同志少女よ、敵を撃て

著者 :
  • Audible Studios/早川書房 (2022年4月1日発売)
3.90
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感想・レビュー・書評

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  • オーディブル。「聴く読書」にて。
    もう、すっかりちゃっかりオーディブラーですね。
    しかしこの呼び名。決して平仮名呼びにはしないでください。
    オーディブラー → おーでぃぶらー → 大でぃぶらー →大でぶらー
    ……誰が大でぶじゃ~!!ヽ(`Д´)ノプンプン
    ただの、ぽっちゃりですから。

    ということで無料で聴けるうちにできるだけ値段の高そうな本を聴こうシリーズ。第2弾。

    舞台は1942年のソビエト。第二次大戦の独ソ戦真っ只中。
    村人全員をドイツ兵に殺されて運よく1人だけ生き残った少女セラフィマは、救ってくれたソ連兵の女性狙撃兵に連れられ、女性のみで構成する狙撃兵養成所で訓練を受けることになる。そして……。

    史実を基にした世界の中に、架空の少女セラフィマを放り込んで、戦争を問う物語。

    戦争と女性。
    戦争とスナイパー。
    とても陰惨な内容が予想されるが、直接的なグロい描写はあまりない。
    それでも悲惨さは十分に伝わる。
    ストーリーも悪くない。
    ただ、養成所でのエピソードで妙に温かい女子高感があった。
    あれはその後の悲劇を浮き彫りにさせる意図だったのかな?

    そもそも史実を基にした話や実際の事件を基にした話があまり好みではないので低めの評価ですが、歴史などが好きな人ならもっと楽しめるのだろうと思いました。

    • 土瓶さん
      難しいよね、おびのりさん。
      二兎を追う者は一兎をも得ず、ってのを久々に思い知った秋の日。
      いかがお過ごしですか。
      難しいよね、おびのりさん。
      二兎を追う者は一兎をも得ず、ってのを久々に思い知った秋の日。
      いかがお過ごしですか。
      2022/11/01
    • 土瓶さん
      まっちゃん、「変な家」のサンプルを聴いてみたよ~。
      凄いね、あれ。
      ナレーターが5人もいる。
      「くちびるに歌を」も「同士少女よ~」も、...
      まっちゃん、「変な家」のサンプルを聴いてみたよ~。
      凄いね、あれ。
      ナレーターが5人もいる。
      「くちびるに歌を」も「同士少女よ~」も、1人でやってたのに。
      ずいぶん予算かけたんだね~。
      そこにビックリしたわΣ( ̄□ ̄|||)

      怖くは……なかったかな(笑)
      2022/11/01
    • 松子さん
      そうなの!5人もいるのに、3人にしか聴こえないのっ!
      あれぇ、怖くなかったかぁ、
      おっかしぃなぁ(・・?)

      ふふ、どんちゃんのオーディブル...
      そうなの!5人もいるのに、3人にしか聴こえないのっ!
      あれぇ、怖くなかったかぁ、
      おっかしぃなぁ(・・?)

      ふふ、どんちゃんのオーディブル聴きながら別本読むのと、おびさんのYouTube聴きながら俳句を作るの、私の心のベストテンに入りましたぁ
      _φ(・_・ 二刀流私も何かで試してみよっ
      2022/11/01
  • 狙撃兵が味方からも蔑視されている、
    というのが衝撃だった。
    さて、ほかの本屋大賞受賞作と同様、
    映像化されるかどうか。
    さすがに舞台を日本に移すのは無理があるが。
    漫画実写化のように、開き直って日本人キャストでやるか…
    アニメ化や舞台化ならできそうだけど。

  • 気になっていた作品を、Audibleにて。
    さすがというか、前評判通りというか、とても凄まじい作品でした…。決して楽しい作品ではなくて、何なら胸糞悪くなるような場面もあるのだけど、そういった点も含めて読んでよかったと思える、読み応えのある作品でした。ノンフィクションといっても通じるくらいだし、というか、エピソードの多くは実際にこう言うことがあったのだろうな…と思わせる内容。
    あと、朗読が素晴らしかったです。登場する数人の少女を、声だけで誰だかわかるように読み分けていて、かといって無理がないというか、変に演技っぽくないというか。

  • 文句なしの今年最も引き込まれ、心動かされた小説。
    オーディブルは一級のエンターテイメント。

  • 狙撃兵として過ごした女性たちの生き様が描かれていた。この子死にそうと思ったらすぐにそうなってしまうのが悲しい。

  • 受賞等でタイトルは聞いていた本作、Audibleにあったので聴きました。
    独ソ戦で全てを失い、狙撃兵となった少女の物語。
    ナレーションは青木瑠璃子さん。
    物語も朗読も素晴らしく、非常に面白い作品でした。

