あてはめるだけで“すぐ”伝わる 説明組み立て図鑑 [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 著者は「わかりにくいは、コストとなりリスクになる」という指摘をしている。まったく納得だ。
    わかりにくく説明する人に付き合うと、やはり時間もかかり、コストもかかる。
    伝わらないことは、コスト増。そして、それがストレスとなる。
    めんどくさい、しんどい、うざい、好きになれない、興味が持てない。
    また、間違って伝わることで、トラブルとなり、関係性が悪くなる。
    わかりやすく説明できれば、ビジネスに有利となる。
    ただ、こういう図鑑にしようとするのが、予備校の先生だった名残なのか。極めて羅列的で、それぞれの関係性がうまくつかまえることができない。そういう点では、説明がうまくない。
    ①説明を組み立てる。必要なのは、着地点を決めることだ。それがないと、何が言いたいのかわからない。
    ②説明の目的とシチュエーションがある。
    結論ファーストで、失敗することがある。それは、文脈が理解されにくい。情報の非対称があり、前提の共有がいる。
    目的は、3つのフェーズ
    ①わかってもらう説明。(知識の変化)②動いてもらう説明(行動の変化)③自分でできるようになる説明(行動変化の持続=学習)
    説明する前提
    ①相手を知ること。ー相手の関心を探り当てる。
    興味のないことに、話は乗ってこない。
    問題を抱えているが、それを言われるとシャクに障る。これの処理が難しい。
    カギは、相手へのリスペクトと自分で解決したと思えるようにする。
    ②使いどきが重要で、タイミングをつかむ。
    説明するときに、
    ①情報の共有。全体像の中でのポジション。時系列の中での到達点。前例や常識にとらわれないこと。「ざっくりと」「例えると」
    ②テーマの共有
    ③トピック、話題の共有。抜粋、要約、図によって関係性を明らかにする。
    ④何を討議するのか?具体例。アウトライン。基準値、価値観を明らかにする。アンケート結果。比較。そして、コンセプト、言葉の定義をきちんとする。
    3つの説明があり、①CRF法、結論、理由、事実。結論は一つに絞っておくこと。②SDS法、概要、詳細、概要。初頭効果と親近効果を使うと、認識されやすい。ある意味では、行動フェイズに使う。
    ③PREP法。結論、理由、具体例、結論で説明。
    説明とは、相手の心を掴み、共感を得て、信頼されることにある。
    面白いけど、羅列的すぎるのが、残念。図鑑とはそういうものか。

  • 相手にわかりやすい説明が必要な理由や、状況に応じた効果的な説明の方法を学べる本です。
    (私も含め)ビジネスでも日常でも、伝えたいことがなかなか相手にわかってもらえず困った、という経験をされた方は多いのではないでしょうか。
    わかりやすく説明できるだけで、相手の時間を奪わないという理由から、選ばれる確率も上がるようです。
    説明がうまくいかない理由にもパターンがあり、それぞれの場面で、有効な方法も変わりますが、そういったことが詳しく紹介されていますよ。

    【特に覚えておきたいと感じた内容の覚え書き】

    「わかりやすく説明できるだけで、相手から選ばれやすくなる。『わかりにくさ』は、何度も聞いたり、咀嚼する時間が増え、『コスト』になる。意図した形で伝わらないということはトラブルを招く可能性があり、『リスク』になる。無駄なコストやリスクがかからないほうが選ばれやすい。」
    「説明の失敗パターンには、組み立てずに説明を始めてしまう場合と、説明の目的やシチュエーションに合わない組み立て方をしてしまう場合の2つがある。目的やシチュエーション(制約)に合わせて、『わかってもらいたい内容』に最適な順序で説明を組み立てられれば、伝わりやすさは格段に上がる。」
    「相手の状況と、メッセージを届ける目的に合わせて情報量はその都度、調整する必要がある。すぐにわかってもらえなくても、相手が自分の頭で考え、それを咀嚼し、『知識』に変わって、相手がその情報を自分のものにしていくことを達成できたほうが、メッセージを届ける意味がある。」
    →様々な手法が紹介されていますが、序盤に書いているこれらの基本的なことをまず理解しておく必要があります。特に、説明の仕方をいろいろと知っていても、その使い方が説明の目的やシチュエーションに合っていないと効果がないことは、注意すべきことではないでしょうか。

