ルポ 座間9人殺害事件~被害者はなぜ引き寄せられたのか~ (光文社新書) [Kindle]

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  •  ネット上で自殺を望む人に声をかけ9人を殺害した座間9人殺害事件を犯人らへの取材や裁判の過程から追っていく。

     被告への面会での取材依頼に対する金銭要求の生々しいやり取り、裁判の過程、さらに被告とネット上でやり取りした人らの取材へと本は進んでいく。

     被告の生い立ちからはこれほどの事件を起こす程の大きな何かは見えない。これは色んな偶然が重なって最初の犯行がうまくいったことでどんどん麻痺していったせいではないかと感じた。
     その上では被害者達がどこかでどうなってもいいといった感情があったことも関係しているのではないか。裁判の弁護側が言うようにみなはっきりとした自殺願望があったとは思えないが、被害者達のほんのわずかなそういった感情が驚くべき連続殺人事件が起きた一因だったのではないかと思う。
     この本が最後に被告と会った人や事件に惹かれて傍聴に行った人の取材をもってきたことで一層そう感じた。

     この事件の闇は深く、それは被告の闇だけではない。

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著者プロフィール

1969年栃木県生まれ。ジャーナリスト、中央大学文学部講師。東洋大学大学院文学研究科教育学専攻博士前期課程修了。元長野日報記者。おもにネット事件、自殺問題、若者の生き方、サブカルチャーなどを取材。98年からは、ウェブと生きづらさをテーマに取材を進めている。

「2020年 『学校が子どもを殺すとき』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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