だから僕たちは、組織を変えていける ――やる気に満ちた「やさしいチーム」のつくりかた【ビジネス書グランプリ2023「マネジメント部門賞」受賞!】 [Kindle]

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  • クロスメディア・パブリッシング(インプレス)
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感想・レビュー・書評

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  • 久々?のヒット本だった。
    最初はふむふむと読んでいたけれど、今自分が抱えている問題とかもヒットして、集中して読めた。
    しかし、一回で理解するのは難しい。これは、繰り返し読み本。
    ワークブックもあるので、それを活用しつつかなぁと。
    電子書籍セールのときに買ったので、何箇所も線を引いて、学びになることが多くあった。

    図なども活用されて、各章がまとめられており、理解もしやすい。
    理解しやすいがそれを実行するとなるとなかなか大変そう。
    本当にこうして読んでいると
    僕たちは組織を変えていけると思わせてくれる作品でした。
    今の時代に沿った考え方で、気持ちいい読書体験でした。

  • まさに管理的なマネジメントでうまく行っていない中、たくさんのヒントを与えてくれる本だった。心理的安全性など叫ばれて久しいが、それ以外も体系的にまとめられて読みやすかった。

  • いろいろ役立つ内容と感じたが、個人的に一番大事なのは、ダイアログ(対話)でものごとを進めることかなと思った。

    論戦であったり、提案のような
    「人に向かって言葉をぶつけるコミュニケーション」ではなく、
    どこかに向かうために、なんらか達成するために「同じところを見ながら/思いながら、それぞれの想いを語らうコミュニケーション」を心がければ、本の提唱するその他の内容も、自然とくっついてくるような気がした。

  • やる気に満ちた『やさしいチーム』の作り方のメソッド本。今まで読んだビジネス本では一番読み応えがあり、何回か読み直したい本の一つです。
    関係の質を高める事が大事。そのためには心理的な安全性の確保が必要と言う点が共感出来る。

  • 1章
    無理は破綻を招く。
    人がつながり、持続可能な価値を生む
    テキストメッセージでは届かない、非言語情報がいかに大切かを改めて認識した人も多いはずだ
    選択肢を広げ、学び続ける、ライフもワークも楽しむ生き方
    自律的に動く能力のある社員ほど自律的に動ける組織を臨んでいる。
    20世紀の成長エンジンが21世紀の衰退エンジンに
    工業社会の覇者として君臨していた大規模な組織にとって、これは天変地異のごとき衝撃をもたらすだろう
    工業社会の古いパラダイムをひきずる企業には、厳しい未来が待ち受けているだろう

    デジタルシフト:顧客の幸せを探求し、常に新しい価値を生み出す「学習する組織」
    ソーシャルシフト:社会の幸せを探求し、持続可能な繁栄をわかちあう「共感する組織」
    ライフシフト:社員の幸せを探求し、多様な人が自走して協働する「自走する組織」

    21世紀への提言
    (1)志を改める (2)能力を解き放つ (3)再生を促す (4)権限を分散させる (5)調和を追求する (6)発想を変える

    2章
    目指したい3つの組織
    学習する組織、共感する組織、自走する組織

    学習する組織
    計画よりも環境変化に力点をおいた経営
    計画は絶え間ない環境変化を知覚する、学習のためのアンテナ
    「結果よりも、学習を優先する価値観」

    サーバントリーダーシップ

    警戒する組織
    意識が社内に向く、上司の気持ち、社内の評価、リスクゼロ
    共感する組織
    「過剰な警戒心」や「リスクゼロを求める思考」が、実は大きな危機や組織の閉塞感を生み出していることを自覚することが原点

    自走する組織
    社員が自ら考え、協働し、成果を生む組織
    中央統制していた組織が管理や統制を弱めると、「自由放任の組織」になってしまう。自由な組織が自走するためには、上司の指示に変わる「自走する仕組み」が必要
    自走の鍵となるのは「自律と対話」
    自走する組織は難易度も格段に高いテーマ
    メンバー全員が動き出すことが必要
    自走を妨げている原因は人によって多様であり、一筋縄ではいかない

    3つの組織を実現するためのエッセンス
    関係の質、思考の質、行動の質

    3章
    「議論」と「対話」
    ダイアローグの目的は、その背景にある「意味」を共有するところにある
    ダイアローグを通じて双方の意見の背景をわかりあうあうことが重要

    プロジェクト・アリストテレス (グーグルによるプロジェクト)
    心理的安全性がチームの生産性を高める
    ・均等な発言機会
    ・社会的感受性の高さ:他社の感情を、顔色から読み取る能力。相手の表情や言動をみて、想いを読み取ることができる

