦闘というものは「武器」に見えるものだけで成り立っているのではなく、犬・馬といった動物だったり、鉄道・飛行機だったり、カメラだったり、さまざまなものが動員される。レーションとしての缶詰・レトルトも戦場の必要性があって開発されたものだし、ネジ・工具の規格化も武器修理から始まった。暗号翻訳はおろか、語学研究、他文化理解といったものさえ、戦争によって発達したということが語られる。とくに、宗教は「戦争の原因」ではなく「武器・軍事技術のひとつ」であるというドーキンスの言をひいて、〈戦争の大義を示し、戦闘員の士気を鼓舞し、勇敢に戦わせるよう機能する広い意味での宗教、ないしは疑似宗教的要素も、軍事において無視できない役割を果たしてきた〉と締めるところは、なるほどと思わせる。「戦争・軍事もしょせんは文化」というところまで行き着くのだが、たしかにと思う反面、ぐるっとまわって当たり前感というか、ちょっと広げすぎというところもあるかもしれない。

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著者プロフィール

石川 明人(イシカワ アキト):1974年生まれ。北海道大学文学部卒業、同大学院文学研究科博士後期課程単位取得退学。博士(文学)。北海道大学助手、助教を経て、桃山学院大学社会学部教授。専門は宗教学・戦争論。著書に『キリスト教と日本人』(ちくま新書)、『キリスト教と戦争』(中公新書)、『すべてが武器になる』(創元社)など多数がある。

「2022年 『宗教を「信じる」とはどういうことか』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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