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感想・レビュー・書評
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ふーんなるほどね
割と弊社は既に言い方気をつけてました
改めて言葉の重要性をおさらいする意味では◎詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
顧客とのコミュニケーションの重要性と、その方法を学べる本です。
顧客第一で考え、行動しているのに、それを相手にわかってもらえない、信頼が得られないという方も多いのではないでしょうか。
そんな時、実は、言葉の使い方、選び方が正しくないだけという場合もよくあるようです。
言葉づかいをちょっと改めるだけでも、コミュニケーションが劇的にスムーズにいくことがあることを教えてくれています。
ビジネスだけでなく、通常の会話でも使えるものも多いという印象ですので、多くの方にとって、新たな気付きが得られる1冊ではないでしょうか。
【特に覚えておきたいと感じた内容の覚え書き】
「良いコミュニケーションは、会話を促し、相手から情報を引き出す助けになる。必要なのは『話を聞く』姿勢。ほとんどは、人の話を聞くより、自分が話すことのほうに慣れている。会話をスムーズにするには、相手の話を遮ることなく、心から聞く姿勢が大切。『答えはお客様が持っている』ことを念頭に置く。」
「長年のつきあいで信頼関係があるお客様と、曖昧な言葉でやりとりすることがよくあるが、重要なときに言葉が伝わらず仕事が滞ると、すれ違いが起こって関係が悪化することもある。5W1Hの『いつ』『どこで』『何を』などを使い、きちんと確認するとよい。お互い自分軸で考えると、言葉が通じなくなる。」
「できること/できないことを明確にして、代替案を出す。何でも引き受けてしまうと、仕事が回らなくなる可能性が高い。『今日はムリだが、明日なら取りかかれる』といった代替案を出すのがベスト。」
→相手の話をよく聞く、5W1H(6W2Hでもよいかもしれません)を使って確認する、Yes/Noだけでなく、代案(第3の案)を出す。どんな場面でも使える、意識しておくとよいことだと特に思うものです。
【もう少し詳しい内容の覚え書き】
・発する言葉は、非常に大きな力を持つ。ほんの少しの違いで、人が動いたり、動かなかったり、勇気づけたり、傷つけたりもする。言葉の使い方次第で人生が決まることもある。
○好印象を残す
・何度も訪問する相手には、通常のあいさつに「ひと言」付け加える工夫をしたい。続けるだけで、少しずつだが、印象を大きく変えることができる。
・「○○さん」と相手の名前を呼ぶだけで、相手は気分が良くなるし、覚えていてくれたことが好印象につながる。顔と名前を覚える習慣は身につけたい。
・去り際には、「会えて嬉しかったです」という旨の声をかけることを繰り返していくと、確実に印象に残り、仕事がやりやすくなる。
○距離を近づける
・相手の言ったことに興味を持ち、共感する言葉を返すと、お互いに会話が弾む。相手の会話にそのまま乗っかるイメージ。自分の意見や考え方と違っていても受け入れてみる。
○会話を促す
・良いコミュニケーションは、会話を促し、相手から情報を引き出す助けになる。必要なのは「話を聞く」姿勢。ほとんどは、人の話を聞くより、自分が話すことのほうに慣れている。会話をスムーズにするには、相手の話を遮ることなく、心から聞く姿勢が大切。「答えはお客様が持っている」ことを念頭に置く。
○マル秘情報を聞き出す
・「はい」「いいえ」で答えられないオープンクエスチョンは、商談の導入部で話を広げたい時、商談内容の詳細を知りたい時、内容を深堀りしたいときに使用する。5W1Hと組み合わせると、内容を具体的にすることができる。
・「はい」「いいえ」で答えられるクローズド・クエスチョンは、「買うか」「買わないか」を迫るクロージングの場面で活用できる。マル秘情報を聞き出す時も、「はい」か「いいえ」の質問をすると、答えがなくても表情に表れ、概略がわかったりする。
○信頼関係がある場合