    ◆セラフィマの物語
    生きる動機の喪失、復讐心、居場所の獲得、戦う動機の模索、そして生きる動機の再獲得。
    独ソ戦の過酷な前線と、それに直面する「女性」「狙撃兵」としての側面をしっかり描きつつ、セラフィマの物語として完遂されているのが本当に素晴らしいです。
    そして着地点として、パヴリチェンコの語った「愛するもの」「生きがい」へ収束していくのが、普遍的なテーマではあるけど、非常に今っぽくもある。
    「今」書かれ、「今」読むことに、とても価値があると感じました。

    ◆印象的なエピソード
    第四章でのスターリングラード市街戦が印象的でした。
    敵狙撃兵との戦い。
    「相手を仕留められ、かつ自身は生還する状況を作り出し、そこへ相手を乗せる」という「狙撃」の外側(前提条件)の構築に重きを置かれていたのが、新鮮でした。
    狙撃の「一撃必殺」は、この条件構築の一面なのだなと感じました。
    また、そこで出会った歩兵大隊の人々や子どもたちとのやり取り、サンドラの在り方、セラフィマの成長も印象的で、緊迫感もあって、最後にはオチ(バーニャ)まであって、非常に濃い章であったように感じました。

    ◆狙撃兵
    狙撃兵として成長していくセラフィマを見守りつつ、読者側も(読んでいる間だけでも)その精神性に同調していけるような作りになっていた、と思います。
    終盤、イェーガーに狙撃されるシーンは、序盤の気分で読んだら(ドイツ兵たちが言うように)「そんな馬鹿な!」と思ったかもしれません。
    しかし、成長したセラフィマなら、そしてそれを見守ってきた読者なら「可能だ」と思える説得力があったと思います。
    こういう瞬間って、それまで物語を積み上げてきたからこそ辿り着ける境地で、とても心地良く感じます。

    ◆登場人物
    どのキャラクターも好きでした。
    まず浅い感想ですが、どのキャラも単純に「いい奴」「悪い奴」と分けられないような、様々な側面(生き方、葛藤、判断など)が描写されているのが良かったです。(というか、この物語を読んで誰が悪い、などという軽薄な感想を書きたくない)

    イリーナも好きだしオリガも好きだしアヤも好きだしマクシムも好きだし……と色々思いはありますが、個人的に一番良かったのはシャルロッタかなぁ。
    彼女は作中通して変わらず、そして同時に、最も成長したキャラであるように感じました。
    中盤以降、彼女に安心感とかっこよさを感じていました。

    ◆文体
    Audibleで聴いたので、文字表現(ルビの振り方や漢字の選び方、漢字の開き方、改行頻度など)の細かいところはわかりませんが、非常に読みやすい文体であるように感じました。
    全体的に、端的でさっぱりとした表現が中心だったように思います。
    少女たちが主体で読みやすいということで、ライトノベルと言われても気付かなかったかもしれません。
    (ライトノベルも色々ありますけど)
    バーニャに向かって真顔で「突入!」と言うイリーナとか、稀にしれっと差し込まれるギャグも好きでしたw

    ◆朗読
    ナレーションから少女から男性指揮官まで、ひとりで演じる形式。
    演技もテンポの取り方も演じ分けも、上手い。安心して聴けます。
    狙撃小隊の面々の演じ方はどれも好きでした。それ以外だと、マクシムあたりが印象的だったかな。

    ◆総評
    素晴らしい作品でした。
    アニメなど映像作品にもできそうですよね。アニメ映画で観たいです。(尺が厳しいかな?)
    第二章は、いわば女学校編で、アニメとの親和性も高そうですし。
    本を読んだ方も、Audible版おすすめです。
    また、作中で名前が登場した「戦争は女の顔をしていない」は気になっているタイトルで、コミカライズ版ですが購入はしてあるので、追々読んでいきたいです。
    良い作品に出会えて幸せでした。

  • 面白かった。一気に聴き終えた。朗読者の青木瑠璃子さんの声の使い分けがとても上手いと思った。声でどの登場人物の台詞なのかがすぐ分かる。

    あまりにも悲惨な状況で、登場人物が少女狙撃兵ということもあり、最初はラノベのようなある種のリアリティの無さを感じたが、時代考証はかなりしっかりされているようだ。

    少女狙撃兵仲間が全員生き残るとは元より思っていなかった。誰が死に誰が生き残るのだろうと思いながら読み(聴き)続けたが、結果は「なるほど」という感覚。

    印象に残った登場人物は、教官のイリーナと、秘密警察NKVDのオリガ。オリガはウクライナ人であり、彼女を通じて今のウクライナ戦争に繋がる歴史が垣間見える。

  • Amazon Audible版
    ナレーター: 青木 瑠璃子

    イリーナが少女たちに問いかける
    お前は戦いたいか、死にたいか
    その答えは二者択一とは限らない

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著者プロフィール

逢坂冬馬(あいさか・とうま)
1985年生まれ。35歳。埼玉県在住。『同志少女よ、敵を撃て』にて第11回アガサ・クリスティー賞大賞受賞。

逢坂冬馬の作品

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