    【もう少し詳しい内容の覚え書き】

    ・わかりやすく説明できるだけで、相手から選ばれやすくなる。「わかりにくさ」は、何度も聞いたり、咀嚼する時間が増え、「コスト」になる。意図した形で伝わらないということはトラブルを招く可能性があり、「リスク」になる。無駄なコストやリスクがかからないほうが選ばれやすい。
    ・説明の失敗パターンには、組み立てずに説明を始めてしまう場合と、説明の目的やシチュエーションに合わない組み立て方をしてしまう場合の2つがある。目的やシチュエーション(制約)に合わせて、「わかってもらいたい内容」に最適な順序で説明を組み立てられれば、伝わりやすさは格段に上がる。
    ・組み立て方の精度を高めるポイントは、相手を知ることと、説明の「使いどき」(目的とシチュエーション)を明確にすること、の2つ。
    ・相手の状況と、メッセージを届ける目的に合わせて情報量はその都度、調整する必要がある。すぐにわかってもらえなくても、相手が自分の頭で考え、それを咀嚼し、「知識」に変わって、相手がその情報を自分のものにしていくことを達成できたほうが、メッセージを届ける意味がある。

    ○理解してもらうための説明
    ・短く意見を伝える基本の型はCRF法。まず自分の主張や提案の「結論」を伝え、根拠となる「理由」を伝え、理由を下支えする「事実」を提示する。相手の記憶には限界があるので、主張や提案は必ず1つに絞り、理由は3つまで、事実(具体例)は理由ごとに3つまでにしておく。
    ・説明の概要だけはどうしても相手に覚えてもらいたいときにはSDS法が有効。これから説明する内容の「概要」を伝え、「詳細」部分を伝え、「まとめ」を伝える。概要も1つに絞る。「絶対に覚えてもらいたい」という言い回しをする。詳細は、相手が最も知りたいであろう部分を中心に解像度を上げる。
    ・プレゼン・会議・報告でシンプルに使える基本の型はPREP法。主張や提案の「結論」、根拠となる「理由」、理由のイメージが湧く「具体例」、再度「結論」の順に伝える。「具体例」の情報量を増やしすぎると、最後の「結論」に収束させにくいので注意する。
    ・どんなシチュエーションでも必ず「結論ファースト」がベストになるわけではない。前提を相手が忘れてしまっていたり、誤解が生じるリスクを最小限に抑えたいときは、説明内容のテーマを伝える前に「前提共有」をする。その前提に基づいた、以降の説明の合意をとり、それから本題のテーマや結論を伝える。
    ・テーマとは、思考や議論がブレないようにするための主軸となる「お題」。テーマを先に提示すると、説明を受けた相手は、具体的な議論や理解すべきことが複数ある場合でも、考える道筋や議論の方向性を一方向に定めることができる。
    ・人は何かを基準にして物事を判断する。相手に自分の伝える数値の凄さをわかってもらいたいときは、基準値とセットで伝える。基準値には「平均値」、または常識として使われている「事実上の基準」を用いると効果的。
    ・テーマに即した個別具体の事象を羅列した後、パターンや法則を提示する。人は一見バラバラに見えるものを一括りにできると、安心したり得をした気分になったりすることを利用する。そのパターンを自分にも当てはめられそうだと感じても、得した気持ちになれる。

    ○相手に動いてもらうための説明
    ・何かを相手にお願いしたいときは、まず、お願いするテーマを伝え、具体的なお願い事(結論)を伝え、相手の判断材料としての現状の問題点を提示し、自分が到達したい状況を伝え、相手の意向を質問する。自分が思っている以上に丁寧にステップを踏んでいくことが重要。
    ・相手がうまく言語化できていなかったり、認識できていない潜在的な問題を指摘し、その根本原因を炙り出すことで、相手の問題解決したい欲求をとことん刺激できる。起きている減少(困りごと、問題)を指摘し、その原因を明かし、そのもととなる根本原因を暴き、その解決策を生み出したことを示し、その解決策によって変わる未来を示す。
    ・相手のメリットを最優先にアピールすると、説明内容に興味関心を持ってもらい、相手に自発的に動いてもらうことを促せる。自分の説明は相手にメリットをもたらすことを伝え、具体的なメリットを提示し、成功事例を紹介し、メリットを受け取る具体的ステップを伝える。
    ・交渉で最も重要なことは、相手を打ち負かすことではなく、互いの共通の利益を見出すこと。まず相手の立場を認識し、深く理解していることを示し、自分の要求や提案の根拠となる「事実」を示し、要求や提案を受け入れた際の「共通の利益」を先に伝え、最後に要求や提案を提示する。

    ○相手にできるようになってもらうときの説明
    ・勇気が出ず行動できないのは、独りだと心細いから。伝え手の「私には、あなたを支える意思がある」という気持ちが相手に伝わることが重要。行動を躊躇している相手の現状をまず認め、期待を伝え、期待の根拠を事実ベースで伝え、自分が相手の行動をサポートする意思があることを伝える。
    ・人は「好奇心」を抱いているときは脳内の知識構造が変化を起こしやすいといわれる。好奇心を刺激した状態で説明すると、相手を説得しやすくなる。コツは、少しもったいぶること。指示語を使いながら説明を展開していくと、相手のワクワク感を生み出し、自分の伝えたいことが相手に吸収されやすい。
    ・人は「自分に足りていないものがある」と認識したとき、それを埋めたくなる衝動に駆られる。アピールしたい情報の全体の枠組み(数)を伝え、現時点で相手に不足している情報が存在することを明かし、自分がその情報を埋められることを示唆し、その情報の概要を提示すると効果的。
    ・人は関連づけることが大好きな生き物。一見、関係がなさそうなものどうしの間にある関係性をアピールすることで、インパクトを与え、長期的な記憶につなげることができる。最初に関係性があることを宣言し、その物事や人物の間に潜む関係性を具体的に示す。