・長年のつきあいで信頼関係があるお客様と、曖昧な言葉でやりとりすることがよくあるが、重要なときに言葉が伝わらず仕事が滞ると、すれ違いが起こって関係が悪化することもある。5W1Hの「いつ」「どこで」「何を」などを使い、きちんと確認するとよい。お互い自分軸で考えると、言葉が通じなくなる。
○先手を打つ
・日本人には「空気を読む」習慣があり、物事をあいまいにしても、受け取り側がその場の空気を感じ取り、最適な判断をすることが常に行われる。慣れ親しんだ間柄以外の、ビジネスの場では「言った」「言わない」が許されず不向き。対面以外では特にその傾向が強い。自分から伝える意識を持つべき。
・納期なら相手の要望に合わせず間に合う日を言う、「○日の○時まで」と決めるクセをつける。第三者の名前を出し、他人を巻き込むと、反応してもらいやすくなる。
○商談を進める
・顧客の要望に沿って進めるのも大事だが、深くヒアリングをしていくと、実は別の商品のほうが合っていることもある。話の持っていき方次第で、結果は大きく変わる。
・3つの比較対象を用意していると、たいていは3つの中から選んでもらえる。1つだけだと、「はい」「いいえ」の2択になってしまう。
・オンラインで商談したい時、相手が難色を示したら、「こんなご時世ですので」と時代のせいにしてしまえば、相手も受け入れざるを得ない。実際にしてみると「思ったよりも簡単だった」という人も多い。
○交渉・折衝の最終局面で成約する
・交渉を有利に進める方法として、①(相手が迷っていたら)感情に訴える、②(相手の不安が見えたら)根拠を示す、③(理不尽な要求などに対し)強気に出る、④(相手が条件を出したら)譲歩する代わりに条件を出す、⑤(折り合わなかったら)中間点を取る、の5つのスキルがある。
・効果を上げる言葉と下げる言葉があるので、言葉づかいにも注意する。
○会議やプレゼンを進める
・冒頭で「本日のゴール(目標)は○○です」と目的を共有し、短時間で成果が出るよう工夫する。ゴールを決めることを目標として、話が脱線しないよう意識させ、ゴールから逆算して時間をコントロールしていく。
・相手に重要なポイントを意識してもらうためには、伝えた内容を「繰り返す」しかない。繰り返し方も工夫し、「大切なのでもう一度お伝えします!」と前置きする。
○次の商談につなげる
・次も打ち合わせの予定があるなら、今決めてしまったほうが得策。後回しにすると、相手の熱が冷めることも多く、次につながらないということも出てくる。タイミングを逃さない。
○不快にさせずに断る
・相手の話が長いときは、相手ではなく、「次の予定がありますので、そろそろ」と、次の理由があるという事実をそのまま伝え、理由にする。
・できること/できないことを明確にして、代替案を出す。何でも引き受けてしまうと、仕事が回らなくなる可能性が高い。「今日はムリだが、明日なら取りかかれる」といった代替案を出すのがベスト。
○クロージング・契約
・「ぜひ一緒にやりましょう!」など、少し調子のいい言葉のほうが、自然な流れを壊さずに済む。クロージングは、買ってもらおうとする作業ではなく、相手の背中を押す作業だと覚えておく。
・「契約してください」より「契約書にサインをしてください」など、行動をはっきり示してあげると、余計なことを考える時間を与えないで済む。
○関係を続ける
・売って終わりでは、次のタイミングを他者に切り替えられてしまう。その後の感想を聞くなど、接点を持ち続ける。会う用件がはっきりしていないと、前向きに対応してもらえないが、元々関係があるので、「より良い製品にしたい」という旨を伝えるなど、きちんと用件を伝えれば、断られることは少ないはず。
○クレーム対応
・クレームへの対応が悪いと、一気に信用を失う。日頃から良い対応をしていても、たった1回のまずい反応が目立つ。逆に、対応が良いと、信用が高まる。クレームのときは、お客様と話す機会が増えるので、距離が近くなる。普段では会えない上層部の方でも、簡単に会えたりする。
・クレーム対応はチャンス。できる限り迅速に対応する姿勢を見せる。自分に責任がなくてもまずは謝り、そのあと相手の気持ちが落ち着いてから理由をきちんと聞き取る。相手は「この先どうなるのか」を知りたいので、それを伝えて安心させる。「ただ」という接続詞の反論や、相手を主語にした会話を避け、一般論として伝える。誰かのせいにせず自分が責任を取る。こういった対応で、信用を勝ち取る。