    5つのチーム成功因子
    ・心理的安全性 ・相互信頼 ・構造と明確さ ・仕事の意味 ・インパクト

    心理的安全性を阻害する4つの不安
    ・無知な人物と評価されることへの不安
    ・無能な人物と評価されることへの不安
    ・否定的な人物と評価されることへの不安
    ・邪魔な人物と評価されることへの不安

    ざっくばらんに多様な意見を出し合い、メンバー全員で価値を生み出せるのが「本音で共創する場」

    心理的安全性を生み出すプロセス
    共感デザイン (ホールネス、他者の尊重、相互の理解)
    価値デザイン (パーパスの共有、第三案の共創、安心感の醸成)

    心理的安全性を壊す4つの思考
    ・完璧主義 ・コントロール欲求 ・過度の所属欲求 ・犯人探しの本能

    心理的安全性のためにリーダーができること
    ・直接話しのできる、親しみやすい人になる
    ・現在持っている知識の限界を認める
    ・自分もよく間違うことを積極的に示す
    ・参加を促す
    ・失敗は学習する機会であることを強調する
    ・具体的な言葉を使う
    ・境界(規範)を設け、その意味を伝える

    心理的安全性の落とし穴
    ・空気読みすぎ体質 ~気配りこそ命という誤解
    ・決められない組織 ~全員一致すべきという誤解
    ・話しあい万能主義 ~話しあえば解決するという誤解

    4章
    メンバーの「しなくちゃ」を「したい」に変える
    リーダーとは「意味」と「希望」を伝える人
    価値観の共有 (Kao Wayを各人の意味にどのように落とし込んでもらうか)
    自分にとっての仕事の意味を考える (ジョブ、キャリア、コーリング)

    顧客第一主義を、社員の滅私奉公で実現する。この精神が、過労、サービス残業、有給休暇の未消化、パワハラにつながる。
    強みを活かせる仕事こそ、自分にとって意味がある

    意味の共有の落とし穴
    意味の押し売り:伝えて腹落ちさせ、自分自身の価値観と統合することで、はじめてメンバーの行動変容につながる
    ボトムアップ願望:個人の思いをボトムアップすれば組織の理念になるという考えは、そもそも不自然
    自社らしさを話しあい、言語化し、共有する
    自分探し症候群:自分を探せば、答えも理想郷もきっとある。今の自分を否定せず、そこを起点として、現実に意味づけする

    5章
    お金は人の心を動かせるのか?
    一時的に我慢する力を高めるだけ、報酬なしでは努力しなくなってしまう、麻薬のように恐ろしい負の影響がある
    お金だけでなく賞罰などで外部からの行動を強いるような動機づけはいくつもの問題がある
    モチベーション1.0:空腹を満たす、子孫を残す、生命維持に必要な行動
    モチベーション2.0:給料、出世、叱られたくない、報酬と処罰による動機づけ
    モチベーション3.0:仕事が楽しい、もっと成長したい、人の役に立ちたい、自らの内面から、自発的な動機

    外発的動機づけよりも内発的動機づけの方が、個人の行動へのコミットメントや持続性を高める

    内発的動機づけの根源、黄金のスリーカード(やる気のスリーカード)
    ・自律性:自らの行動を、自分自身で選択したい
    ・有能感:おかれた環境と効果的に関わり、有能でありたいという心理的欲求
    ・関係性:人を思いやり、思いやりを受けたいと願う心理的欲求

    メンバーの自律性を阻む組織の罠(成長を阻む組織の4原則)
    ・仕事の専門化 ・命令の系統 ・指揮の統一 ・管理の範囲

    リーダーが陥る責任感の罠
    リーダーは組織に貢献しようという思いで、よかれと思って管理的な行動を強めている。
    メンバーの自律性を殺し、受身の姿勢を生み出す。

    ⇒学習する組織への移行
    目標:自発的に目標を立て、共有する。ギャップは学習の機会と捉える
    計画:自発的に計画を立て、共有する。走りながら、計画を最適化する
    役割:役割を決め、進捗を共有する。問題が起きたら、全員で助け合う

