CQ: 3つの愛の物語 本物川小説大賞アンソロジー (本物川雑技団) [Kindle]

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  • 水瀬はるかな「CQ」★★★★
    君足巳足「壱百日詣とプロポーズ」★★
    大澤めぐみ「清潔なしろい骨」★★★

  • 作者の異なる短編を3つ収めた小品
    『CQ』水瀬はるかな 
    人間が突然人間以外の姿になることとなったが
    それはそうと社会は変わらず動いている中での
    ひとつの愛の物語を描いた作品
    設定の説明と登場人物の説明と心境の遷移を
    過剰でなく収めた良く出来た短編
    ひとつのお話を語るのに
    どれくらいのことばを連ねれば
    適当と言えるのだろうかと思わせるが
    長く語れば良いとは言えないと思わせるものは
    冗長なのだろうし
    短すぎてなんとも汲み取り難いと感じさせるものは
    不足しているのだろう
    読み取り手側に技量が求められるように思えるが
    それはどんな長さの作品であればこそ
    特にそうであるともいえず

    『壱百日詣とプロポーズ』君足巳足
    楽しかったり大事だったりすることは
    満足するまでしたいので
    夫と離婚してまた結婚したいと発想する主人公が
    再婚まで百日間百日詣をするお話
    沼袋とかもう10年以上行っていないので
    これを機会にまた行こうと思わせる力ある作品
    不思議要素は一切なく主人公視点だけで話が進むが
    巧みな運びで話全体に引っかからせる技量が光る
    主張の普通で無さでなく
    語り口でひとるのお話を拡げて閉じるのが
    短編小説のひとつの要諦であるなと感心させられる一品

    『清潔なしろい骨』大澤めぐみ
    わたしの身体や、わたしの意志の操縦が下手な主人公が
    ひとつの清潔な愛をみつけるお話
    そう表現されてみると清潔とはどういうことか
    汚いとはどういうそれか
    生理的嫌悪感と呼ばれるものとはどういうあれか
    本当の愛とかがあるなら本当とは何なのか
    離れたところから流れてみれば
    思い通りと思っている自分が他者からみて
    どれくらい思い通りであることか
    そういう投げかけを感じ取ることができるが
    短編小説としてはいささか肩透かしの感を受ける
    これは作品のことばや挿話が不足しているのか
    それとも受け取り手の読み解く能力や
    自身の中に照らし映す場所に欠けるからなのか

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