いのちの車窓から【電子特典付き】 (角川文庫) [Kindle]

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感想・レビュー・書評

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  • とても心穏やかになれるエッセイ。星野源さんについてあまり知らなかったし初めて読んだ著作だけど、一気に好感を持てて他の本やドラマや音楽などの作品を見たいと思うようになった。でも病気になられる前はきっと仕事狂だったんだろうなと思うとそれ以前の本はあまり読みたくないような気もする…。夜などの心が落ち着いてる時にゆっくり味わって読みたいエッセイ本。

  • とあるテレビ番組で、林真理子さんが「お薦めエッセイ」というコーナーで紹介していた作品。そのコーナーでは十冊の各エッセイの題名と作者、そしてエッセイが書かれた背景を交えながら紹介していた。その中に私の読書歴の原点の一つと言える北杜夫さんの「どくとるマンボウ航海記」が入っており、林さんの評価もかなり信用できると確信。それらの中でも「いのちの車窓から」という題名とその本の表紙の絵が気に入ったので、私の「読みたい本リスト」に入れていた。

    先日iPadを買い替え中身のアプリを整理していて、紀伊國屋のキノピー、楽天KOBOを久しぶりに開けてみたところ、すでにキノピーで購入済みであったことを発見。いつ購入したのか?全く記憶にはなかった。おそらく今回のように何らかのメディアで誰かの推薦があったものと思われる。私の趣向から言って自ら芸能界の有名人の著作をあまり読みたいとは思わないからだ。もちろん星野源さんの名前は存じ上げている。テレビドラマによく出ている人であり、歌も歌っていて、最近綺麗な女優さんと結婚して、、、ということぐらいは知っていたものの、Singer, Song Witerとしてこんなに有能な人であったのだ!と、改めて認識できた次第。同氏の歌といえば最近のドラエモンの主題歌を作った人、ということぐらいしか知らなかった。いや後数曲は知っている。テレビドラマ等の主題歌を歌っている。ドラマは観ていなくても曲は知っている場合もある。なんだか新しい雰囲気の日本のポップスという印象が残っていた。

    しかし、これほどすごく才能のある人だとは知らなかった。確かにエッセイのような文章は誰でも書けるかも知れない。特に有名人ともなれば、そして出版するとなれば、それだけである程度は売れるであろう。しかし、どこまで本当に本人が書いたものかどうか分からない。そんな先入観を持ちながら読み始めた。

    そこに書いてあるとおり、その時の環境、考え方、楽しいのか?高揚しているのか?落ち込んでいるのか?といった気分、しごとはなにをやっているのか?等々について書いて残しておくと言うことは自分自身にとってとても大事なことだと思う。

    音楽と景色は繋がっている。と彼は言っているがそれはその通りだ。それ以上に音楽だけでなく、香り、ある風景、言葉等々、記憶の中、あるいはそれ以外の事象に繋がりがあり、何かの拍子でフッと様々な感情が同期して感傷的な気持ちになることがある。風の音にぞおどかれぬる、なのだ。

    やはり彼はくも膜下出血という大病を2回も患い、死線を彷徨った。おそらく自身で死を強く意識したと思う。それによって彼は何でもとことん、そのときの彼自身が納得いくまで出来るようになったのかも知れない。人生の一つの壁をぶち破ったのだ。「いのちの車窓から」という題名はとても適切だと思う。

    とにかく面白かった。その人間の素顔が見える文章。読む人の共感を自然に誘う(いざなう)文章・ストーリー。私も共感するところが多々あった。そして、短い各々のエッセイの中に一箇所か二箇所キラリと光るようなグッと心を掴まれるような文が混ざっている。

    同氏がエッセイの中に書き込んでいるように、作曲や作詞で頭脳を極限まで酷使し、悩みに悩み抜いて絞り出して、作品を形にしていく過程は常人の私でも親近感が湧いてくる。彼は決して天才ではなく、努力の人。エッセイについてもそのようにして文章を形にしているのであろう。行間に人柄が見えてくる。

    とても良い作品でした。

  • あとがきに、普段自分も感じることが書かれていて、納得した。
    音楽は、景色と繋がっている。
    小説や映画など、あらゆる娯楽がそう。

    その景色を、鬱屈としたものから素敵なものアップデートするために、素敵な場所へ旅をしたい。旅先で本書を味わいたいと思った。

  • 物を書く時に「頭良く見られたい」という気持ちがあるとそれが文に滲み出ると書いてあって、痛いところを突かれたような思いになった。「読む人に文章を如何に届けるか」とあった通り、星野源さんの日常を切り取った視覚とそれに対する思いがスっと伝わってきて非常に読みやすく面白かった。自分が文を書く時にも意識していたい。

  • 星野源ファンからのお勧めをうけて 「よみがえる変態」につづき読み始めた。

    何気ない日常 人とのかかわり 見える景色 感じる風景を綴っている 一話一話が優しい。
    読みながら… ふわっしたあたたかさに包まれる。

    そして 時にニヤリと 時に噴き出すほどに笑える。あとから思い出しても笑える。 

    気軽に読めて 笑えて 温かい気持ちになれる お勧めの1冊。 曲も聴いてみようかな…

  • 星野源の2015年-2017年のエッセイ。ダ・ヴィンチ連載。
    この時期といえば「真田丸」「逃げ恥」「恋」と星野源が完全にブレイクした時期で
    出てくる登場人物もテレビで見るような有名人ばかり。
    そんな中でも星野の持つマニアックなこだわりやギターや深夜のそばへの愛情、
    フツーな部分が変わらず存在し、そこが魅力となっている。

    芸能人関係では鶴瓶師匠、新垣結衣とのエピソードが出色か。
    このときは結婚するなんて思ってなかったんだろうね。

  • 言葉が詩のように、音楽のように、気持ちに入ってくる。さすが星野源!

  • 『いのちの車窓は、様々な方向にある。現実は1つだけれど、どの窓から世界を見てるのかで命の行き先はかわっていくだろう。』

    文章を書くのが苦手だったとは思えないほど、素敵な内容で面白く、とても好きな言葉選びでした。

    ひとが好きで、だからこそ色んな角度から物事を見れるし偏見がないフラットな見方ができるんだと思いました。

    職業が違うからたぶん出会う人も違うんだろうけど、ありふれた日常をどう捉えるかで源さんみたいな温かい日常が送れるようになるんじゃないかなと思いました。

  • これはね、1番好きな本。

  • 身近なエッセイの中で、星野さんの「日常を切り取って文章にする」力を実感する。

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著者プロフィール

1981年、埼玉県生まれ。俳優・音楽家・文筆家。俳優として、映画『罪の声』で第44回日本アカデミー賞優秀助演男優賞受賞。音楽家としては、近年に『SUN』『恋』『ドラえもん』『アイデア』『創造』『不思議』など多数の楽曲を発表。また、著作に『そして生活はつづく』『働く男』『よみがえる変態』がある。音楽、エッセイ、演技のジャンルを横断した活動が評価され、2017年に第 9 回伊丹十三賞を受賞。

「2022年 『いのちの車窓から』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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