人間の条件 (ちくま学芸文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • 翻訳か原作のどちらが問題なのかは分かりませんが、とにかく理解し難い内容と文でした。
    初めから、内容が3割程しか理解できないまま100ページほど読み進めて、諦めました。
    じっくり時間があるときにまた手に取りたいと思います。

  • アーレント語とでもいうべき語の使い方に習熟できないとまったく理解できないのだろう。このトシになってまでまったく理解できない日本語の文章が存在するのだということはわかった。しかしこの本を「死ぬのが怖い」という中学生に勧めるなんてどういうつもりかこちらもまったく了解困難意味不明と思ったしそういうわけわかんない識者の意見をそのまま吟味もせず掲載するなんてまったく支持できない。朝日新聞。

  • 本書は現代の政治哲学にとって決定的に重要である。アレント以前の政治哲学は、共通善であれ正義であれ、何がしかの良き目的を実現する手段ないしプロセスが政治であるという前提のもと、その政治がいかにあるべきかを問うてきた。だが政治とはかかる目的に対する手段に尽きるものではない。そのような手段的価値を越えるそれ自体としての価値(=目的)が政治にはある。それは欲求を満たすための「労働」でも、有益性を追求する「仕事」でもない。快楽や便利さは人間が生きる目的ではない。人間を動物から分かつのは、意味を問う存在であるということだ。意味とはそれが「何(what)であるか」ではなく、お前が「誰(who)であるか」であり、言葉を通じて他者と関わり、その中で自己を表現し、称賛されることで始めて立ち現れてくるものだ。政治とは人間にとって最も本質的なこうした意味を問う「活動」であり、まさしく「人間の条件」である。だからこそアリストテレスは「人間は政治的動物である」と規定した。政治は私的利害の調整でも、合意のプロセスでもない。従来の政治哲学が論じてきたそうしたシェーマは、本来の政治にとって二義的なものに過ぎず、私的領域と公的領域を混同するものだ。自立した理性的個人を前提とする市民的リベラリズム、あるいはその焼き直しであるロールズの正義論は、こうした「人間の条件」としての「活動」を捨象する。本書はそのような「活動」の場としての公共空間の再生を企図する現代実践哲学の輝かしい出発点である。サンデルに代表されるコミュニタリアニズム、ハーバーマスの討議倫理、さらにはポストモダン的な闘技民主主義もこうしたアレントの思想から豊かな着想を得ている。

  • アーレントは「人間の寿命を100歳以上に伸ばしたい」といった欲望や人工衛星の発展など、人々の「人間の条件」から脱出したいという望みが垣間見える発言を例に挙げながら、本書の企ては単純なものであると述べます。

    すなわちそれは、改めて人間とは何か、「私たちは一体何をしているのか」といったことを理解する以上のことではありません。

    中央館3F、請求記号311、A68
    OPAC:https://opac.lib.niigata-u.ac.jp/opc/recordID/catalog.bib/BN00472730

  • アレントは人間の活動を大きく3つに分けた。労働、仕事、活動である。仕事とは、自分が死んでからも永遠にこの世界に残るものを作るという活動力のことで、作品を残す活動というのは基本的にこれにあたる。活動とは、言論にもとづくもので、自分が何者かを明らかにする活動力のことを言う。近代まで、公的領域を担っていたのは後者2つであり、労働とは私的領域の、いわば「しなければならない」という感覚に基づく隠されるべきものだった。ところが、産業の発達移行、労働が私的領域を超えて公的領域に入ってきた。これをアレントは悲観的に捉えている。
    落合陽一の「集合知に取り込まれるな」という発言は、ホワイトカラーの仕事が労働化する中で、自分にしかできない作品をつくれ、つまりアレントの言う「仕事」をしろというところから来ているのか?と思った。

  • アレントの主著のひとつ。科学技術が世界をかえはじめた50年代、人間を存在せしめる条件の再考の必要から出発。言葉ひとつひとつの意味をほりさげた精読が必要。書棚ではお隣さんに「存在と時間」をおいてみた。

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著者プロフィール

1906-75年。ドイツに生まれ、アメリカで活躍した哲学者・政治思想家。主な著書に、本書(1958年)のほか、『全体主義の起源』(1951年)、『革命について』(1963年)など。

「2023年 『人間の条件』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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