NFTの教科書 ビジネス・ブロックチェーン・法律・会計まで デジタルデータが資産になる未来 [Kindle]

  • 朝日新聞出版
3.43
  • (6)
  • (17)
  • (21)
  • (2)
  • (3)
本棚登録 : 244
感想 : 29
本ページはアフィリエイトプログラムによる収益を得ています
  • Amazon.co.jp ・電子書籍 (381ページ)

感想・レビュー・書評

並び替え
表示形式
表示件数
絞り込み
  • 最近耳にするようになった「NFT」ですが、それが何なのかいまいち分からず、本書を読んでみました。
    本書はオムニバス形式で、様々な専門家が自身の専門分野からのNFTを語っており、勉強になります。
    ただ、そういう形式なので、一本筋の通った「教科書」というより、自分の気になるテーマからつまんで読める「ガイドブック」的な本です。
    共同編集代表の増田氏は、ブロックチェーンが大きな話題になる2017年以前から関わっており、ブロックチェーンやNFTの日本における第一人者といってよい方でしょう。
    ページ数300以上の密度の濃い本ですが、NFTについて包括的に勉強できる一冊です。

  • NFT解説本であるが、まさに教科書。これを単なるバズワードと思ってはいけない。本質を見極める必要がある。
    専門家が、分野ごとにそれぞれ解説するという方式をとっているが、本当はその分野ごとだけでも突っ込んで知りたくなる内容だ。
    まずは教科書として網羅的に理解できる構成を選んだのだろう。
    「NFTはただのブームなのか?」
    本当にこのように思っている人が多いかもしれない。
    しかしながら、その誕生してきた歴史、背景を考えてみると、文脈的に考えてNFTはこのまま定番化していくのだろうと思ってしまう。
    それは投機的にお金儲けとして利用されるというよりは、より普通に、本来の目的である「誰の所有物かを証明する」ために利用されていくような気がしているのだ。
    もちろんもっと技術が発展して、NFTよりも手軽にその同じ目的を達成できるものが出てくるかもしれない。
    デジタル上でコピーが容易な世界の中で、「唯一」を証明できる他の簡単な手段が出てくれば、NFTが置き換わる可能性は充分にある。
    しかしながら歴史の文脈を考えると、「置き換えるための全く新しいもの」を生み出すよりは、「NFTの欠点を、新NFTで更新していく」という方向性になるのではないだろうか。
    元々NFTはブロックチェーン技術の上に成り立っているものだし、世界は確実に中央集権よりも分散化に動いている。
    この「分散化」というのが、私自身本当にどうなっていくのか、頭で理解しても身体がついていけてない部分だ。
    国とか巨大企業とかが消滅してゼロになることは、私が生きている限りはないだろうと思う。
    しかしながら今よりも、中央集権のシステムが機能不全に陥りやすくなるのは間違いない。
    分散化によって、中央集権に頼らずに、それぞれがプロジェクト単位で集まって課題を解決することができるようになる。
    そしてその状態を繰り返すことで、効率的に社会全体を維持するようになるだろう。
    ある意味で「お金」というものも、分散化された世界の中で別の形で流通させればいいとなると、円やドルの意味すら無くなってしまう。
    益々我々は、オンライン上つまりメタバース上で普通に生活するようになる。
    そのバーチャル世界は国家の枠組みからは大きく外れるし、リアルなお金よりバーチャル貨幣でのやり取りの方が便利なのは言うまでもない。
    当然その世界では、物事の取引を行う経済活動、契約活動が頻繁となる。
    これらをスムーズに動かすために、NFTという技術はごくごく普通に利用されていくこととなる。
    こういう世界が普通になると、国家やお金などの中央集権システムを維持し続けることは可能なのだろうかと感じてしまう。
    現実的にリアル世界は存在しつづける訳で、道路や水道電気ガスなどのインフラなども維持更新が必要である。
    これを「分散化してそれぞれで協力してプロジェクト単位で維持しよう」ということも可能なのかもしれないが、何となくそこがピンと来ない。
    映画を作るとか、趣味の人が集まれ的なものはよいが、長期間に渡って計画的に安定して運用していく必要があるものに、分散化は果たして適しているのだろうか?
    一方で「それでは中央集権は適していたのか?」という疑問も出てきてしまう。
    今のこの少子高齢化人口減少社会の中で、実際に道路水道電気ガスの維持管理は大きな問題になっている。
    中央集権が、長期計画を見据えてコントロールしていたら、ここまで大きな問題にならなかったはずなのだ。
    これこそ中央集権の機能不全と言える事例ではないだろうか。
    それではどういう形にしていけば一番よいのか?
    まだまだ様々な課題は残っている。
    この課題を解決するための仕組みや技術はこれからも生み出されていくのだろう。
    そうして社会の変化は凄まじいスピードで進んでいく訳であるが、やっぱり勉強をしてついていくしかない。
    私は恐らく「生み出す側」ではなく「利用する側」となるのだろうが、それらの新しい世界に上手に適応するためにも、自身のアップデートが重要なのである。
    NFTも文脈を正しく理解していきたいと思う。
    (2023/2/19)

  • NFTの教科書というよりは各企業の試み+法整備に向けてって印象を受けました。
    NFTが魅力的なテクノロジー、インフラになり得るポテンシャルを秘めているというのはよく分かりましたがまだ日本で広めるためには規約やセキュリティ面について配慮する必要があるという域から出られていないというのは少し残念に感じました。今後に期待です。

