コールセンターもしもし日記 [Kindle]

著者 :
  • 三五館シンシャ
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感想 : 12
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感想・レビュー・書評

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  • ちょっと知りたいお仕事の裏側日記

    中高年の 気になるお仕事ばかりなのが

    上手いですねぇ
    電話越しならではの
    お互いの白々しいやり取りもあり
    職場の雰囲気も 案内内容によって
    様々なんですね

    日記シリーズで 良く感じるのが
    まぁ お客様が変なのは
    よくある ありすぎて普通
    同僚の変さに笑える

  • このシリーズ、自慢じゃないが、漫画化されたものも含めて、すべて読んできている。
    ご存じない方のためについでに書いておくと、このシリーズ『交通指導員ヨレヨレ日記』(10刷)から始まって、『派遣添乗員ヘトヘト日記』(5刷)、『メーター検針員テゲテゲ日記』(4刷)、『マンション管理員オロオロ日記』(7刷)、『非正規介護職員ヨボヨボ日記』(8刷)、『ケアマネージャーはらはら日記』(7刷)、『タクシードライバーぐるぐる日記』(4刷)、『ディズニーキャストざわざわ日記』(5刷)、『出版翻訳家なんてなるんじゃなかった日記』(3刷)と、漫画家されたものを除いて都合、9冊もの本がなんと、いまどき珍しい勢いでベストセラー化しているのだ。
    ほとんどの書籍が初版で消えていく。いまの出版不況のご時世にあって、なかなかのものと感心せざるを得ない。シリーズのコンセプトとしては、高齢になってまで働かざるを得ない老人の職業生活のあれこれを日記の体裁にして綴る、というキリクチで耳目を集めるのであるが、いわば団塊の世代に訴求している部分があって、それが奏効しているのだとも思える。
    が、なにはともあれ、このシリーズ、これからもどんどん色んな顔をもった職業のエッセイ本として生き残っていくであろうことは想像に難くない。なぜかなら、団塊の世代だけで、750万人もいるのだから……。
    と、まあ、そんなことはさておき、本題に移ることにするが、今回のこの本、わたしにいわせれば、これまでとは大いにテイストの異なったものに仕上がっている。どこがどう違うのかといわれても、説明に窮するが、なにしろこれまでと違い、同じことしか書いてないのについつい引き込まれ、眼が離せなくなってしまうのである。
    まずは、その語り口に自慢はなく、嘆きもない。淡々と事物のみが、そのあるかままに描写されている。いや、事物というより、登場人物といっていいだろう。そのひとたちが、さらりと描かれているわりには、主人公の一人語りの、角のない柔らかな口調にほだされてか、ほろりとさせられる仲間の一人と化し、いつのまにか自分もコールセンターのオペレーターの一員になっているのである。
    そして、何度もいうが、同じことしか書かれていないのに、その同じことがひとつのリズムとなってわたしの眼を紙面に釘付けにし、耳をコールセンターの雑音とともにそばだたせるのである。その空間は、すっぽりとわたしを包み、みんなとともにそこにあるのを感じる。
    ああ、こんな心地のいい音楽が果たしてあるだろうか。紙面の文字がまるで楽譜のように見え、その旋律はわたしの全身をほぐし、眼や耳を心地よいものにしてくれる。だが、同じことが繰り返されているように見せながら、その根底には重奏低音のように、あるストーリィが流れている。ちゃあんと、起承転結がなされているのである。
    離婚に始まって、その養育費の工面と生活のために、コールセンターで派遣社員として働きながら、タイでの移住生活を夢見る。しかし、息子が大きくなり、成人する頃になると、そうした夢も日本での永住に切り替え、介護福祉士の資格を使ってグループホームでの仕事にシフトしていく。そこには、助手席に座る自分がい、そのクルマを運転する息子がいる。そのあたりの描写を著者のことばを借りて、この稿を締めくくることにしよう。

    息子とは今も3ケ月に1回ほど会い、半日を一緒に過ごす。店でランチを食べて、街や公園を散歩しながらいろんな話をし、私のアパートで夕食を食べる。去年はコロナで取りやめたが、毎年ふたりで旅行に行っている。チャイルドシートから私のハンドルさばきを興味津々の顔で見ていた息子が、今は私を助手席に乗せて運転をする。息子とこんな時間をすごせるようになったことに、私はしみじみと幸せを感じる。

    このまま幸せであり続けてほしい、と願うnoelであった。

  • ふむ

  • BtoCでありがちな苦労

  • 派遣社員吉川氏が、NTTをはじめいくつかのコールセンターで仕事をし、応対した事例を紹介している。

  • 一話一話は短くて読みやすいので、あっという間に読んでしまったが、結局最初の携帯電話会社の苦情処理の章が一番面白かったと思う。
    世の中には我々が常識と思っていることが当てはまらない人がそれなりにいるのだろうが、(ライフラインの面があるとはいえ)かなり辛抱強く我慢する仕組みになっていることにも正直驚いた。

  • なんとなく手に取った本。年齢を重ねていくということや、人生の大きな流れがなんだか読んでいて身に染みた。

  • 複数のコールセンター(ドコモの携帯電話料金コールセンター、プラズマテレビのリコール受付、iDeCo(個人型確定拠出年金)の案内コールセンター、NTTのおまとめ請求)を渡り歩いた筆者による実録日記。
    「コールセンターに電話してきてオペレーターに怒る」という人は必ずいるけれど、何を求めて他人に感情を出しているのか。。(実際は、「他人に」ではなく「企業に」なのだと思いますが)
    通信系のコールセンターと他の業種だと、やはり通過の方が利用するツールが多そうだな、と思いました。

  • 様々なコールセンターでの派遣を務めた作者の回想
    うーん,そこまで真新しい何かがあるわけではないし...といった感想

  • メールでのやりとりより、コールセンターを通した方がこちらの困り事が伝わりやすいと思い、ついコールセンターに電話しがちであるが、受ける方もなかなか苦労しているのがわかった。必ずしも専門家というわけではないんだね。
    著者の境遇は、客観的に見れば大変な状況なのだろう。しかし、人生は何とかなる、という勇気をもらった気がする。

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著者プロフィール

大阪大学大学院人間科学研究科教授

「2021年 『少子高齢社会の階層構造2 人生中期の階層構造』 で使われていた紹介文から引用しています。」

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