    有能感
    コンフォートゾーンからラーニングゾーンへ
    適度な外部刺激により、適切な不安を感じること。有能感を味わいながら、能力を最大限に発揮する。

    人間関係
    交換関係から共有関係へ
    与えよ、さらば与えられん

    傾聴から新しい信頼関係を始める
    傾聴する
    ゴードンメソッド

    自分の表情には特に気をつける

    動機づけの落とし穴
    ・褒めることが大切という誤解
    褒めるかわりに対等な関係を前提とした感謝、経緯、勇気づけの言葉を伝える
    褒めると伸びるがやる気は続かない
    ・私は孤立しているという誤解
    内発的同期づけは難しい、一気にすべては変わらない。壁を作らず、一人ずつ対話する
    ・あの人は自ら動かないという誤解
    指示待ちパターン
    能力や知識の不足、仕事観の違い、エンゲージメントの喪失、リーダー側の抱え込み

    成人発達理論
    脳の機能は鍛えれば高まる
    「環境順応型知性」忠実なプレーヤー
    「自己主導型知性」自立するリーダー
    「自己変容型知性」学習するリーダー

    従業員エンゲージメントは、生産性と強い相関関係がある
    (Gallup [The Power of Gallup's Q12 Employee Engagement Survery]
    給与や福利厚生の充実などに、業績との強い関連性は見られなかった

    「組織の統制力」ではなく「組織とのエンゲージメント」

    6章
    影響の輪を広げる

    まず、あなたが1歩踏み出そう
    自らの内面を変えること
    もし相手の立場だったら、あなたの声は相手の心に届くだろうか。
    自分の内面を見つめて、自らの意志で、自らの行動を変えていこう。

    自分のことを正しく認識しよう
    リーダーが伸ばすべき最大の能力:「自己認識力」
    それなしではリーダーとしての成長が見込めない

    「自己認識力」
    自分の感情、長所、短所、欲求、衝動、などを深く理解する能力

    自己認識:内面的と外面的がある
    内面的自己認識:自分の価値観や情熱、感情、長所や短所、他者への影響力などに関する認識
    外面的自己認識:他者が自分をどのように見ているかに関する認識

    愛ある批評家の声を聴き、自己認識力を高める

    自分の限られた時間や心理的エネルギーを「影響の輪」に集中させる

    信念を持ち、関係・思考・行動と変革を進める
    よくばって関係と結果を同時に高めようとしないこと

    反対者にも情熱を伝え、真楽を得る努力をする

    困難は学習のチャンス、常にチームの希望でいよう

  • 時代が移り変わる中、組織はどうあるべきなのか。
    僕たちは、組織をどう動かしていくべきなのか。
    そもそも、自分自身の仕事に対するモチベーションも上がったり下がったりする中、どうマネジメントしていくべきなのか。
    どんなリーダが、自分の組織に必要なのか。
    そのヒントを教えてくれる。

    組織について考える時に、ぜひ、手に取ってもらいたい1冊。
    考えるべき前提の知識を教えてくれる。

  • 自分が色んな本で知ったことがまとまって一つの流れとして提示されていて、実践に移すイメージが湧いてきた。一つずつ試してみて、またこの本を読んでみてというふうに使ってみたらいいかもしれない。また手に取る本

  • すべてのものにはクラック(ヒビ)があり、そこから光が差し込む。
    There is a crack in everything and that's how the light gets in.
    (引用)だから僕たちは、組織を変えていける、著者:斉藤徹、発行:株式会社クロスメディア・パブリッシング、2021年

    長年、自分が働いて思っていることは、「チーム」の重要性である。特に、自分が管理職になるにつれ、「チーム」としての成果が求められるようになってきた。

    なぜなら、私は、「チーム」の中に大谷翔平選手のようなスター選手がいても、他の球団に移籍(人事異動)してしまったことを経験している。その際、残されたメンバーで、今までどおりの水準を維持し、さらなる向上を目指していくために、何が必要だろうと考えたことがあるからだ。

    私が考える良い「チーム」とは、
    部下たちが自由闊達な意見を言ってくれること、
    「チーム」内でメンバーが協力しあい、成果をあげていけること、
    その「チーム」を率いていくリーダーは、トップダウン型ではなく、サーバントリーダーシップ型であることだと感じていた。

    では、今までの経験から、良い「チーム」の条件は、これで良いのだろうか。また、より良い「チーム」を築き上げていくために、何が足りないのだろうと思い、斉藤徹氏による「だから僕たちは、組織を変えていける」を拝読させていただくことにした。