  • NFTってワードが流行ってるので手にとってみました。

    ニュースとかでやってるデジタルな様々なものにブロックチェーンとかの技術を組み合わせて価値を作るヤツでした。

    本書の中では、その簡単な仕組みとか、それがどんなものが取引されてるのかとか、どこで取引ができるのとかが書かれています。(ほんの最初の方)

    その辺りには興味もないので、今日のところは冒頭のNTFとはの部分だけで必要な情報は得られたので読み終わったという扱いにしておきます。

  • 教科書という割には、内容の物足りなさを感じました。NFTに関する雑誌のような本です。けどNFTの世界を知るという意味では、読む価値アリです。

  • NFTについて、その分野で活躍する人たちが解説した本。ゲームについて、ファッションについて、法的整理や将来性など、カテゴリー別にそれぞれの担当者が述べているわけだが、ビジネスの狭い範囲の内容が多く、関連性を整理していないので、体系的に頭に入ってこない。それぞれの人が、自分の視点で自分のビジネスの体験を述べているだけなので、成長性も図れない。問題点がいろいろとあることは理解できた。教科書と銘打っているので、もうすこし学術的な内容を期待していたが、期待外れ。

    「(定義)NFTとは、「世界にひとつだけのデジタル資産」と、あえてわかりやすく意訳しておきます」p14
    「(定義)NFTも暗号資産もブロックチェーンという共通の技術が使われているのですが、NFTは暗号資産とは違い、ブロックチェーンの中にいわば個別の識別サイン「唯一無二の固有データ」が記録されています。それによってひとつひとつのデジタル資産はそれぞれが固有のもの、入れ替え不可能なものになっています」p15
    「NFTがプラットフォームやアプリケーションをまたいで移動できるとしてもデータファイルや個々の開発仕様は一般的に異なります。そのためたとえばあるプラットフォームで購入したアバターを、他のプラットフォームやアプリケーションに持ち込んだとしても、挙動が変わる、そもそも使用できない、といったことが起こりえます」p71
    「NFTの画像データそのものについてはブロックチェーン上にデータが存在しません。そのため、NFTの画像データが管理されているサードパーティのストレージサービスが何らかの影響によって利用できなくなった場合、NFTの画像データを利用することができません。よって、例えば、アートやトレーディングカードゲームなど、ユーザーにある一定の視認性が求められるNFTコンテンツを取り扱っている何らかのNFTサービスがあった場合、そのNFTの画像データをサードパーティのストレージサービスから取得できないので、NFTを購入して利用したいユーザーにとってはかなりの影響が出てしまったり、または、NFTの価値そのものが下落する可能性が出てきてしまいます」p167
    「デジタルアートを含むデータは、法的な意味での所有権の対象とはなりません。これは、民法が所有権の対象となり得るのは「有体物」のみ、つまり、姿かたちがあるもののみと定めていて、無体物であるデータは所有権の対象とならないためです(占有物を奪われても所有権に基づく返還請求権を行使できない)」p189
    「ひとつのアート作品について複数のNFTを発行することの物理的な制約はありません(違うプラットフォームのNFTが複数設定される可能性がある)」p194
    「(NFTの定義)鑑定書と所有証明書が付いたデジタル資産」p285

  • 業界の専門家ごとに業界ごとの事例から説明しており、NFTの現状についての具体例が大変具体的になっていてわかりやすい。
    一方で専門家ごとに文章力の差が大きく、内容が理解しにくい文章があるのがマイナスポイント。

  • 名前の通り、まさに教科書。
    NFTのテクノロジー、会計、法律、さまざまな観点から専門家がガチで論じている。会計・法律に関しては前提知識がないのでまったく理解できなかった。
    これからNFTを語る上である程度の期間はリファレンスされる資料になるのではないかと思う。
    図書館で借りたが、手元においておきたい本。

    読書時間:20分(ざっと読み)

  • ・NFTサービス設計時には、まだ日本ではグレーな規制面の綿密な確認が必要

    ・NFTは、アニメを筆頭に多様なIPコンテンツを有している日本と相性が良い。消費者側(ファン)、提供者側、クリエイターが現状抱えている不条理や、本当はこうしたかったという潜在的なニーズを捉えることでNFT×IPコンテンツの市場を切り開くことができる。

    ・NFTは、ただ保有するだけだとあまり意味がない。だからGemiFiなど実用性や経済性がある分野でとりあえずは発展していきそう。サービス提供者側は、そういった実用性、経済性、などNFT保有の先にある"価値"の設計を合理的に行っていくべき。その一つの解が保有者限定のコミュニティ×インセンティブ、もしくはゲーム内で使えることなど。

  • 昨今様々な形で取り上げられるNFTであるが、まだまだこれからだということがよくわかった。

全29件中 1 - 10件を表示

著者プロフィール

大学卒業後、商社を経て2007年株式会社リクルート入社。新規事業開発を経験後、2018年コインチェック株式会社入社。主に新規事業開発や暗号資産の上場関連業務、業界団体などとの渉外を担当する部門の責任者を務め国内暗号資産取扱数No.1を牽引。2020年5月より執行役員に就任。現在はNFTやIEOなど新規事業の開発や暗号資産の上場関連業務などを行う新規事業開発部門に加え、顧客対応部門を担当。2021年2月コインチェックテクノロジーズ株式会社の代表取締役に就任。日本暗号資産ビジネス協会(JCBA)NFT部会長。

「2021年 『NFTの教科書』 で使われていた紹介文から引用しています。」

天羽健介の作品

  • 話題の本に出会えて、蔵書管理を手軽にできる!ブクログのアプリ AppStoreからダウンロード GooglePlayで手に入れよう
ツイートする
×