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感想・レビュー・書評
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AV監督が書いた男性向けのモテ本という触れ込みで、装丁からしてちょっとエッチな怪しさがありそうな本でしたが読みました。個人的にややコミュ障なコンプレックスがあるのでコミュニケーション術とか男性向け女性向け問わずモテ本やホステスさんの仕事術みたいな、人の心を掴むしくみみたいなハウツー本に興味があって昔からマニア的に読み漁ってますが、この本、後頭部をぶん殴られたような衝撃でした。モテ本というか、哲学?人生論?男性に向けて書かれてますが、女性のわたしも自分自身に対してとても勉強になりました。
他のモテ本とは全く違います。例えばこの手の本によくあるのは、LINEするタイミングはこうしましょう、こういう恋愛心理をうまく突いていきましょう、好きな彼と会う時はたまにノーパンで出かけてみましょう、といった物ですが、この本にはそういった小手先のテクニックの類はありません。
『自意識過剰さ』があるからキモチワルイんだよ。だからそれ、治そう。
自意識過剰さって何?それは自分を持ってないから自意識過剰になるんだよ。
という『自分を生きれてない』『自分に迷っている』人へのメッセージのようでした。そしてそれをどうやって治すのか、タイプ別に提案が書かれています。
部分的に少し難しくて理解が及ばなかったところは正直ありますが、全体の輪郭としては、そうだまさにそれなんだよ、と腑に落ちるものでありました。
後半の國分氏との対談の中で、二村氏は
親によって傷つけられてできてきた自分の心の穴を悪いものと捉えて自己受容できないで『自分じゃないもの』になろうとして生きるのは苦しくなるだけだろう。
とおっしゃっていましたが、まさにわたしが以前そうだったのでその意味はすごくよくわかりました。
自分じゃない何者か、になろうとして現実の自分から目を背けて生きていたために、わたしは精神疾患が何十年も治らなかった過去があったので。それが治ったきっかけがまさに二村氏のおっしゃるとおり。
ちゃんとそのままの自分を見ること。自分を飾り付けないこと。ジャッジしないこと。それが必要だと思います。
それすらも自意識過剰なカッコつけなのか、卑屈になってスカして自分を『非モテ』と公言することで片付けてしまい、後ろ向きに生きるのではなくて、正直に『モテたい』と騒いでキャバクラや風俗で勉強してくる人の方がはるかに魅力的でもあります。
面白かった!
二村さんの女性向けのモテ本も読みたいです。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
3.6
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俺には難しかった…。
「あなたはなぜモテないのか。それは、あなたがキモチワルいからです」という、インパクト満点の書き出し。それはいいのだけど。
「あなたの中のスーパー戦隊」あたりから、腑に落ちなくなってくる。【あなたの中の女】モモレンジャーを司令塔に、女心は女にしかわからないんだし、と書かれているのだが。
いや、男性の中の異性像というか、それは母親から受けた超自我なのか、アニマなのかわからないけれども、それは「男である自分」の自我(エゴ)を超越したものなのだろうか?
モモレンジャーに伺いを立てるというのは、結局、自分のエゴを相手に投影しているだけで、リアルな彼女を受け入れていないということではないのか?
最初はそういうのもアリかもしれないけど、リアルな彼女とのギャップを埋めていかなければ、「男性の中の女性像」が成長しない気がする。そもそもそれは単なる自慰行為であり、コミュニケーションとは言えないのではないか。
そういう流儀で「モテて苦しくなる」というのは、だから当たり前な気がする。國分功一郎氏との対談も、自分にはピンとこなかった。
まあ、著者からすると、こんな自分は「キモチワルい人」の一言で片付けられてしまうのだろうが…。 -
モテは考え尽くしたその先にある!
( オンラインコミュニティ「Book Bar for Leaders」内で紹介 https://www.bizmentor.jp/bookbar ) -
キモチワルイ人からの脱却。
オタクが集う大学を卒業した自分にとって、まさに読んで良かった本。自分をかなり否定されたけど笑
なぜキモチワルイのか。話し相手と同じ土俵に立っていないから。
この本には、「このような本を読んじゃうことこそキモチワルイ」と女性が言っているところがある。
ウッ、、、、
同期の明るい女子にも同じようなことを言われた。
「コミュニケーション力を磨きたいなら1人で本読まずに人に会えばいいじゃん」
おっしゃる通りです。ホントに。
土俵を見ずに、同じ土俵に立てるわけが無い。
だけど、実際こういう本を読むこと自体楽しくなっているのも事実だ。いいことももちろん書いてある。
なので、本を読むだけではなく、色んなことにチャレンジしようと決めた。人付き合いが苦手なので、誘いには二の足を踏みがちだが、昨日もキャンプの誘いに乗ってみた。
「独りでいても居心地がいい好きな場所」が見つかることを(行動しながら)祈るばかり。 -
モテ本は割と読んでるけど,上野千鶴子が解説書いて,著者と國分功一郎が対談しているこの手の本はなかなかないでしょうね。
モテないのは「キモチワルイ」からというのはそうだと思うのだが,「キモチワルイ」のは「バカ」か「臆病」だからという分類論はいまいちピンとこない。
自分が何を求めているのか,自分とは何なのか,きちんと考えましょうという話で,いわゆるナンパマニュアル的な要素は一切ない。
上野千鶴子は「”あなたの居場所”というのは,(中略)『あなたが,一人っきりで居ても淋しくない場所』ってことです」に本書の価値を見いだしているが,自分の「こころの故郷」は読書だなぁとしみじみ。
「あんまり浮世の義理がからまない,良く知らない女の子がやらせてくれたら,それは,あなたがキモチワルくなかったんだ,ってことになります。」というのはそのとおりなのだが,モテとはその承認を求めるものなのかはイマイチよく分からない。
「自意識」(=沽券)
「同じ土俵に乗る」
「押しつけではない開示」
「自分の中の「スーパー戦隊」みたいなもの」
【自分の中の女】
「心の穴」
「変わることを恐れない」
など興味深い概念も多数。
キャバクラでコミュニケーションの練習,フーゾクでセックスの練習というのはちょっと北方謙三を思い出しますね。 -
自分を顧みさせてくれる
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