    本を読み終えた感想としては、
    著者の斎藤氏は、自分と嗜好が似ているなということ、
    また斎藤氏は、とても親切な人だなということである。

    まず、自分と嗜好が似ているということは、指揮者を置かないオルフェス管弦楽団からはじまり、サイモン・シネックの「WHYから始めよ!」、ガンジー、「7つの習慣」のスティーブン・コヴィー、さらには野中郁次郎のSECI(セキ)モデルに至るまで、幅広いビジネス書を読み、クラシック音楽に親しんでいることがわかる。これは、今までの自分の嗜好と合っていた。そして、斎藤氏はこれらの豊富な知見を、組織論のエビデンスとして用い、読者にわかりやすく解説してくれていた。
    また、著者の斎藤氏が親切であるというのは、本書の巻末にQRコードが掲載されており、本書の章ごとのサマリーやイラスト・図などがダウンロードできることである。本書を振り返り、もう一度読み直すとき、サマリーなどは役に立った。

    本書では、グーグルが発見した5つのチーム成功因子が紹介されている。その中で、「心理的安全性」というキーワードが登場した。この「心理的安全性」というタイトルの書籍も数多く存在している。良いチームを築き上げるには、メンバーが「心理的安全性」の上に置かれた状態にいることが重要であると再認識した。
    そして本書には、このメンバーの「心理的安全性」の確保を前提として、リーダーはどうあるべきか、組織のモチベーションをどのようにあげていくのか、更には組織をどのように良い方向に持っていくべきなのかが書かれている。

    そのためには、人と支えあいたいという関係性、自分自身の行動は自分で選択したいという自律性、そして最適な課題に挑戦し、達成感を味わいたいという有能感。これら3つの心理的欲求を同時に満たしていくことがメンバーの「意味のある人生」につながることを意識しなければならない。
    そして、自分は1990年代にギャラップ社が実施した組織の生産性を測る「12の質問(本書245)」がとても役に立った。私は、自身の組織構築のため、この12の質問をメンバーの気持ちになり、そして投げかけ、組織を変えていきたいと感じた。

    本ブログの冒頭の言葉は、カナダのシンガソングライター・レナード・コーエンの名曲「Anthem」の一節である。その言葉を新型コロナ対策で一躍有名になった台湾のデジタル担当大臣オードリー・タンは大切にしていて、本書でも最初と締め括りに紹介されている。

    もし、自分がなにかの正義に焦り、怒っているのなら、それを建設的なエネルギーに変えてみる。こんなおかしいことが、二度と起きないためにできることはなんだろうと自問自答を続ける。そうすれば、新しい未来の原型をつくる道にとどまることができる。自分たちが見つけたクラックに他の人達が参加し、そこから光が差し込む。

    一見、理不尽と思える出来事にも意味がある。その出来事に、意味を置き換え、前向きに、そして建設的に取り組んで行けば未来が開ける。閉塞感に愚痴をこぼすのではなく、自分たちが組織を変えていき、社会を変えていく。本書を読み、私は、オードリ・タンが大切にしている言葉を噛み締めながら、組織を、そして社会を変えていこうと思うに至った。

    本書は、自分が自身の仕事を通じて感じていた良いチームの考えについて、エビデンスを持って説明してくれた。今までの自分のメンバーに対する態度を振り返り、組織を見直す良い機会にもなった。

  • これからの組織のあり方、その実現の仕方について、わかりやすく(イラストも多く)説く。色々な文献が登場するが、流れ的にはティール組織をより精密に、より現代的にアレンジした感じ。また、Webでは要約や、本書で使われているイラストなどがダウンロードできるようになっていて、著者は本当に、日本の組織を変えていかなければダメで、そのために著作権を開放してでも、読者一人ひとりがその推進役になることを望んでいるのだと思った。人事、上司ばかりでなく、昭和な働き方の企業の社員にオススメ。

  • 非常に良い本。工業化社会から知識社会に適応する組織の在り方・変革の仕方を易しく体系的にまとめた本。15年ぶりに日本企業へ転職してみたら、まさにそこは工業化社会の会社そのものだった???やりたいことは新しいことをやりたいのにシステムは古いまま。これじゃ~変われないよ。と不平をいうのではなく。。。。改めてそこに一石を投じてみようと勇気をもらえた本。来年、すこしの勇気を持って頑張っていこう!

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著者プロフィール

さいとう・とおる
1958年生まれ。1982年西武百貨店入社。
流通産業研究所、パルコを経て
1997年大手広告会社入社。
現在、研究部門で生活者・トレンド研究、消費・流通などの
分析を行っている。
著書『吉祥寺が『いま一番住みたい街』になった理由』、
編著書『超高齢社会マーケティング』ほか。

「2017年 『ショッピングモールの社会史』 で使われていた紹介文から引用しています。」

斉藤徹の作品

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