- Amazon.co.jp ・電子書籍 (450ページ)
感想・レビュー・書評
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この本を読み終えて、
岡本太郎の
『人生は積み重ねだと誰でも思っているようだ。ぼくは逆に、積みへらすべきだと思う』
『過去の蓄積にこだわると、いつの間にか堆積物に埋もれて身動きができなくなる。』
という言葉を思い出した。
あの時の衝撃を再び味わうことになろうとは。
しかも別の本で。
自分の考えの正しさは、積み上がっていくものであると思う。それらが自信につながって行動を変えていく。
知ることで得られる好奇心や原動力は、確かに素晴らしいことではあるが、新しいものを取り入れるばかりになり、ほとんど手入れをしていない「古い知識」は置き去りになっている。
置き去りになったものは、普通の場合は忘れ去られていくことが多いが、こと知識に関しては、古いまま「苔蒸して」揺るぎない考えに変わってしまうこともよくある。
「ずっと同じだったから、これからも変わらない。」という固定された足場の安心感を味わいたいがために、保持し続ける考えはいくつあるだろうか。
年月は事実の証明ではないということは、歴史が繰り返し証明している。ことに他人がそうすることに対して、批判的に論じることができるのに、自分のことに関しては、そんな気がするで済ますことができるのは、なぜなのだろう。
この本では、そうした既存の考えを見直すために何をすればよいか、ということに関して、多くの視点から書かれている。
根幹にあるのは、「自分の日々の行動を見直して、疑問に思うこと」だ。
自動化やルーティンは、素晴らしい。
しかし、そこに至るまでの理由、それらが本当に最適なのか。繰り返し問いかける必要がある。
もっといい方法はないか、これが最善なのか。自分の考えは正解ではなく、仮説であるということを、常に前提として修正することに重きを置こう。そういったメッセージがこの本から強く響いてくる。
エピローグの後にある、「監訳者あとがき」「インパクトのための行動」に本の要約が書いてあり、つい目移りしてしまうが、まずはこの圧倒されるようなページをしっかり読み切ることをおすすめします。
そして、読み終えたらレビューを書きましょう。
批判覚悟の「挑戦的なネットワーク」へ、足を踏み入れるために。詳細をみるコメント0件をすべて表示 -
オーディブルで聴了。
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自分を自分らしくしている思考。いつのまにか同じ日々や仕事の中で硬直している傾向がどうしても出てくる。それは避けられないことだけれど、自分自身をアップデートしていくために、日々考え直す、見つめ直すことが大事。この本を読むと、自分自身を見つめ直すこと、考え直すことの大切さと、それをどうすれば良いかを具体的に教えてくれる。視野狭窄を防止するために一読をお薦めする。
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成功体験や、決断した自分の考えを再考するにはどうすればよいかを説いた本。
自分の考えを再考する方法、手に再考を促す方法、学び、再考し続ける社会・組織を創造し続ける方法、結論+30の秘訣の構成。
@BizHack1
#THIKAGAIN #発想を変える、思い込みを手放す
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2023/04/01 -
アダム・グラントの『Think Again』を読み終わった。
「脳の処理速度が速いからといって、柔軟な思考の持ち主であるとは限らない。」
自分の見解は間違っている(かもしれない)と意識して、「科学者のように考える」こと、再考することの大切さを教えてくれる、何度も読み返したい本だった。
アダム・グラントの本は、『Give&Take』もすごくいい本だった。
すごい学者で、専門的な内容もかなり盛り込まれているはずだと思うのに、すごく読みやすく書かれているので、その点でも、すごいなぁといつも思う。 -
アダム・グラントの新刊おもしろかった!テーマは「考え直すこと(再考)」について。シンプルにアンラーニングを促すことだけでなく、人間の内に潜む「牧師」「検察官」「政治家」のモードを峻別しながら、より善く生きるための”柔軟な思考”の手に入れ方を詳述する。
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監訳者が楠木建氏なので絶対読まないといけないと思っていた。やはり面白い。
テーマは「再考」であり、考えのみならずキャリア、長所、スキルなど全てにわたって再考するべき時代だとしている。
最も大きな主張は、自分の考えに固執せず、「再考して自分の考えを変えることが重要」という点であった。
自分の頭で考えないで意見を変えるのは、良くない変化になる。思考力もみにつかないし、やらされ仕事になってしまう。
自分の頭で考え、ゴールから逸れずに意見を変えるのは、良い変化になる。
→「過信サイクルを自覚して再考サイクルへと切り替える頭脳」「自信と謙虚さの均衡点を保つ誠意」を自覚するべき
◯過信サイクル
・自尊心が高いと、自分の考えに確信を持ちやすい
・確信を持っていると、2つのバイアスが生まれやすい
1.確証バイアス:自分が持っている知識や前提から予期できるものに視野視点が偏る見方
2.望ましさバイアス:自分が見たいものを見たいように見てしまう見方
・2つのバイアスから「自分の考えは正しい」と是認してしまう。「自分の考えは正しい」と是認するほど更に自尊心が高まる
・特に周りから優秀だと言われいたり、役職が付いている人間はバイアス魔神になりやすい
◯再考サイクル
・無知の知を持ち、知的謙虚さをもつことが前提。そうすれば、自分の考えに対して常にクリティカルシンキングが働いている状態になる
・自己クリティカルシンキング状態であれば、「本当は何が正しいのか?」「もっと正しそうな回答があるのか?」という点に好奇心を持ち、ポジティブに話を聞ける
・もっと正しそうな回答を得られるので、さらに謙虚な自分になれる
◯確信と謙虚さのバランスが重要
確信はやがて傲慢さに変容し、思考の柔軟性にとってカギとなる謙虚さが失われる。
とはいえ、謙虚すぎると自己肯定感が低くなり、思考における確信を得られなくなる。
結局は、確信と謙虚さのバランスが問題にはなる。このバランスを言語化することができる。
「自分のやりかたに対する確信」と「自分自身に対する確信」に分けることが重要であり、分けられる人間は有能である。
自分自身には「自分はすごい」「誰よりも優秀だ」「このスキルは負けない」という確信を持つべきであり、自己肯定感を上げる。
自分のやり方については、常に疑う。もっと良いやり方を探そうとするほうが賢いという確信を持つべき。 -
タイトル名の通り、再考することの重要性を説いている。自分の意見に固執し過ぎたりせず、謙虚さと柔軟性を持って思考することについて、様々な事例を用いてその原因や必要性を深掘りしていく。
得るものも多くあり、著者の分析や主張も素晴らしい。
ただ他の方も指摘している通り、一つ注文するとすれば文章・説明がやや冗長なところ。もう少しコンパクトにまとめられないか、は再考すべきポイントかもしれない。 -
■評価
★★★★☆
■感想
◯Give and takeと同じ著者の本。考え直すための思考的な柔軟性を説いている。
◯知的柔軟性についての考察を書いている本である。
◯掘り下げ方が上手で、どんどん読むことができた。面白かった。