    ○聞いてもらうための説明
    ・人間という生き物が元来「新しいもの好き」という性質を利用する。本題にかかわるニュースを伝え、ニュースと本題が関わっていることを示し、伝えたい本題のテーマを提示する。ニュースは、本題のじゃまにならない程度に、コンパクトに伝える。
    ・ネガティブな側面が相手にバレることを見越し、あえてネガティブな側面を先に出し、その上で、ポジティブな側面を見せると、相手の関心を惹きつけることができる。そのギャップが大きいほど効果は高い。
    ・矛盾が出てくると、もやもやした不快感(認知的不協和)を解決したいという人の習性を利用できる。矛盾を感じさせるフレーズを伝え、解消する「事実」を伝える。
    ・人はできるだけ損失を回避したい心理状態を持つ傾向がある。相手にとって当たり前のことがリスクにつながることを自覚させる問いかけをし、リスクが降りかかる可能性があることを示唆し、リスクが発生するメカニズムを伝え、その回避方法や解決策を提示する。
    ・自分の主張の理由や根拠として、自分の進んでいる道が自分の利益でなく、国家や社会、世界のためであるという「大義」を語ることで、相手から納得感や共感を引き出し、味方や応援者になってもらう。仮想敵を示し、その具体的な悪さを伝え、それを倒すことを宣言する。
    ・感情的になっている人には、まずは感情を吐き出させることが大事。クレーム対応時は、自分が知りたいこと(現在の相手の状況)を最初に話すのではなく、相手が話したいことを促す言葉を出すことが重要。まずは軽く驚いてみせて、相手の感情や状況をあえて言葉にして肯定し、具体的な事実(状況)の確認を促す質問をする。

  • ■評価■
    ★★✬☆☆

    ■■概要・感想■■
    ○説明に用いるありとあらゆるパターンが載っている本。
    ○知識としてのフックポイントを得るにはいいが、使いこなすには具体例が少ない。(紙面の都合上仕方ない)その説明方法で上手い人を探してやるのは、別途必要だなと感じた。

  • クライアントに対する説明で使う手法を
    シーンごとに図解した本になります。

    実際には複数の手法を組み合わせて使うことに
    なるとは思うので、これだけで上手くいくとは
    思わない方が良いとは思います。

    自分はどちらかというと自分の普段の
    コミュニケーションの取り方に対するフィードバック
    の位置づけで読みました。

    【勉強になったこと】
    ・何事もまずは説明する相手のことを知ること。

    ・要約と抜粋
     要約:全体像を把握してもらうときに活用
     抜粋:部分的に把握してもらうときに活用

    ・質問をするときに相手から適切な回答を得るために
     抑えておきたい確認事項
     ①相手からどんな回答をもらえそうか?を意識する
      ためにも相手の状態を理解出来ているか?
     ②相手の回答シミュレーションを意識して、
      質問の構成を組み立てているか?

    ・利害が相反する場合は、結論ファーストにせず、
     感情面から説明を組み立てたほうが良い。

    ・自分が知りたいことだけを相手に求めたところで、
     良い回答が得られることは無い。

  • ★基本の3つの型だけ覚えよう

    相手へ説明するって難しいですよね。
    そんなお困り事に本書が役立ちます。
    大量の型・方法を記載していますがまずは以下の3つの型をマスターしましょう!

    ・CRF法:短く意見を伝える
     結論→理由→事実
    ・SDS法:「どうしても覚えておいてもらいたいこと」を記憶に残す
     概要→詳細→まとめ
    ・PREP法:CRF法とSDS法のいいとこ取り
     結論→理由→具体例→結論

  • まあそうだよねと事例を学ぶことと、またそれを活かすことの差異は大きいのではとふと。

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著者プロフィール

犬塚壮志
教育コンテンツプロデューサー/株式会社士教育代表取締役
福岡県久留米市生まれ。元駿台予備学校化学科講師。
大学在学中から受験指導に従事。業界最難関といわれている駿台予備学校の採用試験に当時最年少の25才で合格。駿台時代に開発したオリジナル講座は、開講初年度で申込当日に即日満員御礼、キャンセル待ちの大盛況に。その講座は3,000人以上を動員する超人気講座となり、季節講習会の化学受講者数は予備校業界で日本一となる(映像講義除く)。また、年間1,500時間以上の講義を行う中で、多種多様なバリエーションの説明パターンを身につける。

「2021年 『あてはめるだけで“すぐ”伝わる 説明組み立て図鑑』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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