脱炭素革命への挑戦 世界の潮流と日本の課題 [Kindle]

  • 山と溪谷社
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  • 「ビジネス界で、そして私たちの暮らしの中で、地殻変動のように起きている脱炭素に向けた動き」を詳細に解説した書。2021年9月刊行。

    気がつくと、気候変動問題が世の中を大きく動かすようになっていた。感度の鈍い日本社会も、さすがに「いまや脱炭素に取り組まないことには生き残れない雰囲気に」変わってきている。何しろ、気候変動問題・脱炭素に真剣に取り組む姿勢を示さないと、日本企業がグローバルビジネスから締め出され、日本国が責任を果たせない国として蔑まれてしまうリスクがどんどん高まっているのだから。

    大量生産・大量消費・利益の最大化という資本主義の根本の軌道修正が必要という著者の見解には大いに賛同したい。ただ、豊かさを謳歌し続けながら地球環境問題を解決していこうという「グリーン成長」や「グリーンリカバリー」、素晴らしい取り組みだとは思うものの、その効果には疑問も残る。そもそも、増え過ぎてしまった人間の営み自体が地球のキャパを越えてしまっているのでは、と感じるし、大量の太陽電池を作るにも、大量のセンサーやAIを活用してエネルギーの生産・消費を効率化するにも、かなりのエネルギーが必要なんじゃないかと思うのだが。

  • 幅広な領域の話を平易に纏めており、何が起きているか理解するには良本。

  • 筆者はNHKの報道番組のディレクター、プロデューサーとして気候変動やSDGsなどをテーマにした数多くの番組を手掛けてきた。それだけに、実際の取材活動から得た幅広い知見と、鋭い洞察には、強く引き付けられるものがある。世界の、そして様々な企業や産業界の脱炭素への取り組みが、読みやすい文章(ここが大切)で、わかりやすくレポートされている。そして随所に歯がゆい思いで語られる、大きく世界から後れを取った日本の意識と進まない取り組みの現状を、胸の痛みを覚えながらあらためて思い知らされることになる。

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著者プロフィール

1965年、福井県生まれ
早稲田大学卒業
1988年、NHK入局。
金沢放送局勤務のあと、1991年より、東京の報道局でディレクターとしてドキュメンタリー番組の制作に携わる。
主な作品に
NHKスペシャル「故郷いのちの日々」(1993年5月放送)など。

「1994年 『失われた思春期☆(祖国を追われた子どもたち)☆』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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