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感想・レビュー・書評
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韓国愛憎を著した木村先生の著作。読み終わって、絡まった日韓関係を解きほぐす容易な解決策は無いのだと思った。半世紀以前、上下関係にあった日韓は、現在は水平関係になっている。IMF危機を経験して、経済改革を目指した韓国の目標は、過去に囚われて停滞している日本ではなく、グローバルな世界だ。そのため、韓国から見た日本への関心度は低く、第二次世界大戦後の解放時からの日本に対する反発や不満の心情はそのままで、何か問題が起こっても以前のように経済関係や政治関係に影響が出ないように火消しをする人がいなくなってしまった。そのため、反発や不満に火が付くと、それが燃え盛るばかりとなる。火を消そうとするほどの意欲もなく、韓国にとって日本はすでに関心を向ける国ではなくなっているのだ。これを日本から見た場合、昔のように韓国はいつも日本を気にしていると誤解しているため、色々と感情の行き違いが出てしまうのだと感じた。世界の他の宗主国と植民地が平静に向き合って付き合っている中で、日韓は、お互いが直接向き合って国と国の関係を決定してきていない。ソ連とアメリカが前面に立って朝鮮半島の政治情勢を決めてきた。そのため、日本人と朝鮮半島の人との間で直接向き合い、お互いの利益関係をその場で整理し清算する機会は失われてしまった。日韓の国交が結ばれたのは解放後20年も経った後である。その時点では日韓の力関係は圧倒的に日本が優位であり、そのため韓国は大幅な譲歩をせざるを得なかったという。そしてそれが今に至るまでの韓国の人たちの不満の一つであろう。
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